【猫のオッドアイ】左右で目の色が違う原因と短命になる理由とは
■オッドアイとは?
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オッドアイとは左右の瞳の色が違う事です。特に白猫に多くみられ、25%の確率で発症するようです。人間でも白人やハーフに多く見られます。医学的には「虹彩異色症」と呼ばれます。猫種でいうと、ジャパニーズボブテイルなどにオッドアイがみられ、白地の三毛猫に多いようです。
他の猫種でもありますが、ターキッシュバン、ターキッシュアンゴラにもオッドアイが現れやすいです。瞳の色の組み合わせは、片方がブルーで、もう一方がオレンジ、グリーン、茶色、黄色のいずれかが通常です。片方が黄色でもう一方が淡銀灰色または淡青色の組み合わせの場合、日本では、「金目銀目」と呼ばれていて縁起の良いものとして知られています。
■オッドアイであると何か支障はあるの?
オッドアイの猫は3割から4割の確率で、聴覚に障害があるというデーターがでています。ほとんどは、薄いブルー系の色の瞳の側にある耳の聴覚に障害があります。反対側の濃い瞳の方の聴覚は正常のようです。決まって白い被毛の猫のブルー系の片方瞳の側の耳だけに生じることが分かっています。
■オッドアイになる原因
オッドアイで聴覚障害を抱える猫の多くは、白い被毛で、ブルー系の瞳をもっています。実は白い毛をつくり出す遺伝子はW遺伝子とS遺伝子の2種類があります。W遺伝子(白色遺伝子)は、すべての色を覆い隠して白色にしてしまいます。これは優性遺伝子で、猫の毛の色を決めるすべての遺伝子の働きを抑制し他の毛色を隠し消してしまいます。ゆえに、マスキング遺伝子とか遮蔽遺伝子とも呼ばれます。他方S遺伝子(白斑遺伝子)は、黒白または茶白のように部分的に白い斑点をつくります。
白い毛を作り出しているW遺伝子がブルー系の目やそれと同じ側の耳に聴覚障害を引き起こす原因とされています。W遺伝子には毛の色素細胞(メラニン形成細胞)つまりメラノサイトがなく、それが目の細胞に影響を及ぼすとブルー系の色をした瞳になります。目の色素が欠乏することでブルー系統の瞳の色になるわけです。聴覚障害は、内耳の蝸牛の中にあるコルチ器(音を感受する器官)が形成されないと障害の原因になってしまいます。
W遺伝子がどの程度までメラノサイトを欠乏させるかによって白い猫の瞳がブルーになったり、聴覚障害になったりするかに影響を及ぼします。ブルーアイの白猫の聴覚障害を抱える確率は60~80%とかなり高くなる原因はそこにあります。すべてのケースが先天性のものというわけでもなく、5~6歳になってから聴覚障害を抱えるようになった白毛のブルーアイの猫もいます。
■オッドアイはなぜ短命なのか?
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オッドアイの猫は遺伝子が正常でないため、瞳がブルーになったり、片方の聴覚障害を抱える猫が多いので、それだけ健康的にも他の猫と比べると体が弱いと考えられています。
自然界では、耳が聞こえないので外敵に見つかりやすく生存競争で命を落とすことが多いため短命と言われます。しかし、室内飼育の猫の場合はそうしたハンディを心配する必要はないでしょう。同種の猫とオッドアイの猫を比較して何年も差がつくほど寿命が短いということが実証されているわけではありませんが、遺伝子に異常がある事実から、完全な健康体ではないと認識して、丁寧に世話するようにしましょう。
さらに、聴覚障害を抱える猫なら健康体の猫と全く同じように扱わない方が賢明です。
■オッドアイの猫の飼い方の注意点
ブルー系の瞳は色素がないため青い色をしているので、直射日光に弱いことを忘れないようにしましょう。白い被毛の猫も同様です。
聴覚障害を抱える猫はいきなり触られるとびっくりしてしまうことがあります。聴力にハンディがある分、いくらか神経質になる傾向があるので、ゆったり暮らせる環境づくりが大切です。