- 週間ランキング
視力が低下すれば周りをよくみることができなくなりますので、モノによくぶつかったり、段差につまずいたりすることが増えるようになります。
犬は視覚だけでなく聴覚や嗅覚も優れているので、すでに住み慣れている家であれば、視力が衰えてきても通常の生活を送ることができます。そのため、飼い主は愛犬の視力が低下していることに気付きにくい傾向にあります。
しかし、初めて出かける場所や家具の配置換えなどをするとこのような症状があらわれ、はじめて愛犬の視力が低下していることに気づくケースが多いようです。日頃から愛犬をよく観察するようにしましょう。
■恐怖心から怖がる、もしくは攻撃的な性格になる。
目が見えなくなることで環境を把握することが難しくなります。それゆえ以前よりも不安を感じるようになり、無駄吠えが増えたり、攻撃的な性格になったりすることがあります。
Annette Shaff/shutterstock.com
では、犬の視力はどのようにチェックすればよいのでしょうか?
犬は人間の視力検査のように、「上」「下」・・などと答えることはできません。そのため正確な数値を測ることはできないため、大まかに見えているか見えていないかをチェックします。
自宅でもできる次の4つの方法で、愛犬の視力をセルフチェックしてみましょう。
1、愛犬の目の前に急に手を出してみる。
目が見えていれば、怖がって反射的に目をつぶります。一方、目をつぶならいなら、視力が低下している可能性があります。
2、落ちても音がしない綿のボールや丸めたティッシュなどを犬の上から落としてみる。
見えていれば、モノを落としたときに目がモノを追って動きます。何の反応もないなら、視力が低下している可能性があります。
3、いつもの部屋に家具などで迷路を作ってみる。
見えていれば障害物にぶつからずに動けるはずです。もし障害物にぶつかったり、途中で止まってしまったりしたら、視力が低下している疑いがあります。
4、暗くした部屋で犬の目を慣らした後、部屋を明るくして瞳孔の反射を確認してみる。
光を正常に感じていれば、暗いところから急に明るくすると目の瞳孔が光の調節をするために伸縮します。瞳孔に伸縮が確認できない場合は、視力が低下していることが考えられます。
犬の視力は低いですが、飼い主さんの帰宅はすぐに分かりますし、散歩も問題なく行っています。なぜ、視力が低いのに問題なく生活できているのでしょうか?
それは、犬は視力以外の感覚が優れているからです。犬はわたしたち人間よりも優れた嗅覚や聴覚、脚力を備えています。そのため、視力は低くても特に嗅覚や聴覚などを使ってカバーしています。
たとえばよく知っている人でも、声をかけずにゆっくり近づくなら、驚くことでしょう。一方視力が低くても聴覚が優れているので、たとえ遠くても飼い主さんの声が聞こえるなら、走って駆けつけることができます。
Rawpixel.com/shutterstock.com
では、わたしたち人間と異なる視力をもつ犬は、どのように景色や色が見えているのでしょうか?
犬は視力が0.2~0.3しかないので、わたしたちが見ている世界とは異なり、常に輪郭がぼんやりとした景色を見ています。
コンタクトやメガネを使用している方なら、それらを外して見える世界が、犬が見ている世界と近いと言えるでしょう。
では、犬は色は見えて認識できているのでしょうか?
犬たちは色を認識することができていますが、わたしたち人間と比較すると、とても少ない色の世界で生きています。なぜなら、犬の網膜は色を認識する力がほとんどないからです。
そのため犬は限られた色、つまり青と黄色、そしてその2色の中間色だけしか認識することができません。
人間は赤、緑、青の3色と中間色を認識することができるので、犬と比較するならカラフルな世界で生活しています。
また、犬は彩度も人間より低いので、全体的にグレーがかって見えているようです。ですからわたしたち人間が感動する鮮やかな景色を見ても、残念ながら犬の視界には全体的にグレーがかったくすんだ色に見えており、キレイな景色を堪能することはできていません。
一方、青や黄色は認識することができるので、青い空や海、黄色のひまわり畑などは、カラフルな世界を愛犬と共に共有できるでしょう。
これら犬が認識できる色を踏まえて、愛犬におもちゃを購入してあげることができるでしょう。ちなみに犬は特に赤色は全く認識することができませんので、赤色のおもちゃの購入は控えることができるかもしれませんね。