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よく電柱や塀などに片足を上げてオシッコをピッとかけていますが、この行為をマーキングと言います。
マーキングの説明の項目でも触れましたが、マーキングは基本的に自分の縄張りを他の犬に主張するために行われます。自分のにおいを残して、「ここは自分の場所だ」と示しているわけです。
犬のマーキングを観察すると、片足を上げて行うことが多いですが、高い位置に自分のオシッコをかけようとします。これは、高い位置にオシッコをかけられる大きな体格の犬だと思わせようとしているんです。
小型犬の中には、逆立ちをしてまで高い位置にマーキングしようとする犬もいます。
犬は縄張りの主張だけでなく、あいさつや自己紹介のためにもマーキングをすることがあります。
犬のオシッコにはたくさんの情報が込められており、性別や体調、感情なども分かると言われています。そのため、マーキングすることで自分のことを他の犬に伝える自己紹介的な役割も持っています。
愛犬が電柱や街路樹だけでなく、家の中でマーキングをするようになって困っているという飼い主さんが時々いますが、実はこの手のマーキングは注意が必要です。
家の中でのマーキングは飼い主と犬の主従関係が逆転していることを意味するからです。
普通、家というのは飼い主のものであって、家の中は飼い主のテリトリーです。飼い主をボスと見ている犬であれば、家の中でマーキングすることはありませんが、飼い主を下に見ている場合、家の中でもマーキングすることがあるのです。
「自分がボスだ。しっかりしなければ!」なんて思っているのかもしれません。この場合、マーキングの他にも飼い主に対して飛びついたり唸ったりしますし、無駄吠えや散歩中にリードを引っ張るなどの行動を見せることがあります。
愛犬との上下関係も問題ないのに家の中でマーキングする場合、それは愛犬のストレスを意味することがあります。
引っ越しをしたり他のペットが家族に加わったりして生活環境が変わる、飼い主家族に赤ちゃんが生まれて関心が自分に向けられなくなった、などが原因でストレスを感じてしまいます。
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マーキング一つをとってみても、色々な意味を含んでいることがお分かりいただけたと思います。
でも、マーキングはご近所への迷惑も考えるとあまりやってほしくないもの。では、マーキングをしつけることはできるのでしょうか。
マーキングをやめさせるには、まずトイレトレーニングを徹底することです。
オス犬は片足を上げてマーキングしますが、マーキング対策用のL字型トイレを用意し、そこにマーキングさせるようにします。そして、そこで用を足せたら、すかさず褒めるようにしましょう。
家の外でマーキングをしようとした場合には、そのマーキングを邪魔するようにしましょう。
片足を上げたら、そのまま抱え上げたり足を掴んで下したりしましょう。もし、間に合わずにマーキングしてしまったら、そのことに反応せずに水で洗い流して、消臭スプレーをかけましょう。
家の中でマーキングを繰り返す場合には、主従関係が逆転している可能性がありますので、飼い主であるあなたがボスだと分からせるようにしましょう。
良い行動のときだけ褒め、散歩などでも犬が自分より前を歩くことがないようにします。また、ベッドやソファなど人間が使うものに座らせたりしないようにしましょう。
犬のマーキング。犬にとっては本能的な行動ですが、周りに迷惑になる場合も多いものです。様々な意味が隠されていますので、きちんと原因を読み解いてしっかりとしつけましょう。