猫に梨を与えても問題ない?

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梨の原産は中国で、バラ科ナシ属の木になる果実です。梨は大きく分けて、和梨、洋梨、中国梨の3種類があります。私たちが口にする梨のほとんどが和梨か洋梨です。

梨が日本に入ってきたのは弥生時代とされています。現代では様々な品種改良が行なわれており、和梨の種類も数多くあります。品種ごとに旬の時期は異なりますが、大体8~10月に旬を迎えます。

梨は90%近くが水分でできています。成分のほとんどが水なので、猫が梨を食べても基本的には問題ありません。夏の熱中症対策に水分補給として梨を与えることもできるでしょう。しかし、一度に大量に与えてしまうとお腹を壊してしまうことがあるので、注意が必要です。

猫に梨を与えてもいい量

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少量であれば、猫に梨を与えても問題ありません。しかし、梨にはミネラルの一つでもある「カリウム」が含まれているため、猫に梨を与えすぎてしまうとカリウムの過剰摂取になってしまいます。

カリウムは余分なナトリウムの排出を促す働きがあります。健康な猫の場合、カリウムを摂り過ぎたとしても不要な分は尿として排出されるので心配はいりません。しかし、腎臓機能に障害を持っている猫の場合、調整がうまくできず高カリウム血症になってしまうこともあるので、注意が必要です。

子猫の場合

AAFCO(米国飼料検査官協会)が定めている栄養基準では、子猫は0.6%以上のカリウムを摂取することが定められています。

子猫の場合、消化器官機能が未発達なので特に注意が必要です。腎臓などに障害が出ることもあるので、子猫にわざわざ梨を与えることはやめた方が良いでしょう。

成猫の場合

成猫の場合も、0.6%以上のカリウムを摂取するのが適正とされています。

猫に梨を与える量は、刻んだ大さじ1杯ほどの量でOKです。それ以上与えてしまうと、カリウムの摂り過ぎで体調を壊してしまうかもしれません。また、梨は水分を多く含んでいるので、与えすぎてしまうと下痢になってしまう可能性があります。

ゆえに、成猫に梨を与える時は少量だけ与えるようにしましょう。

老猫の場合

7歳以上の老猫の場合も、消化器官が弱っている可能性があるので注意が必要です。腎機能や心機能が低下している老猫に梨をたくさん与えてしまうと、梨に含まれるカリウムの過剰摂取で高カリウム血症を発症する可能性があります。

リスクを上げないためにも、老猫にわざわざ梨を与えることはやめた方が良いでしょう。どうしても与えたい場合には、獣医師に相談したり、与える量を調節してあげましょう。

猫に梨を与えることで期待できる効果

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梨には、アミノ酸の一つである「アスパラギン酸」という成分が含まれていて、夏バテなど疲労回復に効果があります。

また、梨は食物繊維が豊富で「ソルビトール」という糖も含まれています。このソルビトールは、便を柔らかくしたり、腸のぜん動運動を促す働きがあるため、猫の便秘解消も期待できます。

さらに、前述の通り梨には「カリウム」が豊富に含まれています。カリウムにはナトリウムを排出する働きがあるので、猫の高血圧予防などに効果があります。利尿作用が体内の水分量を調整してくれるので、代謝が良くなるでしょう。

猫に梨を与えるときの注意点

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猫に梨を与えるときは、喉に実が詰まってしまわないように小さくカットしたり、すりおろしてあげるなどして、猫が食べやすいようにしてあげましょう。

梨の皮は農薬などが残っている危険があったり、消化にもよくありません。きちんと皮をむいて与えるようにしてください。また、梨の種を誤飲してしまうと、嘔吐、下痢、腸閉塞などを引き起こす可能性があります。さらに、種には「シアン発生性配糖体」という成分が含まれており、過剰に摂取すると血中酸素が欠乏してしまう可能性があるため、きちんと種を取り除いて与えるようにしましょう。

猫によってはアレルギー反応を起こすこともあるので、初めてあげる場合は少量だけ与え、しばらく様子を見ましょう。もし、梨を食べた後に愛猫が体調を崩した場合は、すぐに病院に連れて行って獣医師の指示に従ってください。

洋梨(ラフランス)や洋梨の缶詰は与えても問題ない?

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猫に梨を食べさせても大丈夫なら、洋梨や洋梨の缶詰を猫に食べさせても良いのでしょうか?

基本的には、熟している洋梨を少量与えるのは問題ありません。しかし、洋梨は和梨に比べて糖度が高く、カロリーも若干高いので、猫に与えすぎると肥満になる可能性があります。また、食物繊維の量も和梨より多いため、猫が下痢をしていたり、体調不良が見られる場合は与えないようにした方が良いでしょう。

洋梨の缶詰には、砂糖が大量に入っていることが多く、糖分の過剰摂取は猫の肥満や糖尿病の原因となる可能性があるため、与えない方が良いでしょう。

情報提供元: mofmo
記事名:「 【獣医師監修】猫に梨はOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【2022年版】