猫はまばたきをする?猫のまばたきの回数が少ない3つの理由を解説
人間が1分間に20回まばたきするのに対し、猫は1分間に3回ほどしかしません。なんと6倍以上の差があることになります。
それだけ猫のまばたきの回数が少ないのは、猫独特の目の作りが関係しています。人間の感覚で考えると、まばたきの回数が少ないとドライアイになったり眼球に傷がついたり、様々な目のトラブルを抱えることになるので心配になりますが、猫の場合は人間にはない機能がついているので問題ないのです。
猫のまばたきが少ない3つの理由
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猫のくりっと大きな瞳は暗闇でキラリと光ったり、瞳孔が縦に細くなったり、人間の目の作りと違うのは明らかですが、猫の目の作りをさらにじっくり調べると、まばたきが少ない理由が分かります。
猫の目には、人間を含む霊長類にはない第三眼瞼(だいさんがんけん)、もしくは瞬膜(しゅんまく)と呼ばれる、横に開いたり閉じたりするまぶたのような膜があります。その第三眼瞼こそが、猫がまばたきを少ししかしないでも良い状況を作り出しています。
では、第三眼瞼の働きと、猫がまばたきを少ししかしない理由がどう関係しているかを解説していきます。
第三眼瞼(瞬膜)がまばたきの効果を高める
第三眼瞼は目頭のあたりにある白い薄い膜です。普段は下まぶたと眼球の間に収まっているので見えませんが、まばたきをするタイミングで目頭から目尻の方向に向かって伸びます。
つまり、まばたきをする度に上瞼と下瞼の2つに加えて、第三眼瞼という3つ目のまぶたも同時に動きます。上下のまぶたが開閉するタイミングで、第三眼瞼がワイパーのように眼球の汚れを取り除いたり、保湿をしながら横方向に動いたりするのです。
まばたきをする理由の一つは、まぶたを使ってほこりや異物から目を保護し、それらのものを目の外へ押し出すことですが、猫の場合は3つのまぶたによって縦も横も一気にカバーできるので、一回のまばたきで得られる効果が高くなります。
一回の効果が高くなれば、回数が少なくても良い状態を維持できるというわけです。
第三眼瞼(瞬膜)が豊富な涙液を保有している
まばたきが必要な他の理由は眼球の水分保持ですが、第三眼瞼には「瞬膜線」と呼ばれる非常に発達した涙腺があります。その瞬膜線が作りだす涙液は、目全体の涙液の30%〜40%を占めています。
ですから、まばたきをする度に第三眼瞼が眼球を覆い、角膜表層に豊富な量の涙液を行き渡らせるので、一回のまばたきで十分な潤いを与えることができます。しかも、涙液は単なる水分ではなく、水分の蒸発を防ぐ油分もバランス良く配合されているので、20秒ほど次の補充がなくても乾燥することはありません。
このように、第三眼瞼があることによって、眼球の表面に涙液が常にたっぷりとある状況を維持できます。
視力が弱い
3つ目の理由は第三眼瞼とは関係なく、猫の視力が関係しています。
何かを見る時には対象となるものにピントを合わせてはっきり見ようとしますが、ピントを調節する時にまばたきをしています。つまり、ピントを合わせる機会が多いか少ないかで、まばたきの回数に差が出るというわけです。
一般的に、視力が良い場合はピントを合わせる機会が多く、視力が悪い場合はピントを調節する機会は少ないです。
猫の視力は0.1〜0.2ととても弱く、人間の10分の1ほどしかありません。10m先くらいまではなんとか識別できますが、それ以上遠いものはぼやけるどころか、認識できていない状態です。
猫は視力が弱いのでピントを合わせる機会が少なくなり、まばたきの回数も少なくなっているのです。
まとめ
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非常に美しく魅力的な猫の目ですが、精巧に作られていることを知ると感動がより深まります。第三眼瞼(瞬膜)があることでドライアイになることも、異物の侵入によって傷つけられることもなく、潤いたっぷりの輝きのある瞳を維持できているのです。
猫がまばたきをするのは目の保護やピントの調整のためだけでなく、愛情を表現したり、呼びかけに応えたりする意味もあると専門家は述べています。
自分が好意を持つ相手に、ゆっくりと目を閉じることで「好き」という気持ちを伝えたり、名前を呼ばれた時に目を閉じて返事をしたりすることがあるそうです。猫同士では鳴き声を発することなくコミニケーションをとるだけに、目も大事なコミニケーションツールになります。
純粋なまばたきとは少し意味合いが変わりますが、飼い猫の目をよく観察すると、愛情を感じたり、自分に返事をしてくれていることが分かったりするかもしれません。めったに見れない猫のまばたきですが、猫の気持ちを知るチャンスにもなりますので、ぜひ根気強く観察してみてください!