牧羊犬の歴史は意外と奥が深い!牧羊犬のルーツやその特徴、代表的な犬種を紹介!
牧羊犬は英語で「Sheep Dog(シープドッグ)」と呼ばれており、基本的に羊を世話する犬のことです。ちなみに、牧羊犬と混同されがちな牧畜犬は羊だけでなく家畜全般をお世話する犬のことで、牧羊犬とは区別されます。牧羊犬は世界各地で飼育されており、牧羊犬として現役で活躍している犬もいます。
牧羊犬として活躍している犬種は様々ですが、外敵から羊の群れを保護し見張る役割は主に体の大きな大型犬、羊の群れを誘導する役割は瞬発力のある中型犬や小型犬と、その役割によって使い分けられています。
牧羊犬の歴史
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牧羊犬の起源は現在のイラン周辺が発祥だとされています。紀元前4300年頃の地層から羊の骨と一緒に牧羊犬と思われる犬の骨が発掘されました。当時の牧羊犬は羊の群れを誘導するというより、盗賊などから羊を守る役割をしていたと考えられています。
その後、時代と共に牧羊犬はヨーロッパやアジアに広がっていきました。紀元前2500年頃の地層からは、牧羊犬の先祖と思われる犬の骨が沢山発見されています。
さらにもう少し時代が進むと、ヨーロッパ各地で犬の交配が盛んになり、その中で牧羊犬種も増えていったといわれています。以前は「作業犬」に分類されていた牧羊犬ですが、1983年に「アメリカンケネルクラブ」によって「牧羊・牧畜犬」の独立したグループが設立され完全に差別化されました。
牧羊犬の特徴
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どんな犬でも牧羊犬になれる訳ではありません。なぜなら性格や能力はそれぞれ異なり、牧羊犬に適した能力を持っていなければならないからです。ここでは牧羊犬の特徴を3つご紹介します。
精神的・体力的・知能的に優れている
まず求められるのは周りの状況を察する能力です。大切な羊を外敵から守るために敵の存在にいち早く気付かなければなりません。ゆえに警戒心の強さは必須です。その他にも敵を追いかける運動能力も必要になります。敵に気付くことができても追いかける能力がないなら羊を守ることはできません。
加えて知的能力も重要な要素です。羊をどこにつれて行きどの範囲で行動させるかを誘導するのに大切な条件です。羊飼いはある程度のことを犬に任せることもあるため、これは欠かせない能力です。
よく吠える
吠えるのは羊を追ったり誘導したりするのに必要です。しかし、これにはマイナスな面もあり、無駄吠えにつながることもあります。
噛み癖がある
羊を誘導する時には噛んで誘導することもあります。また、狼などの外敵には吠えるだけでなく噛み付いて撃退することも少なくありません。このような一面から牧羊犬は噛み癖が付きやすいといわれています。
牧羊犬にはどんな犬がいる?
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牧羊犬の犬種は多く存在します。「アメリカンケネルクラブ」に牧羊犬として登録されている犬種は30種類です。今回はその中でも特に優れた3種類をご紹介します。
ボーダーコリー
優秀な牧羊犬として有名なボーダーコリーですが、牧羊犬としての歴史はかなり古いといわれています。8世紀前後にトナカイの牧羊犬としてスコットランドに持ち込まれたのが始まりです。
ボーダーコリーはスタミナと適用能力に優れているのでとても高評価を得ています。また、フレンドリーな一面があり飼育のしやすさも魅力です。
シェットランド・シープドッグ
シェットランド・シープドッグは小型の牧羊犬でスコットランドのシェトランド諸島が原産です。気候条件が厳しく食糧も少ない環境に順応した結果、小型化したといわれています。温厚な性格で賢く従順なことから長い間重宝されてきました。
ジャーマン・シェパード・ドッグ
警察犬として有名なジャーマン・シェパード・ドッグは、元々はドイツの牧羊犬として活躍していました。スタミナと忠誠心に優れており、軍用犬や警察犬として幅広い分野で活躍しています。地域によっては今でも牧羊犬としての活躍を見ることができます。
American Kennel Club牧羊犬を家族に迎える時の注意点
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今ではペットとしても需要がある牧羊犬ですが、家族に迎えるには幾つかの注意事項があります。
例えば、かなりの運動量を必要とするため毎日の散歩だけでは運動量が足りません。散歩の他に、1日に2回ほど1時間くらいかけて遊ぶ必要があります。フリスピーなどの頭を使う遊びは満足感や疲労感がちょうどよく満たされる遊びなのでおすすめです。
しつけ面でも注意が必要になります。吠え癖や噛み癖をつけないためのしつけが大切です。とても賢いので、中途半端なしつけは禁物です。中途半端にすると飼い主さんを下に見てしまう原因になります。場合によっては専門家の助けも借りつつ、しっかり教育してあげてください。