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Viorel Sima/shutterstock.com
人間同様犬も、日中発作的に強い眠気に襲われる、”ナルコレプシー”という睡眠障害になることがあります。日本では”居眠り病”とも呼ばれ、急に我慢できないほどの強い睡魔に襲われるという特徴があります。
通常の睡魔と病気の判断が分かりにくいためつい放置されがちですが、日中によく寝るため周囲から誤解されることが多いことで知られています。
人間の睡眠障害と知られているナルコレプシーですが、実は犬にも生じる病気です。犬も人間のように、突然の睡魔や脱力などの症状があらわれます。しかしもともと犬はよく眠る動物なので、この症状が出ているかは分かりにくいことが多いです。愛犬の様子をしっかり観察することが飼い主に求められます。
特に犬の場合は、喜んだり興奮したりするなど感情の起伏によってスイッチが入り、急に脱力発作を起こします。ごはんや飼い主さんの帰宅時に興奮状態になったと思ったら、その後突然倒れて寝てしまうというケースもあります。
ナルコレプシーが発症しやすい犬種には、次のものが挙げられます。
特に大きな体格をしている犬は、突然倒れたときにケガをする危険性もあるので注意が必要です。
ナルコレプシーは、脳の神経伝達物質オレキシンが関係している睡眠障害と言われています。オレキシンは脳の覚醒を維持させる役割があり、多くの生き物が活動するために必要な物質として持っています。ナルコレプシーは、このオレキシンが機能障害を起こすことで睡眠障害を引き起こすと言われています。
ナルコレプシーには、先天性と後天性の2種類があります。先天性の場合は生後6ヶ月までに発症し、後天性のものは脳炎や外傷、腫瘍などの脳の病気で、脳幹の睡眠中枢に障害が生じた場合に発症しやすい傾向にあります。特に老犬がかかりやいことで知られています。
先天性の場合は、その個体に交配させるとナルコレプシーになる可能性の高い遺伝子を受け継いでしまうので、遺伝性疾患を増やさないためにも、ナルコレプシーを発症している個体に交配させることを避けるようにしなければなりません。
ナルコレプシーに見られる症状は、突然襲ってくる睡魔と脱力です。日中、突発的に寝てしまうとか、興奮しているときに急に脱力や麻痺するなどの症状があらわれます。これらの症状は数秒から30分ほど継続して続きます。飼い主さんの呼びかけや、外部からの刺激などで気づくのが一般的です。
ナルコレプシーを発症している子は突然倒れることがあるので、ケガをしないよう環境を整えてあげる必要があります。これは散歩などの外出中に起こることもあるので、愛犬を運ぶアイテムなどをいつも常備しておくことができるかもしれません。
今現在のところ、ナルコレプシーを直接的に治す治療法は見つかっていません。獣医師さんと相談し、症状に応じた対症療法や神経に働く薬を処方してもらいましょう。
また、生活環境を見直すことで症状が和らぐこともあります。ナルコレプシーを完治することは現在の医療では難しいので、生涯向き合っていく必要があります。病気のことをよく理解し、愛犬をサポートしてあげましょう。
犬に生じる睡眠障害には、上記でみた突然寝るナルコレプシーだけでなく、ほとんど寝ないという睡眠障害もあります。
そもそも犬はよく寝る動物なので、ある程度しっかりした睡眠をとることができないと、健康はもちろん精神衛生上にも問題がでてきます。
ですから、愛犬があまり寝ない、もしくは夜になっても熟睡していないという場合は、睡眠障害としてきちんと対処して向き合う必要があります。よく眠ることが健康維持につながるからです。