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新生児と犬の同居メリットのところで、「小さい時から犬と同居することで免疫力が向上しアレルギーを起こしにくい」という研究報告があったと述べましたが、これは「幼いころからペットに触れて育った子供の方がそうでない環境で育った子供よりもアレルギーになりにくいという研究報告があった」ということで、絶対にアレルギーにならないというわけではありません。
アレルギーとは、体内に取り込まれた正常な成分を体の免疫機能が異物とみなし、過剰に反応してしまうことで引き起こされるもので、くしゃみや鼻水などが代表的な症状としてあげることができます。
そのため最初はなんともなくても、しばらくしてから突然アレルギー症状が出ることがあります。またすでに何らかのアレルギーがある場合は、犬の被毛やふけ、よだれや尿などに対してもアレルギー反応を起こす確率は高くなります。
・感染症
動物から人間に感染する病気を「人獣共通感染症」といいますが、その中でも特に危険なのが「狂犬病」です。
狂犬病ウイルスを持った犬が噛むとそこから感染することがあります。発症すると治療法がないため致死率が100%というたいへん危険な病気です。日本では現在狂犬病の発症はありませんが、世界に目を向けると狂犬病によって亡くなっている人が後を絶ちません。
狂犬病の予防法は、犬への定期的な狂犬病予防接種です。毎年必ず予防接種を受けさせなければいけません。
他にも犬から人間にうつる感染症として、パスツレラ症、ブルセラ症、サルモネラ症、皮膚糸状菌症、ノミアレルギーなどがあります。これらは傷口をなめられたり口周りをなめられたりすることで感染することが在ります。
パスツレラ症などは犬にかまれることで、かまれた傷口から犬の口の中にある菌に感染して傷口がはれたり化膿することがあります。最悪敗血症や呼吸障害を起こして死に至ることもあるようです。
また犬を散歩させたときに、ダニやノミが体について家の中に持ち込んでしまう可能性もあります。もしも持ち込まれたダニにウイルスが潜んでいたら、それによって病気になる可能性もあります。
ですから散歩から帰ってきたらブラッシングをしたり、定期的にノミやダニを駆除する薬で予防するようにできるでしょう。
きちんとしつけられている犬でしたら、人間に対して従順なので問題行動を起こすことはほとんどありません。
ところがしつけが十分にされていない犬の場合ですと、衝動的に小さな赤ちゃんにかみついてしまうことがあるかもしれません。ひっかいたり、飛びかかることもあるでしょう。これによって怪我を負わせてしまったり、かみつかれたりひっかかれたのをきっかけに人獣共通感染症にかかってしまう可能性もないとは言えませんね。
ここまで赤ちゃんに対するデメリットばかり見てきましたが、犬に対してもデメリットが発生します。
中には赤ちゃんが現れることが大きなストレスになる犬もいます。
犬にも個体差があるため子供や人が好きな犬でしたら、新たな赤ちゃんともすぐに仲良くなれて、まだ無力な赤ちゃんのことを守ってくれるかもしれません。ところが中には小心者の犬や飼い主以外にはなかなかなれない犬もいます。そんな犬の場合は赤ちゃんとの同居は大きなストレスとなるでしょう。
これまで飼い主からすべての愛情を受けてきたのに、突然現れた小さな生き物に自分の愛情を奪われたと感じて、嫉妬から赤ちゃんに攻撃をしたり、食欲がなくなったり落ち込んでしまう犬もいるようです。