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性格:たくましく、勇ましく、怖いもの知らずだが友好的
寿命:12~14歳
体重:8.2~9kg
体高:31cm以下
毛色:ホワイト、ホワイトで頭部および耳にレモン、ブルー、ブラウン、アナグマ色の斑があるもの
値段相場:希少犬種のためペットショップでの取扱いはほとんどなし、ブリーダー20~30万円
日本国内で犬籍の登録や血統書の発行、犬の飼育に関する指導などを行っている一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)によると、シーリハム・テリアは小型獣の猟に用いられてきたテリアです。
比較的新しい犬種で、1850年から1891年にかけてイギリスのジョン・エドワード大佐の手によって作られました。一個人が理想的な猟犬を求めて交配させた結果生まれたという経緯は、ほかの犬種にはない特徴だといえるでしょう。
「シーリハム」とは、エドワード大佐が住んでいたイギリス・ウェールズ州のシーリハムの地名に由来しています。
エドワード大佐は、自分の体よりも大きなアナグマやキツネなどにも勇敢に立ち向かう猟犬を求め、猟に向いていない子犬は容赦なく間引き、勇ましく猟欲の強いテリアを作り出しました。どんな犬種が交配に使われたかという記録は残っていませんが、ダンディ・ディンモント・テリアやウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、さらにウェルシュ・コーギーなどがかけ合わされたと推測されています。
エドワード大佐の没後、20世紀に入るとシーリハム・テリアはショーに登場するようになります。やがてショー・ドッグとして飼育のしやすさが重視されるようになり、猟犬としての激しい気質を薄める育種が主流になっていきました。しかし、多くの子犬の命を犠牲にして作り出された本来のシーリハム・テリアを残すべきだという考えを持つ人も現れ、イギリスでは少数ながら昔ながらの気質を持つシーリハム・テリアが飼育されているといいます。
シーリハム・テリアは勇ましくて頑固なテリア気質を残しながらも、陽気かつ友好的な性格です。人間の子どもと仲良くすることもできるため、小さな子どものいる家庭でも飼いやすい犬種だといえるでしょう。
日本では、テリアといえばヨークシャー・テリアやジャック・ラッセル・テリアが人気で、シーリハム・テリアは希少犬種です。しかし、少ないながらもブリーディングが行われており、ジャパンケネルクラブには毎年十数頭が犬籍登録されています。ペットショップで扱われることはほとんどなく、子犬を迎えたいときはブリーダーを探すのが近道でしょう。
シーリハム・テリアは小型犬です。アメリカンケネルクラブによると、平均寿命は12~14年ほどです。
シーリハム・テリアの理想体重は、ジャパンケネルクラブにおいてオスが約9kg、メスが約8.2kgとされています。8~9kg程度が平均だといえるでしょう。
ジャパンケネルクラブにおいては、シーリハム・テリアの体高はオス・メスともに31cmを超えてはならないとされています。
シーリハム・テリアは長い被毛を持つ犬種で、ショー用の個体は背中や尾の被毛を短くカットし、お腹の毛を地面に届くほど長く整えます。家庭で飼育するときは、汚れ防止や手入れのしやすさといった点から、全体を短めにカットするのが主流です。
お腹や脚の被毛を短くしつつ、顔周りの被毛はヒゲのように伸ばすのがよくあるスタイルだといえます。
ショートカットLinn Currie/shutterstock.com
ジャパンケネルクラブによると、毛色はホワイト、ホワイトで頭部および耳にレモン、ブルー、ブラウン、アナグマ色(バジャー)の斑があるものとされています。ブラックの斑が多いものや、ティッキング(小さなブチ)が濃厚なものは好ましくありません。
ホワイトNataliya Sdobnikova/shutterstock.com
Liliya Kulianionak/shutterstock.com
Ricantimages/shutterstock.com
Utekhina Anna/shutterstock.com
シーリハム・テリアは小型犬ですので、比較的早く成犬になります。成犬になるまでにかかる時間は8~10カ月程度です。
※成犬とは身体的な成長が止まることです。
シーリハム・テリアは、よく吠える犬種ではありません。
しかし吠えて獲物を追い立てる猟犬であるため吠え声は非常に大きく、都市部や住宅密集地で飼うときは気になるかもしれません。
病名 | 時期や症状 | 治療費 |
---|---|---|
椎間板ヘルニア | 椎間板が突出して神経を圧迫する病気。 | 外科手術を受けさせる場合は30万円~ |
白内障 | 何らかの原因によって瞼が内側に巻き込み、目の炎症を引き起こす。 | 外科手術を行う場合は30万円~ |
緑内障 | 眼圧が増し、視野が狭くなるなどの症状が出る病気。 | 投薬は1万5千円~ |
水晶体脱臼 | 水晶体を支えているチン小帯が欠損することにより、水晶体がずれてしまう病気。手術をしても元の状態に戻すことは難しい。 | 水晶体摘出手術は20~30万円 |
進行性網膜萎縮症 | 網膜が変性・萎縮して正常に働かなくなり、視力が低下する病気。遺伝性のものであり治療法は存在しない。 | 不明 |
皮膚炎 | 皮膚に炎症が起こり、湿疹や脱毛といった症状が出る病気。 | 1万円~ |
※症状や病院によって金額は変わってきますので、かかりつけの動物病院で確認してください。
シーリハム・テリアは日本よりも涼しいイギリス原産のため、暑さに弱い犬種です。熱中症にならないよう、夏場はしっかりと予防しましょう。
犬は気温が22~23度、湿度が60%を超えてきたら熱中症に注意する必要があります。
暑い季節は日中の散歩を避け、早朝や日没後など涼しい時間帯にしましょう。散歩中も保冷剤や水分補給用のボトルを携帯するのがおすすめです。
また、エアコンを付けていない室内で過ごさせることも熱中症を引き起こす原因になります。
真夏でなくても、暑くなりやすい車内や締め切った部屋などに置いておくのは危険です。
シーリハム・テリアは臭いのきつい犬種ではありません。
しかし、長い被毛にはホコリなどが絡まりやすく、汚れたままにしておけば臭ってきます。臭い防止のためには日ごろの手入れが大切です。
また、垂れ耳の犬種ですので、耳の臭い防止のためのケアも忘れないようにしましょう。
シーリハム・テリア暑さに弱い犬種ですので、基本的に室内で飼育します。活発であるものの激しい運動は必要なく、体重は10kg以下と集合住宅や都市部でも飼いやすいサイズです。子どものいる家庭での飼育も問題ありません。
ただ吠え声はかなり大きいため、無駄吠えのしつけは必須だといえます。
体高が低い犬種ですので、椎間板ヘルニアをはじめとする足腰の病気には注意が必要です。足腰を守るために、階段や段差がある場所には立ち入らせない、フローリングにはマットを敷くなど、工夫をしてあげましょう。
椅子やソファなどから飛び降りることも負担になりますので、低い位置に居場所を作ってあげることも大切です。
基本的に成長に合わせた総合栄養食を記載量の通りに与えていれば問題ありません。成長途中である子犬のうちは、丈夫な体を作るためのカルシウムやタンパク質が多く必要です。エネルギーを効率的に吸収でき、なおかつ消化のいい子犬専用のフードを与えましょう。成長が止まったら、成犬用のフードに切り替えます。
フードの種類によって給餌量は異なりますが、子犬の場合は1日摂取量を3~4回に分け、ふやかして与えます。
成犬になれば基本的には1日2回で問題ありません。成長が止まったら、成犬用のフードに切り替えます。成犬に栄養を与えすぎると肥満の原因にもなります。子犬用のフードでは栄養過多になってしまいますので、適切な時期に切り替えるのが重要です。
犬が食べてはいけない食べ物 | ネギ類全般(にんにく、ニラ、玉ねぎなど)・ぶどう類全般・チョコレート・キシリトール・生の魚介類(魚、イカ、タコ、エビ、カニ)・鶏の骨・アボガド・ナッツ類全般 |
犬は避けたほうがいい食べ物 | ほうれん草・生肉・香辛料・にぼし・のり・生卵・生野菜・牛乳・ココナッツオイル・干しあんず |
上記は代表的な食べ物を記載していますが、もっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
また犬が苦手な食べ物として、犬は臭覚が優れているため酸み・辛み・苦みに対する感覚がとても敏感で、においを嫌がります。
上記の食べ物も控えたほうが無難でしょう。
シーリハム・テリアはダブルコートの犬種で、やわらかいアンダーコートとワイヤーのようなオーバーコートを持っています。
抜け毛はさほど多くないものの、もつれや毛玉を防ぐために、2~3日に1回はスリッカーブラシなどでブラッシングしてあげましょう。春と秋の換毛期には、ブラッシングの回数を増やすなどして対応します。
日ごろの手入れに加え、被毛の状態やテリアらしい外見を保つためには、定期的なトリミングが欠かせません。
毛色や質感、皮膚の健康を保つために、プラッキングを定期的にトリマーさんへお願いする場合も多いです。
プラッキングとは、身体全体の毛を専用のナイフや指で間引く技法です。プラッキングをすると、犬にとって良いコートコンディションを保てるようになります。
毛が溜まって不潔になるのを防いだり、抜け毛も減るため家庭での手入れも楽になります。
シーリハム・テリアの毛色はホワイトがベースとなっているため、汚れが目立ちやすいといえます。長い被毛を清潔に保つためには、ブラッシングとシャンプーが欠かせません。小型犬ですので人間用のバスタブなどを利用してお風呂に入れることが可能ですが、犬用のバスタブなどがあるとなお便利です。
お風呂に入れる前にはブラッシングをして、ある程度汚れを落としつつ毛並みを整えておきます。
子犬と成犬それぞれのお風呂の入れ方について紹介します。
シーリハム・テリアの子犬のお風呂の入れ方活発なシーリハム・テリアは散歩が大好きです。
しかし、ハードな運動が必要な犬種ではありません。散歩は1日1~2回、1回につき30分程度を目安に連れていきましょう。散歩のほかにボール遊びなどをして精神的に満足させてあげることも重要です。
運動不足はストレスの原因となり、無駄吠えや噛み癖といった問題行動につながります。毎日体を動かす時間を作ってあげましょう。
シーリハム・テリアには頑固な一面があり、一般的にしつけがしづらいといわれています。無理に言うことをきかせようとすると反抗心を持ってしまい、余計に扱いにくい犬になってしまうでしょう。気の強いテリア気質が前面に出てしまわないよう、子犬のうちから社会性を養いつつしつけていきます。
しつけ教室やプロのトレーナーに指導をお願いすることも、視野にいれておくといいです。
しつけのためには、飼い主と犬との信頼関係が重要です。人間がリーダーだと教えるために、感情的にならず毅然とした態度で接し、日常的に正しいコミュニケーションをとりましょう。
トレーニング中に失敗したとしても、叩いたり頭ごなしに叱ったりするのはもってのほかです。人間の子どもと同じように上手にできたときは愛情を注いで褒め、根気よくルールを覚えさせていきましょう。
室内で犬を飼うときに重要なのがトイレのしつけです。シーリハム・テリアの子犬を迎えたらすぐにトイレのしつけをしましょう。しつけの開始時期が遅れると、犬が勝手にトイレの場所を決めてしまい、矯正するのが難しくなってしまいます。トレーニング中に失敗したときは淡々と片づけ、イライラしないのが大切です。
もし、里親制度や保護犬譲渡制度を利用して成犬を引き取るのであれば、子犬以上に根気よくしつける覚悟が必要です。成犬になると排泄回数が減るぶん、トレーニングには時間がかかります。ただ、シーリハム・テリアは日本では飼育頭数の少ない犬種ですので、成犬を引き取る機会は訪れないかもしません。
シーリハム・テリアを飼育するうえで無駄吠えのしつけは欠かすことができません。もともと猟のために作られた犬種で声が大きく、よく吠える犬になってしまっては周囲が困ることになります。
警戒心が強い面もあるため、どんなときに吠えるかを見極めながらしつけていきます。
猟犬として作り出されたシーリハム・テリアにとって、アゴや牙を使って獲物を捕えたり仕留めたりすることは重要な仕事でした。そのため攻撃性や猟欲が強く出てしまうと、周りの人や動物を噛んでしまいかねません。噛み癖がついてしまう前にしっかりとしつけていきましょう。
歯が生え替わる時期は、しきりにものを噛もうとします。これは乳歯が抜ける前の違和感による行動で、通常は永久歯が生え揃えば落ち着くため問題ありません。
噛んでもいいおもちゃなどを与えましょう。
犬の行動をコントロールするための「待て」は、いたずらをやめさせるときなどに役立つしつけです。ドッグランやドッグカフェ、動物病院など、社会性を求められる場所でも効力を発揮します。
シーリハム・テリアは活発で勝ち気な犬種で、小さな動物を追いかけたり、ケンカをしかけてきた犬に立ち向かったりすることがあります。行動をコントロールするためにも「待て」は必ず教えましょう。
「待て」は、「おすわり」や「伏せ」ができることが前提のしつけです。「待て」の前に、「おすわり」「伏せ」のトレーニングをしておきます。
1匹で留守番をさせるときに、犬が寂しさや不安を感じていたずらをすれば後で困ったことになります。声が大きい犬種ですので、留守番中にずっと吠え続けるようなことがあると近隣への迷惑にもなりかねません。
不安な気持ちで過ごすのは犬にとってもよくありませんので、留守番をさせるときは、犬も人も安心して過ごせるようにしつけましょう。
シーリハム・テリアは自立心のある犬種ですので、きちんとしつければ上手に留守番できます。
留守にする前に犬が快適に過ごせるよう夏や冬などはエアコンを効かせ、飲み水をたっぷり用意しておきます。
犬という生き物は、いい香りがしたりすると食べ物じゃなくても口に入れてしまいます。
でも、犬には食べさせてはいけない食べ物も存在します。食べてしまうと命の危険もあるので要注意です。
今回は、そんな食べ物を食べてしまった時の対処法も合わせてお話していきます。
https://mofmo.jp/article/19619