犬にびわはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!
犬にびわを与えても問題ない?
Nataly Studio/shutterstock.com
びわは中国南西部が原産のフルーツで、現在では日本でもよく栽培されています。旬は5~6月の初夏ですが、ハウス栽培も進んでいることから冬頃から出回り始めます。
びわは「大薬王樹」(だいやくおうじゅ)と言われるほど、さまざまな薬効を持つことで知られています。古くからびわの葉は漢方に使用されてきたほどですし、びわの実にもさまざまな栄養素がバランスよく含まれています。
犬にも体に良いびわを食べさせることはできますが、与えていいのはびわの実の部分だけです。びわの実は犬にもある程度の健康効果を期待できます。しかし、一度に大量に食べてしまうと逆に健康を害する危険があるので、たとえ実の部分であってもあげすぎないように注意しましょう。
びわの種や葉の部分には犬にとって毒性となる成分が含まれているので、絶対に与えないでください。その点は後ほど詳しく取り上げます。
犬にびわを与えてもいい量
Gladskikh Tatiana/shutterstock.com
犬が喜ぶから、大好きだからといって大量のびわを一度に与えてはいけません。食べ過ぎや与え過ぎは犬に良い健康効果を与えるどころか、下痢や嘔吐などの消化不良の原因ともなってしまいます。
びわには確かにたくさんの栄養素が含まれていますが、犬に必要な1日の栄養は基本的にドッグフードだけでまかなうことができます。びわに限らず、もし何か別の食べ物を与える時は「おやつ程度の量」もしくは「ドッグフードのトッピング程度」にするべきです。
犬に間食やおやつを与える時の目安は、1日の食事量の10%程度が良いとされています。ではこれを基に、犬の体重ごとに与えていいびわの適正量を見てみることにしましょう。
超小型犬の場合
超小型犬とは体重が4kg未満の犬を指します。パピヨンやボロニーズ、豆柴、ヨークシャーテリア、チワワやトイプードルといった犬種のことです。
超小型犬の1日の食事量は体重に合わせて100g~250g未満程度です。この10%程度ということなので、与えていいびわの量は10g~25gほどになります。びわ1個あたり可食部分で32gが平均なので、1/3ないし1/2程度を目安にできるでしょう。
小型犬の場合
小型犬は体重が10kg以下の犬のことです。テリアやシーズー、パグ、ミニチュアダックスフンド、柴犬などが含まれています。
小型犬(体重5~10kg)の食事量は300~500g程度です。その10%なので30~50gが与えていいびわの量といえます。びわ1個から1個半程度と覚えておくといいでしょう。
中型犬の場合
体重が25kg以下の犬が中型犬に入ります。パセンジーやビーグル犬、ボーダーコリー、ブルドッグ、バセットハウンドといった犬種が含まれます。
中型犬の1日の食事量は体重に合わせて500~1000gの間です。10%は50~100gになるので、だいたいびわ1個半から3個程度と覚えておくことができます。
大型犬の場合
大型犬は体重が25kg以上の犬です。ダルメシアンとかドーベルマン、サモエド、セントバーナード、レトリーバーやラフコリーなどが大型犬に入ります。
大型犬(体重25~40kg)の犬で食事量は1000~1450gほどになります。10%は100~145gですので、びわ3個から4個程度を目安に与えましょう。
子犬の場合は注意が必要
子犬にびわを与える時は特に注意してください。子犬はまだ消化器官がきちんと発達していない状態だからです。
そもそも犬は肉食に近い動物なので、野菜や果物の消化を上手くできません。消化器官が未発達の子犬がびわを食べると、胃腸に負担がかかり嘔吐や下痢などを引き起こす可能性があります。絶対ダメなわけではありませんが、わざわざ子犬に与える必要はないでしょう。
犬にびわを与えることで期待できる効果
Julia-Bogdanova/shutterstock.com
びわの実にはさまざまな栄養素が含まれていますが、とりわけβカロテンやβクリプトキサンチンが多く含まれています。βカロテンは体内に入るとビタミンAに変換する性質を持っています。βカロテンには皮膚や粘膜の免疫力を高めたり、被毛をきれいに保たせたりする効果があります。
さらに、βクリプトキサンチンには強力な抗酸化作用があります。これにより細胞を修復し、いつまでも若々しい健康状態を保つことができます。また、癌の発症を抑えるのにも効果があるといわれています。
犬にびわを与えるときの注意点
犬にびわを与える時は必ず種を取り除いてから与えてください。葉の部分も与えてはいけません。びわの種や葉の部分には「アミグダリン」と呼ばれる青酸中毒となり得る成分が含まれているからです。
アミグダリンそのものが毒性というわけではなく、アミグダリンが体内の酵素で分解されることで、毒性を持つ「シアン化水素」という成分に変化します。人間でも大量摂取すると下痢や嘔吐、ひどい場合だと昏睡状態になる恐れもあります。人間より体の小さな犬ならなおのこと危険な状態につながる可能性があるので、種や葉は絶対に与えてはいけません。
また、犬によってはびわにアレルギーを持つ犬もいるかもしれません。特に初めて与える時は「ほんの少し」だけ与えて様子を見るようになさってください。もし、びわを食べた後で犬の様子がおかしいと感じる時は、迷わずに獣医師に相談するようにしましょう。
びわのコンポートやびわジャムは与えても問題ない?
びわのコンポートやびわジャムなどの加工品も販売されていますが、これらは犬に与えてはいけません。
びわのコンポートは甘いシロップで煮たものです。市販のジャムにも砂糖や香料が含まれていることでしょう。これらの糖分や添加物は犬にとって健康を害するものです。肥満や糖尿病のリスクにつながる可能性もあるので与えないでください。