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猫は片っ端から周りにあるもののにおいを嗅ぐ習性があります。猫同士が出会う時もそんな行動をとります。最初に鼻と鼻とを突き合わせて相手の口のにおいを嗅ぎます。
次に相手の猫のお尻のにおいを嗅ぎ、自分のお尻のにおいを相手に嗅がせます。そうすることでお互いに相手に関する情報を入手し、その猫のことを知ろうとするわけです。
ただし猫でも初対面は苦手なようです。お互いに警戒しているため、簡単にお尻のにおいを嗅がせるわけにはゆきません。互いに相手の行動や出方をみながらぐるぐると同じ場所で回ります。
回る行動によっ自分が優勢になろうとして熾烈な駆け引きを行っていて意味のある行動をとっているんです。
お尻のにおいを嗅がれる猫は、相手に自分のお尻を向けなければなりません。そうすると自分のお尻に相手の顔が近づくので、当然相手の猫の表情や行動を見ることができません。
先にお尻の臭いを嗅がせる猫にとってこれだけ不利で劣勢な状況に甘んじる必要があります。そうしている間に優劣が決まります。劣位の方の猫が尻尾を上げお尻のにおいを嗅がせます。
猫は群れで行動する犬とは違って単独で行動する動物です。
相手が自分にとって敵ではないことが分かるなら、それ以上関心をもつわけではありません。そうなると猫にとって相手のにおいを嗅ぐことに意味がなくなります。そういう理由で、次にその同じ猫と再会したときは、まったく無関心です。
変化する臭腺のにおいを他の猫が嗅ぐと、コンディションがいいのか、優れないのかが分かります。猫同士がお尻の臭腺のにおいを嗅ぎ合う行動は、お互いにコミュニケーションをとっていることになります。
「元気?」「今日はまあまあ」そんな調子でやりとりがあるようです。お尻のにおいを嗅がせるという行動は、無防備な状態になるため、相手を警戒することなく、安心していることの証拠でもあります。
また猫が相手の猫のお尻のにおいを嗅いだ後、口を開けてだらしない顔をする場合があります。においが臭くて放心状態になっているわけではなく、フェロモンやマタタビを嗅いだときの症状でフレーメン反応といいます。猫がお尻のにおいを嗅ぐことには重要な意味があるんですね。
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猫を観察していると、お尻のにおいを嗅いでいるけど、何度もにおいを嗅いだり、いつもよりずっと長くにおいを嗅ぐことがあります。そのことにはどんな意味があるのでしょうか?
長めにお尻のにおいを嗅がれている猫の方が体調不良であることのサインです。長く何度もにおいを嗅がれている猫は決まって何らかの不調があります。
猫同士のコミュニケーションや行動をよく観察しているなら、愛猫の体調不良により早く気づけます。
また大きな健康上のトラブルを抱えているなら、早めに治療したり処置することができるので、判断の助けにもなります。
猫同士がお尻のにおいを嗅ぐという不思議な行動には、猫にとって重要な意味があるんですね。飼い主にとっても猫の健康状態を把握する上でこうした行動を観察することには益があります。
体調不良のサインがあればすぐにケアしてあげましょう。