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また消化器が衰えると、消化不良や嘔吐を繰り返すようになります。
老犬の食事に関しては、これらの状況をふまえて手作りの食事などで栄養補給してあげる必要があります。
市販の老犬用介護食も豊富になっており、手作りレシピを公開しているサイトもありますので、愛犬の状態に合ったレシピで手作りしてあげるのも良いと思います。
ここでもいくつか老犬のための手作りレシピを掲載していますが、手作りの食事は必要な栄養が全てバランスよく摂取できるものではないことに注意が必要です。
若いときから手作りの食事で飼ってきた犬であればまだよいのですが、総合栄養食と呼ばれるドッグフード(ドライフードでもウエットフードでも)で飼われていた犬は、老犬になっても基本的に慣れたフードを主食とし、食欲増進のため手作り食を加えてあげたほうがお腹を壊しにくいだけでなく、他の病気も予防できます。
食欲も食べる力も衰えて、バランスよりもとにかく何か口に入れてエネルギーにしてほしいという場合は、愛犬の好物で手作りの食事を用意してあげるのも良案です。
手作り食のレシピはスープやお粥が多いのですが、犬が自力で食べることができるなら食事の汁気が犬の口まわりや顔に飛び散っていることがありますので、食後におしぼりで拭いてあげましょう。
自力で摂取できない老犬にシリンジで給餌するときは誤嚥に注意が必要です。
老犬用のフードは年齢別に市販されていますが、実際に愛犬が食べてくれるかによって選択する必要があります。
ひとつめのポイントは、噛む力が弱くなったり食欲が衰えたりすることへの対策です。
ドライフードを噛むのが難しくなったら、ウェットフードを加えて徐々に切り替えてみましょう。
犬は五感のうち嗅覚が強いので、暖めてにおいが出るようにしてあげると、食欲も亢進します。水の摂取も難しくなるので、ウェットフードやふやかしたフードで補給できるようにしましょう。
もうひとつのポイントは、老犬に必要な栄養です。
穀物と肉から栄養を摂る人間と異なり、肉食の犬は年老いても高タンパクが必要です。必要な栄養を弱くなった消化器で吸収できるように、消化のよい状態にして食べさせましょう。
手作りしてあげるなら、スープをベースにした手作りレシピなどが公開されています。
噛む力が弱くなったり、消化器の機能が衰えたりした老犬向けに消化のよいごはんの手作りレシピが解説されたサイトをご紹介します。
【材料】出典:http://www.inunekosummit.net/inu_recipe/dog_longlife.html
・長生きのための愛犬手作りごはんレシピの材料
・鳥の胸肉…300g
・ヨーグルト…1/4カップ
・キャベツ……3枚
・小松菜……2本
・にんじん……少々
・りんご……1個
【レシピ】
1 鳥の胸肉は皮をむいて、小鍋で火が通るまでゆでて取り出し、細かく裂く。
2 ヨーグルトは分離していたらよく混ぜてとろとろにしておく。
3 キャベツと小松菜、にんじんは小さく切り、1のゆで汁で柔らかく煮る。
4 りんごを皮ごとみじん切りにし、冷めた3に入れる。
5 お皿に4を盛りつけ、1を飾ったら2をソースのように上からかける。
(「ご近所犬猫サミットin都内某所」から「長生きしてほしい」メニュー)
ご近所犬猫サミット都内某所~ご主人様の手作りご飯を発表~
大型犬や心臓などに疾患のある老犬向けに、カロリー抑えめでタンパクを摂取しやすい老犬食の手作りレシピです。
【材料】出典:http://blog.goo.ne.jp/dogfood15/e/03e303bb83f992c6e2984b1f40078c5b
約3日分
・手羽元 8本
・にんじん 1本
・じゃがいも2個
・さつまいも 1/2本
・インゲン 5本
【レシピ】
1 圧力鍋に切った具と材料より少なめの水を入れる。沸騰したら弱火にして15分煮る。
2 圧力が抜けたら、手羽元を取り出す。骨から軟骨と身を外し小さく裂いて、1食分ずつ分ける。
3 残りの野菜はブレンダーを使って潰す。
4 ペースト状になったら、2の手羽元の容器に注ぎ冷蔵保存する。冷凍も可。冷蔵したものを熱いご飯と混ぜると、ちょうど食べやすい温度になります。
(「ワタシ流~老犬介護と手作り犬ごはん~」より)
お水を飲む量が少なくなりがちな老犬の食事に、細かくつぶして混ぜるほか、暑い季節にはそのままおやつにしてもおいしく水分補給ができます。
老犬に補ってあげたいタンパク質が豊富で、噛まなくても体温で溶け水になる安全なレシピです。
冷蔵庫で保存して、2~3日以内に食べきりましょう。
【材料】
・鮭(骨・塩なし、または刺身用)30グラム
・粉ゼラチン5グラム
【レシピ】
1 鍋にカップ1(200㏄ )のお湯を沸かし、鮭を中火で5分ゆでる。
2 鮭をお湯から上げ、細かくほぐす。(ゆで汁は使うので捨てない。)
3 ゆで汁のあくを取り熱いうちに粉ゼラチンを振り入れ、かきまぜて溶かす。
4 ほぐした鮭をゼラチン液の中に入れよくまぜ、鍋ごと水道水で冷まし粗熱をとる。
5 ラップを敷いた保存容器(弁当箱でもよい)に流し入れ冷蔵庫で冷やして固める。
6 固まったら与える量だけスプーンでかきとりざっとつぶす。
消化機能が衰えてきた老犬は、1回の食事量を減らして、1日に3~4回くらいに分けてあげましょう。食事の量も、成犬のときよりは減らして消化のよいものを与えます。
老犬の栄養補給のサプリメントは、目的別に市販されています。
消化器の補助には、整調作用のあるヨーグルト粉末(ワンラックヨーグルトミックス)やオリゴ糖ペースト(スタミノン)があります。
関節の疾患予防には、コンドロイチンのペースト(スタミノン関節ケア)、グルコサミン製剤(プロモーション700)があります。
認知症予防に、DHA,EPA製剤(メイベットDC)やアラキドン酸製剤(SUNTORY Pet Health)があります。
歳を取って、うつむいた姿勢での食事が辛いような老犬向けに、補助食事台が市販されています。
餌を受け付けなくなった老犬には、流動食をシリンジで給餌してあげる必要があります。
流動食とシリンジは市販の製品があります。
また流動食の手作りレシピも紹介されています。
流動食の手作りレシピを公開しているサイトからご紹介します。
【材料】出典:http://inujin.com/olddog/680/
・ジャガイモ1/4個
・ニンジン輪切り1㎝
・キャベツ1/2枚
・シイタケ1/2枚
・さやえんどう1本
・鶏むね肉100ℊ
・こはん大さじ1杯
・溶き卵1/2個
・オリーブオイル適量
・水適量
【作り方】
1 ジャガイモ、キャベツを5ミリ角に、ニンジン、シイタケをみじん切りに、さやえんどうを2ミリに切ります。
2 火の通りにくいジャガイモ、ニンジン、シイタケ、キャベツ、さやえんどうの順に入れて適量の水で柔らかくなるまで煮る。
3 柔らかくなったら、野菜だけを取り出し、ご飯と鶏むね肉を入れて煮る。
4 オリーブオイルでトッピング用のいり卵を作る。
5 鶏むね肉に火が通ったらお皿に、ご飯、鶏むね肉、野菜を乗せ、いり卵で飾り付けをして完成。
(「INUJIN」エサを食べない老犬に流動食を用意しよう)
最後に流動食の与え方を動画でご覧ください(「ナナちゃんびっくり、注射器ご飯!上手に食べてね 」)。