美しいビーチリゾートの島に何が?

ここで起こっている動物たちのことを思うと、ここの夕日は眩し過ぎて直視することが難しいかもしれません。

かつて、この島には獣医がおらず、治療を受けるには船で3時間もかかる本土に行くしかありませんでした。
その上、行政による不妊去勢手術も行われておらず、島は野良犬・猫たちで溢れていました。
住民たちは動物たちには無関心、いえ、それどころか、邪魔なものとさえ考えていました。
そんな中で多くの犬猫が命を落としていったのです。

コヴァックスさんの決意

アメリカ生まれのコヴァックスさんは、当時、ノルウェーでグラフィックデザイナーとして働いていました。
40才になった時、彼女は何か新しいことを始めたいと考えました。
そして彼女は運命的な決断をしたのです。
以前、観光で訪れたことのあるこの島で料理学校を開くことを。

こうして、彼女はこの島に移り住みました。
しかし、彼女の目に再び飛び込んできたのは、そこら中にいる野良犬や猫たちでした。

ちょうど多くの企業が閉鎖に追い込まれた時代で、彼らは唯一の糧であったゴミでさえ見つけることも出来ず彷徨っていました。それは本当にひどい状態でした。
それを見た時、コヴァックスさんはは何もせずにはいられませんでした。

そんな状況の中、彼女は料理学校を「TIME FOR LIME」というレストランに変えて、ビジネスチャンスを拡大していきました。
彼女は動物たちの援助に必要な資金繰りを確保し、ついに2005年には動物たちの駆け込み寺である、24時間開業の動物クリニックをオープンしたのでした。

ボランティアの輪が国境を越え、やがて島は動物の避難所に

そうこうしているうちに、島内外からも彼女の活動に手を貸すために人々がやって来るようになりました。
その人達はタイを訪れる観光客でした。
そして、その活動はやがて「Lanta Animal Welfare」という動物保護団体を設立するまでに至ります。

ボランティアをするために多くの人がこの島に渡り、そしてまた、多くの動物たちが、新しい快適な家に住むため世界中に旅立っていきました。

また同時に、コヴァックスさんはこの島の野良犬・猫たちに避妊去勢手術を受けさせることを始めました。
このままでいけば、将来、野良犬猫の人口は9割ほどに減収することになるでしょう。

5年後、島は見違えるようになった

島の変革を成し遂げたボランティアの力

ボランティアの1人、NYに住むサラさんは、最近、5年ぶりにこの島に戻りました。
彼女は、その変貌ぶりに目を見張ったそうです。


かつての野良犬・猫たちの姿はどこにも見当たりませんでした。 この国で、これほどまでに野良犬・猫が存在しない島は他にはないでしょう。 これほどに、動物保護活動が実を結んだ例は珍しいです。 それも一重に、そこで活動している人々の強力な援助のおかげでしょう。

こうして、この島は、犬猫の避難所としても知られるようになりました。
現在、この施設に保護されている数は、およそ犬40匹、猫70匹と比較的少ない方です。
その収容数は、ここで保護される動物のためにも厳格に守られています。
ここにいる動物たちはひどい状態だったために、やむなくここに保護されています。
怪我が治れば、再び食べ物を得ることが出来るビーチに戻してあげます。

観光で知られる他の島と同様、ここランタ島はゆったりと時間が流れる南国パラダイスです。
ここの島がちょっと違うのは、ここに観光で訪れる人達が、動物たちへの愛情から、ボランティアとして働くという結果になることです。
そして、たいていは当初予定していた滞在日数を、1週間、数か月、数年と延ばしていくことになるのです。

コヴァックスさんが最もたる例です。
料理学校の開校のためにやって来た彼女が、こうしてこの島に大きな変革をもたらすことになったわけですから。
動物への愛がこんな奇跡の結果をもたらしたのです。

 
情報提供元: mofmo
記事名:「 1人の女性が始めた島の犬猫たちの保護活動が世界中から支援され・・・。島の変貌に心打たれる。