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猫を運ぶ容器としてのキャリーバッグです。滞在先でどのように過ごすかは、その場所により別に考慮する必要があります。
ペット同宿OKあるいはペットホテルありの宿など、滞在先で自由に過ごせる場所もありますが、猫を部屋で留守番させる状況なども考慮し、ケージ持参を義務付けられる施設もあります。
実家などの場合は猫が動き回れる空間がありますが、脱走防止や移動用のハーネスはあった方がいいでしょう。
基本的にキャリーバッグに閉じ込めたまま、ハーネスでずっとつないだまま過ごさせるのは無理だと考え、滞在場所での猫が自由に、かつ安全に行動できる場所があるかどうか、事前にしっかり確認しておきましょう。
初めての場所に連れていかれて興奮したり、体調を崩す場合もあります。普段となるべく同じ生活環境を維持するためにも、いつも使っている食器と食べ慣れたフードを回数分用意します。
水などを給水するシリンジを準備しておけば便利です。猫の好きなおやつなどもあるといいでしょう。
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2,3日であれば、ペットシーツがトイレ兼用にもなりますが、長期の場合は猫用の携帯トイレが望ましいでしょう。
場所やにおいが異なると便秘の原因になりますので注意しましょう。持参できるのであれば普段使用しているトイレと、慣れた猫砂を準備しておくと安心します。
宿泊施設に泊まる場合はチェックインの際にトイレの設置や排泄物の処理について確認してください。排泄物は持ちかえる場合と、専用のごみ箱に捨てられるところもあります。
安心して寝られるよう、キャリーバッグの中にいつもの寝床の敷布や遊具を準備してあげると落ち着きます。
その他には使い慣れた爪とぎがあると、滞在先の家具や壁を傷つけるリスクを減らしストレス解消にもなるでしょう。
宿泊施設によっては客室のベッドに猫が上がるのを禁止している所もあるので、シーツのような大きめの布を持参してください。
体調を崩した時にそなえて薬や、猫の足を拭くタオルと濡れティッシュ、抜け毛対策に掃除用の粘着ローラーや消臭スプレーなどもあるといいでしょう。
猫の側の準備としては、滞在先や他のお客様の迷惑にならないよう、出発前にシャンプーやブラッシングをして清潔にしてください。旅行中のトラブル防止に爪切りをしておいたり、ノミ・ダニの駆除もしておくと安心です。
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電車などの公共機関は、手荷物料金を支払ってキャリーバッグから出さないようにしないといけません。
猫は非常に耳の良い動物で、人間では気づかない物音に驚いて飛びだしたり、怖がって興奮する場合もあります。普段は大人しい猫なのに、移動中ずっと鳴き止まないなどの問題が起こる可能性もあります。
毛布などで被うと遮音遮光の効果があり、大人しくしてくれる傾向がありますが、初めての旅行の場合は猫がどんな反応をするのか、移動中の猫のストレスには十分に注意してください。
猫を旅行に連れて行くには、他のお客様への対処や猫の安全を考慮すると、車で移動するのが順当です。
ただし車中で猫を自由にすると、パニックで運転者に飛びついたり、逃げようとしたり、シートの下に潜ったり予測できない行動をするので注意しましょう。
長時間の車での移動はストレスになる事もあるので、事前にキャリーバッグに入れて、車に慣れるよう準備します。
猫が乗り物酔いしやすい場合は、獣医さんにもアドバイスをもらい、食事を控えたり薬を呑ませたりする準備も必要です。
暑い時期などはエアコンで温度を調整し、猫を車中に置いたまま観光や食事をするときは、車内温度が上がって熱中症にならないように注意します。
宿泊先で猫を自由にさせるのが困難なときは、車中で自由に解放してあげたほうが良いこともあります。その際はシートなどをカバーで被って、抜け毛やお漏らしに備えます。
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猫用のキャリーバッグには、車のシートベルトで固定できるものや、災害時の多機能のものなどがあり、旅行に連れて行くときに便利です。
車中で日が当たると、バッグ内は意外に温度が高くなるので気をつけましょう。
猫が逃げ出さないように、キャリーだけでなく洗濯ネットを使ったり、ハーネスの準備をしたりしておくと安心です。
ただしハーネスは突然つけると猫によっては嫌がる場合もあります。サイズが合わないと脱走されてしまう可能性もあるので、使用感を確かめ猫に慣れさせるためにも、ハーネスを使用する際は事前にある程度の練習が必要になるでしょう。
猫が旅先で逃げ出すと、探すのは大変です。
人の手から餌をもらって育った猫が、野外で生き延びるのは難題です。万が一に備えて、首輪やネックストラップ、ハーネスなどに連絡先を記した迷子札を付けておきましょう。
中に迷子札を入れておける識別タグも市販されています。
小型軽量のGPSロガー(見出し写真)や、首輪に付けたIDタグのQRコードを誰かがスマホで識別すると、自動的に飼い主に連絡されるサービスなどもありますが、まだ一般的ではないようです。
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ペットが逃げた場合に備えてマイクロチップを移植しておくのは、自然災害でペットと離ればなれになったときも有効です。
避妊や去勢手術の際に、同時にチップを移植する費用を補助してくれる自治体もあります。ただ日本では移植への忌避感が強く、反対する声が根強いようです。
猫が迷子になったら、旅行先の警察、動物愛護センター、保健所等に連絡を入れます。ペットは遺失「物」であり、行政機関で保護されると速やかに処分される畏れがあります。
早めの連絡が必要なのは言うまでもありませんが、それよりもまずは逃がさない手立てを十分に整えることです。
猫は環境の変化に敏感だという特性を理解して、キャリーバックやハーネスで安全な移動をし、迷子札等の対策を心がけておきましょう。