- 週間ランキング
実は犬のひげは被毛とは根本的に違い、ここが最大の注意点ですが、毛根には神経と血液が流れている立派な器官なんです。
これは野生動物時代の名残ともいえ、犬の本能をそのまま残して、狩猟に犬が利用されてきた歴史と大いに関係があります。
犬の種類を調べると、ある共通点に到達します。
それが狩猟の中では最初に獲物を見つける役割です。鳥や小動物は非常に素早いため、犬の嗅覚と鋭い聴覚と、その強靭な脚力を生かして飼い主よりも早く獲物を犬は見つけます。
したがって、そうした飼い方では犬のひげは感覚器官として、茂みや藪の中で充分役割があるのです。
日本での狩猟の歴史は、鷹などの鳥類を利用したものが多いのですが、犬の原種のほとんどは西欧それもイギリスを代表とした王侯貴族が狩猟を理由に飼育したのがその始まりです。
犬はウサギや、森の中に生息する鳥類を狩るために改良され、皆さんがよく知るプードルやダックスフンドなども元は狩猟用の犬なのです。
もちろん牧羊犬や愛玩犬も存在していましたが、犬といって多くの人がイメージする犬のスタイルは、圧倒的に狩猟用品種が多いのです。
いくら人に飼われている歴史がないからといっても、それは現代のような愛玩を理由に飼われていたわけではないことは、ひげの存在が物語っています。
ひげを切らなければならない対処法は、ずいぶんと近代になって愛玩犬として飼われてからのことが多いですね。
Sigapo/shutterstock.com
結論から先に言えば切ってもいいです。けれども犬のひげを切る必要はありませんし、切らないで済むならその方が良いです。
ではなぜひげを切る理由があるのでしょうか?これは、外見上のものだけですね。一部の愛玩犬は被毛の切り方でまるでぬいぐるみ人形のように可憐な雰囲気に仕上がります。
そうするとひげが短く揃っていた方がより可愛らしい見た目になります。
逆に言えば犬らしくない雰囲気に仕上げるわけですが、意外なことに被毛のトリミングをする必要のない大型犬の魅力をより引き出すためにひげを切る飼い主さんもいるのです。
犬のひげを切るかどうかを考えたこともない飼い主さんがほとんどでしょう。
それなのに、切ってもいいの?という疑問が生じるのは、犬の美容室などのトリミングで「ひげは切りますか?」などと聞かれるためで、一般家庭で野外で犬を飼育している場合などは、あまりそういった機会がないからですね。
猫場合はひげは大切な感覚器官で、これがないと狭い場所を潜り抜けたりする際に、急な動作ではくぐれなかったり生活に支障が出ますが、現代の日本で飼われる犬の場合は、こういった理由による心配もありません。対処法も考える必要はないでしょう。
切ることでスタイルがよく見えたり、精悍に見えたりするいわば飼い主さんの趣向に合わせて切ってしまうのは、悪いことではないのです。
これは犬を飼う意味では、注意点として覚えておいてほしいものです。
ドーベルマンやボクサーなどの品種の場合、ひげがあまりに長いとその姿は妙に恰好が悪いように感じられるでしょう。
確かに、「見かけでひげを切るのは、人間の都合」とも思えますが、品種の持つ本当のスタイルを維持する理由もありますから、ボクサーの尻尾をカットしたり、耳を切るのと同じでこうした対処法はある程度、愛犬家では常識となっているんですね。
その犬を大切にしているからこそのオーナーもいることから一概に批判することがないよう、この点は注意点として覚えて欲しいものです。
しかもひげの場合は、切ることで生活に支障が出る理由は、犬の場合は猫と違ってほとんどありません。
嗅覚と聴覚と脚力がとにかく犬の健康上には不可欠ですが、ひげの役割はすでに現代の犬の場合、退化の一途をたどっているのかもしれませんね。
いずれにせよ犬のひげを切るという対処法は重要な意味は重要性が低いため、それほど気に理由もないのです。