猫にイクラはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!
猫にイクラを与えても問題ない?
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日本では、サケ科の魚卵を一粒ずつバラバラにしたものを指して「イクラ」と呼んでいます。口の中に入れるとプチッと弾ける食感や、見た目の華やかさから、日本でもお祝いの席や特別な日などで使われることの多い食材です。
イクラには、たくさんの栄養素が含まれています。主な栄養素は「たんぱく質」「ビタミン類」「アスタキサンチン」「マグネシウム」「カリウム」「脂質」などです。
イクラ自体には、猫にとって中毒となる危険な成分は含まれていないので、少量であれば与えても問題ないでしょう。しかし、私たちが口にするイクラは、塩漬けや醤油漬けなどに加工されたものがほとんどです。また、中にはアレルギーを持っている猫もいるので、猫にイクラを与える際は注意が必要です。
猫にイクラを与えてもいい量
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上記で述べたように、私たちが食べるイクラは、保存しやすいように塩漬けや醤油漬けで加工されたものがほとんどです。
加工されたイクラを猫に食べさせると、塩分過多となり、猫の身体に負担をかけてしまう可能性があるので、味付けされていないものを選び少量だけ与えるようにしましょう。
ただし、猫の年齢や体重によっては、少量であってもイクラを与えない方が良い場合があります。
子猫の場合
生後12カ月未満で、体重が1kg未満の子猫の場合、消化器官機能が未発達なので特に注意が必要です。
健康を維持するために、ある程度の塩分を摂取する必要がありますが、子猫が塩分を過剰に摂取すると腎臓などに障害が出る可能性があります。
リスクを上げないためにも、子猫にイクラを与えるのはやめた方が良いでしょう。
成猫の場合
生後12カ月から7歳、体重が3~5kgの成猫の場合も、塩分の過剰摂取には注意しましょう。過剰摂取により血漿(けっしょう)高カリウム濃度が続くと、腎不全、心疾患などの病気を引き起こすかもしれません。
成猫にイクラを与える場合は、ごくたまに少量、味付けされていないものを選んで与えるようにしましょう。
老猫の場合
7歳以上の老猫の場合、老化に伴って消化器官が弱ってくるので、子猫同様注意が必要です。腎臓機能が弱っている老猫にイクラを与えすぎると、含まれる塩分を過剰に摂取してしまい、様々な病気を引き起こす可能性があります。
また、高齢や病気などで免疫力が下がっていると、アレルギーが発症しやすくなるため、老猫にイクラを与えるのはリスクが高いと言えます。
猫にイクラを与えることで期待できる効果
イクラには、カロテノイドの一種である「アスタキサンチン」という抗酸化物質が含まれています。このアスタキサンチンは、活性酸素を抑制する働きがあり、猫の疲労回復を助けたり、細胞の老化を予防する作用があります。
また、イクラには「ビタミン類」も豊富に含まれています。ビタミンは、免疫力を上げたり、皮膚や粘膜の健康維持をサポートしたり、コレステロールの酸化による動脈硬化を予防するなど様々な働きをしてくれます。
さらに、一価不飽和脂肪酸である「オレイン酸」がイクラには含まれています。この脂肪酸には、悪玉コレステロールを下げる作用があり、動脈硬化の予防や高血圧の予防に効果が期待できるでしょう。
加えて、イクラには血液をサラサラにしてくれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(エイコサペンタエン酸)」という多価不飽和脂肪酸も含まれています。これらは、血流をよくする働きがあるので、心筋症や血管が詰まる病気の予防に効果があります。
猫にイクラを与えるときの注意点
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先ほども述べたように、塩漬けや醤油漬けで加工されたイクラを猫に与えるのはNGです。保存しやすいように加工されたイクラは、猫にとって塩分が高く、塩分を過剰に摂り過ぎてしまうと心臓や腎臓に負担がかかってしまいます。腎不全や心疾患を引き起こす可能性もあるので、猫にイクラを与えるときは、何も味付けされていないものを選ぶようにしましょう。
また、猫の中には鮭のアレルギーを持っている猫もいます。鮭アレルギーのある猫がイクラを食べてしまうと、アレルギー症状が出ることもあるので注意が必要です。猫イクラを食べた後に、皮膚にかゆみが出たり、下痢や嘔吐など何らかの異変があらわれた場合は、鮭アレルギーの可能性が考えられますので、すぐに病院に連れて行き獣医師の指示に従ってください。
鮭は与えても問題ない?
イクラの親である鮭は、猫に与えても問題ないのでしょうか。
結論からいうと、猫に鮭を与えても大丈夫です。鮭にも、イクラと同じ様にたくさんの栄養素が含まれています。鮭アレルギーを持っていない猫であれば、おやつ程度に少量、鮭を与えることができるでしょう。
ただし、生の鮭にはアニサキスという寄生虫がいる可能性があるので、注意が必要です。必ず冷凍または加熱処理してから猫に与えるようにしてください。また、猫に鮭を与える際は何も味付けせずに与えるようにしてください。