猫は用心深い生き物

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猫は用心深い生き物です。特に家庭で飼えるような愛玩動物の中では、抜群の用心深さを持っていると言っても過言ではありません。

犬やうさぎなどと比べてはるかに周囲への警戒心が強く、長年猫を飼っている方でもなかなか打ち解けられないと感じることもあります。

それほど警戒心の強い性格を持つ猫ですが、警戒している時はどんな仕草をしているでしょうか。また、そこから読み取れる猫の気持ちを考察してみましょう。

猫が警戒するときの仕草

猫が警戒しているときの仕草はいくつかあります。特にどこを見ると分かるでしょうか。

しっぽ

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まずは尻尾を確認してください。猫は警戒心を表す際、尻尾の毛を逆立てて太く見せます。これは警戒と攻撃態勢を同時に表すかなり強めのアクションであり、威嚇するためにも使われるボディーランゲージです。

尻尾まで毛を逆立てて太く見せている場合、ほとんど最大限のレベルまで警戒心をもっており、すぐにでも攻撃に移れる体勢であることがほとんどです。こういった状態の猫には近づかないようにしましょう。

家で飼っている猫でもこのような状態の時は、何らかの理由で非常に強く警戒しているはずです。そのような場面では耳を折りたたんでいることもあり、おそらく全身で警戒していることを示しているにちがいありません。

気持ちも非常に高ぶっていることがほとんどであるため、良かれと思って手を差し出したり、なだめようとして近寄っていったりすると、思わぬ攻撃に見舞われる可能性があります。そういった状態の猫とは距離を取って、落ち着くまで刺激しないようにしましょう。

尻尾がゆらゆらと揺れている状態も、ストレスや警戒心の表れと考えられます。主にストレスを感じている時のサインですが、何らかの理由で心を乱されている時はゆらゆらとゆっくりしっぽを振るか、床に叩きつけるように素早く左右に振っているかもしれません。

犬を飼っている方なら「尻尾を揺らしているので、きっと幸せとか好奇心でも感じているのだろう」とつい思ってしまうかもしれません。しかし、猫が幸せな時やリラックスしている時に尻尾を揺らすことはありません。尻尾を揺らしている猫を見た時もやはり距離を取って、落ち着くまで刺激を与えないようにしましょう。

尻尾を体に巻きつけた状態でいる時も、警戒しているサインのひとつです。尻尾を体に沿わせてコンパクトにフィットさせているような状態です。尻尾が短い猫の場合は気づかないかもしれませんが、長い猫の場合は一目瞭然です。

これには、自分の気配を消す目的があるとも考えられています。猫の場合、肉球に汗を分泌する汗腺があるため、尻尾で体を物理的に隠すことで敵に気配を悟られないようにしている可能性もあります。

いずれにしても緊張状態にあることは確かなようですから、尻尾を巻いている猫を見かけた時はそれ以上いたずらに刺激しないようにしましょう。

背中の毛

毛を逆立てることも、もちろん警戒している時の合図です。先ほどの尻尾の毛を逆立てているケースや、背中の毛を逆立てているケースでは、かなり強く警戒していることが読み取れます。

その背中を上に持ち上げるかのように高くしたり、折り曲げるかのように猫背にしたりしている仕草も、非常に警戒している時に見せるボディーランゲージです。

「シャー」「ミャー」などと威嚇する声を発していれば分かりやすいですが、比較的静かにこの体勢を取る猫もいます。毛が逆立ったり、背中を丸めていつでも飛び出せるような体勢を取ったりしている時は、それ以上興奮しないようにむやみな刺激を与えるのをやめましょう。

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耳に関してはどうでしょうか?耳は頭部にある器官のうち、猫が自分の感情表現にもっともよく用いる部位です。

特に警戒態勢や攻撃態勢に入っている場合は、耳の動きをよく観察することで猫の心理状態を推し量ることが可能です。耳をたたんでいる時は怒っているか、最大限警戒しています。

これも犬と違うポイントの一つです。犬も喧嘩している最中に耳をたたむことがありますが、どちらかといえば頭部を保護するために耳を折りたたむことがほとんどです。それよりも、飼い主に甘えたい時や飼い主の機嫌をうかがっている時、非常に心地よい時などに耳を折りたたんでいる様子をよく見かけます。

しかし猫は違います。猫が耳を折りたたんでいる時は非常に警戒しているか、ほぼ攻撃態勢に入ろうとしているかのどちらかです。耳をたたんでいる猫は非常に可愛らしく見えますが、それ以上意味もなく刺激していると、猫パンチやひっかき攻撃に遭う可能性が高まります。

耳を横に大きく広げて、まるで鳥の翼のようになっている時も同じです。水平か少し持ち上げた状態で、真横か少し後ろに大きく広げるこの仕草を通称「イカ耳」と呼ぶそうですが、これも警戒心をもっているゆえの仕草である可能性があります。

しかし、聞き耳を立てているだけということもあるため、注意が必要です。音をより拾おうとするために耳を広げているだけかもしれませんが、その猫がしようとしていることや目線の先にあるものなど、その状況をよく観察しなければならないでしょう。

単に好奇心や音を聞こうとしているだけという場合、音がする方向に耳の角度をくるくると変えることもあります。しかし、耳を横に広げたまま固定している場合は、音を聞こうとしているのではなくやはり警戒するためにその仕草を取っている可能性が高まります。

猫の様子をよく観察して、遊ぼうとしているのか、それとも何かを警戒しているのかを見極めるようにしましょう。

表情

興味深いことに、猫は犬よりも表情が乏しいようです。犬はその表情によって、笑っているように見えたり反省しているように見えたりすることがありますが、猫の場合はそこまでバリエーション豊かな表情を見せることはありません。

そこで先ほど述べたような耳の状態からその感情を読み取ったり、口元やヒゲの様子を観察したりすることが重要になります。

当然ですが、食べている時やあくびしている時でもないのに牙を見せている場合、その猫は怒りや警戒心を露わにしています。激しく怒っている時は鼻の辺りにしわを寄せて犬歯を剥き出しにします。

牙は攻撃するための武器のひとつであるため、身に危険を感じたり、必要に迫られて攻撃しなければならないと感じたりしているときに、このような表情を見せます。

耳を横に広げると攻撃や警戒心の表れということになりますが、後ろまで折りたたむような状態は、恐怖や防御態勢に入ろうとしていることを示しています。

ヒゲにも変化が現れます。通常穏やかな状態でいる時の猫のひげは10時10分、つまりやや上向きに固定されています。これが警戒態勢に入ったり攻撃態勢に入ってるする時は前方へと伸ばされます。

逆に、まとめるかのように折りたたんだり、顔に沿わせるように後方へとたたまれたりしている場合は恐怖を感じています。何かに興味津々で、触覚からより情報を得ようとしている時もヒゲを前方に出すことがありますが、尻尾や毛の状態で興味なのか怒りなのかを判断できるでしょう。


情報提供元: mofmo
記事名:「 猫が警戒しているときの仕草とは?顔や体の動きから猫の気持ちを読み取ろう