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その後、アメリカやカナダ、ロシアなどの国からも元の犬種と考えられている犬が輸入され、1930年頃には繁殖も始まりました。
ある説によると、シベリア原産のサモエドも交配されているとの情報もありますが、確かなことは分かっていません。
前述の「特徴」の部分でもご紹介しましたが、スピッツという名前は、ドイツ語のシュピッツ(とがった物)からきているとの説があります。
この名前は、とがったマズル(口元)のことを指しているものと思われます。
また、よく吠えることから、ロシア語のスピッチ(火)からきているという説もあります。
日本スピッツは、1948年、全日本警備犬協会(後のジャパンケネルクラブ)により、統一されたスタンダード(犬種標準)が確立されました。
その後、国際畜犬連盟には1964年に正式登録されました。
日本では、その白い被毛とまん丸の目が人気となり、第二次世界大戦以後から高度成長期にかけて急速に流行しました。
1950年代には、日本で一年間に登録される家庭犬の4割を日本スピッツが占めるほど、大人気だったようです。
その流行に便乗した多くの人が日本スピッツを増やそうと乱繁殖を行いましたが、残念なことに日本スピッツの質がどんどんと落ちてしまいました。
さらに残念なことに、犬のしつけの知識や、犬種特有の性質の理解に飼い主が追い付いていけず、日本スピッツは「キャンキャン吠えてうるさい犬」というレッテルを貼られてしまい、流行はあっという間に終わってしまいました。
この吠え癖が多かったのは、「屋外で鎖につないで飼う」という当時の飼育習慣によるところが大きいという説もあります。
日本スピッツの人気が終わった後、さらに小さい犬のマルチーズや、ふわふわした被毛が特徴のポメラニアンに人気が集まっていきました。
しかし、流行が去ったあとでも、本当に日本スピッツを愛する愛犬家の手により、しっかりとした繁殖が行われ続けました。
吠え癖が少なくなるように、長い時間をかけて丁寧な繁殖が行われました。
その結果、最近では吠え癖の性格が改良され、大人しく穏やかな性格の日本スピッツがどんどん増えるようになりました。
そのため飼い方がとても楽になり、最盛期の時までとはいきませんが、日本での人気も回復傾向にあります。
さらに、韓国やオーストラリア、またヨーロッパなど、海外での人気も高まっていて、今では多くの人に日本スピッツは愛されています。