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サンクチュアリーとはそもそも虐待されたり傷ついた動物を終生愛情を注いで育てる施設です。しかしなかには「サンクチュアリー」を名乗りながら、劣悪な環境で動物を虐待する施設も存在するのが事実です。ニューヨークにある「スードー・サンクチュアリー」は何度も動物福祉法に違反し厳重注意を受けてきた施設でした。
キーシャの生い立ちはよくわかっていませんが、恐らく素人が安易な気持ちで許可なく裏庭で飼っていたところを引き取られたと予測されます。一般家庭で猛獣を飼う人達の目的はお金儲けの場合がほとんど。「かわいい子トラと写真撮影」などとうたって客寄せをしたりします。表向き素敵な企画に見えますが、その裏で動物達が虐待されていることなど、罪の無い市民は知る由もないのです。やがて子トラは成長し一般家庭では手に負えなくなるのでしょう。キーシャはそんな人間の身勝手な理由で劣悪なスードー・サンクチュアリーに送られてしまったのです。
幸運なことに、キーシャはフロリダ州タンパにある「ビッグキャット・レスキューチーム」に保護されました。そこでわかったのは、スードーという施設がどれだけ劣悪だったかということ。キーシャは痩せ細り施設内のライオンに襲われしっぽと耳の一部を失っていました。
ビッグキャット・レスキューチームで大切にケアされたキーシャは徐々に輝きを取り戻し、痩せ細っていた体も健康に生まれ変りました。今では遊ぶことも走ることも思う存分楽しんでいます。そしてなにより、もう食べ物の心配をすることもありません。
撃ち殺される寸前の馬
オレゴンの大地で生まれた野生の子馬ペイズリーは人間に捕らえられ、牧場に預けられていました。ペイズリーのオーナーはやがて預り費を支払わなくなり、牧場主はお金にならないペイズリーを馬小屋ではなく放牧地に放置し適切なケアも怠りました。人間に捕らえられ、人間の都合で飼い馬になったペイズリーの生活はまるで野生に戻ったように荒れ果ててしまいました。
やがて資金難に陥った牧場主は牧場を手放すことを決意。ペイズリーを置き去りにします。
ある日「ダッチェス・サンクチュアリー」に一本の電話が。それはペイズリーの牧場主からでした。誰かが引き取らなければペイズリーを打ち殺すと言うのです。ダッチェス・サンクチュアリーはその時すでに決めていました。ペイズリーを引き取ると。
2013年9月、ペイズリーは地獄の牧場を脱出しダッチェスに到着。その姿はボロボロで明らかに蹄(ヒヅメ)に異常が見られました。ダッチェスのスタッフは丁寧に蹄のケアをし、虫下しやワクチンも施しました。
現在ペイズリーは他の40頭の保護馬とともに楽しく暮らしています。
それは2016年4月のこと。ネコのライリーは猛スピードで走る車に轢かれて瀕死の重傷を負ってしまいます。性別すら分からないほどの酷い怪我だったため、男女どちらでも通用する名前をつけないとなりませんでした。
ライリーは「タビーズ・プレース」というネコの保護団体に引き取られ、救急病院へと搬送されます。ライリーを一目見た獣医はこう言います。「安楽死させよう」と。ライリーの顎と大腿骨は砕け、肺は潰れ、脳は腫れあがるなど数えるときりがないほどの重症だったからです。しかし、タビーズのスタッフはライリーの生命力を信じて決して諦めませんでした。
ライリーは2度の手術を乗り越え、6日後には目を覚まします。そしてすこしずつ頭を動かせるようになりました。
現在ライリーは多少の不自由はあるものの元気に暮らしています。ライリーの生命力が起こした奇跡でした。
4つのストーリー、いかがでしたか?いずれも諦めなかった人間が救った命です。
幸せになった動物の姿を見れるのは、ほんとうに喜ばしいものです