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一つの原因は「遺伝」によるものです。ほとんどの原因が遺伝によるものと言って良いでしょう。遺伝的なものとはいえ、生まれたときにすでに内斜視になっているわけではなく、生後6~8週目ころから徐々に症状が現れてきます。
・怪我
二つ目の原因は「怪我」によるものです。先天的に斜視ではなかったとしても、後天的に斜視になることもあります。その時の原因として多いものは怪我によるものです。特に頭にけがをした時に、視神経に異常が生じてしまい内斜視になることがあります。
・病気
三つ目の原因は「病気」によるものです。例えば脳梗塞、脳動脈瘤、くも膜下出血といった病気によって脳に異常が出ることで、内斜視になることがあります。内斜視以外にもけいれんを起こすなどの症状も出るかもしれません。
他にも、目の周りの神経や筋肉に異常が生じることで内斜視になることもあります。いずれにしてもこれらは命にかかわる危険性もあるものですので、愛猫が急に内斜視になったら早く専門医に見てもらうようにしましょう。
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猫の寄り目(内斜視)の原因として一番多いのは遺伝によるものです。ということは寄り目になりやすい猫種があるとも言えるでしょう。
寄り目になりやすい猫種として「シャム」をあげることができます。他にも「チンチラ」「ラグドール」「ヒマラヤン」「バーマン」「トンキニーズ」といった色素の薄い猫種もあげられます。
雑種であってもシャムの血を引いている猫で、体の末端の被毛に濃い色があるポインテッドの猫や、色素の薄いアルビノの猫などにも内斜視は見られることがあります。
ではどうしてシャム系の猫に寄り目(内斜視)が多いのでしょうか?何が関係しているのでしょうか?シャム系の猫が寄り目になりやすいのは、「サイアミーズ遺伝子」と「ダイリュート遺伝子」が関係しています。
これらの遺伝子はメラニン色素の生成を抑制するのですが、その働きが網膜に影響して、普通では起こらない網膜の外側からの情報伝達が起こってしまい、異なった視神経の進路ができてしまいます。
こうなると情報の混乱が起こり、目でとらえたものをうまく処理できなくなってしまいます。そこで混乱を避けるために目を内側に寄せるようになるのです。こうすることで網膜の外側に入る情報が少なくなり、混乱を避けることができるようになります。こうして寄り目(内斜視)になってしまうのです。
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猫が寄り目(内斜視)だと、生活上に何か影響はあるのでしょうか?
寄り目になっているということは、内側に寄っている分視野が狭くなっています。そして立体感覚や奥行きを把握しづらくなっています。そのため寄り目の猫は、一般的な猫よりも視界が狭く、立体的にものをとらえることが難しいようです。
とはいえ寄り目の猫はほとんどが生まれつきのため、そういった視野の狭さには慣れています。室内飼いしているような猫でしたら、特に大きな問題もなく日常生活を送ることができるでしょう。たとえ視野が多少狭かったとしても、その他の能力で足りない部分を補うことができます。
寄り目の野良猫の場合でも、視野は狭いですがそのために命の危機にさらされるということはめったにないと言われています。たいていの野良猫は自分のテリトリー内で過ごすので、普段の生活に大きな影響はないのです。ただし慣れない場所に行った時や障害物が多い場所では、とっさの反応が難しいかもしれません。
猫が寄り目だからと言って普段の生活に大きな影響はありません。それでもなにか注意してあげることができるでしょうか?
普段猫が行動する範囲内にたくさん物を置かないようにしてあげることができるでしょう。もしも部屋の模様替えをしたい時は、一気にいろいろ配置換えをするのではなく、慣らすように少しずつ変えてあげることができます。
猫の寄り目(内斜視)は治るのでしょうか?
内斜視の治療として外科手術があります。筋肉の緊張を緩和させることで、症状は改善するはずです。しかし内斜視の原因が先天的なものの場合はまた元に戻ってしまいます。手術によって症状が緩和しても、それは一時的なものでまた元に戻ってしまうと思うと、痛い思いをさせるのもかわいそうな気がしますね。
病気や怪我といった後天的なものが原因の場合は、その原因となっているものの治療によって治る可能性はあります。