大型犬を飼うとは

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小型犬は、日本でもこれでもかという普及していますが、大型犬を見る機会はそれほどありません。もちろん、お住まいの地区によっては大型犬も沢山見かけるという方もいらっしゃることでしょう。

しかし、大型犬を飼うとなるとハードルが高くなるのは事実です。特に、大型犬では毛の抜ける量や手入れにかかる手間、その費用なども大きく変わってきます。しかし、小型犬にはない独特の魅力を持っているのが大型犬です。

毛の抜けない大型犬なら飼いやすい

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どうしても大型犬が飼いたいという場合、毛の抜けない犬種を飼うことで少しでも手間を減らすのも一つの方法です。小型犬と違い、大型犬で毛の抜けない犬種は限られてしまいますが、どれも優秀で賢い犬種ばかりです。

犬種にこだわりが特にないのであれば、メジャーなゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーといった毛の抜ける犬種より、毛の抜けない犬種を選んだ方が、抜け毛に悩まされずにすむかもしれません。では毛が抜けない大型犬をいくつかご紹介しましょう。

ジャイアント・シュナウザー

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ドイツ原産のシュナウザーの一種で、シュナウザーの中で最も大きいのがこのジャイアント・シュナウザーです。ドイツ語で口ひげを意味するシュナイダーの名の通り、口周りに密集して生える被毛が特徴です。

被毛は全体に強いウェーブがかかっており、光沢があって非常に美しい毛並みを有しています。ドッグショーなどでは、その優雅で輝く毛並みの美しさを競います。いずれもシュナウザー譲りの立派な被毛で、これがジャイアント・シュナウザーを優秀な使役犬とするのに一役買っています。

ジャイアント・シュナウザーの被毛はダブルコートで、固いオーバーコートと柔らかいアンダーコートで構成されています。このため、柔らかく繊細なアンダーコートが体温を維持しながら、固いアンダーコートが水や外部からの衝撃を受け止めます。

泳ぐのに非常に適した犬種という訳ではありませんが、水の中での作業に耐え得るほどの体力と素質を兼ね備えています。

ドッグショーなどで見かけるジャイアント・シュナウザーは、小さな黒いポニーかと思えるほど立派で美しい毛並みを有しており、大きさもその被毛の迫力に負けないだけのものがあります。

本来は、牛飼いのための補助作業犬として使役されていました。牛を追って群れを導く作業を、毎日かつ一日中こなしていたため、運動量は豊富です。この辺りは、ジャイアント・シュナウザーの血統となったロット・ワイラーから受け継いだ特徴のようです。

現在では、その美しい毛並みだけでなく、恐れを知らない勇敢な性格を活用して、警察犬や番犬として利用されています。特に、警察犬としての任務に非常に適しており、ジャーマン・シェパードと並んで最高の警察犬として知られています。知性が非常に高いため、様々な任務やコマンドを覚えることができ、かつトレーニング次第で非常に従順に行動できるからです。

飼育に際しては、警戒心が強い個体を十分にトレーニングすることが不可欠です。一度馴染んでしまえば家族には穏やかで明るい一面を見せますが、部外者や訪問客には強く警戒してしまうことがあります。

さらに、体重が重く足が長いため関節系の疾患を発症しやすく、股関節やひざ関節の炎症は珍しくありません。生後1年ほどは激しい運動をさせない、などの身体に配慮した生活スタイルが求められます。

そういったポイントに注意すれば、黒く輝く立派な体躯のシュナウザーは素晴らしいパートナーになってくれるでしょう。

ブラック・ロシアン・テリア

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ロシア原産のブラック・ロシアン・テリアは、軍用や警察用に開発された大型犬です。体高63~75センチ、体重40~65キロと足は長めの体格で、比較的小柄なメスでも体重40キロを超えるほどの大型犬です。

ロシアで軍用犬種の需要が高まった時に、頑丈で優秀な犬種を目指して、シュナウザーやロット・ワイラー、ニュー・ファンド・ランド、ボルゾイ、グレート・デーンなどの名だたる大型犬を掛け合わせて品種改良されたのが、このブラック・ロシアン・テリアです。

1950年に始まったこのプロジェクトにより、1980年代には品種として固定化され、国際畜犬連盟への登録を経て現在に至っています。当然、警察犬や軍用犬としての適性は非常に優れており、過酷な環境下でも忍耐強く、体力や身体能力で優れていながら、穏やかで大型犬にしては少なめの運動量が特徴です。

被毛に話を移すと、別名ロシアン・ベア・シュナウザーとも呼ばれる通り、シュナウザーに似た毛並みを有しています。全身はウェーブが強くかかったオーバーコートに覆われ、雪や雨でも悠然としています。

内側には体温を維持したり衝撃を和らげる優れたアンダーコートがあり、シュナウザーと同じように毛が抜けにくいのが特徴です。シュナウザーと異なり、口髭のように見える被毛は少なめで、頭頂部から生えてくる被毛が長くなりやすいようです。

成犬のブラック・ロシアン・テリアを見ると、顔全体が被毛で覆われているために顔がどこにあるか分からない、目が見えないといった容姿が特徴的です。毛並みを手入れすれば顔の被毛も整えることは可能ですが、毛量が多いことと密集して生える毛質のため、人間の髪の毛のように伸ばしているブラック・ロシアン・テリアがほとんどです。

そのため、被毛の手入れは非常に大変です。毎日ブラッシングすることはもちろん、密集したアンダーコートがゴミや虫を拾わないように全身をチェックしてやる必要があるでしょう。

ニオイが出にくいのが長所ですが、トリミング時間は3~4時間は優に要するなど、大型犬の中でも毛並みの手入れには苦労する犬種です。

シュナウザー系の例に漏れず、ブラック・ロシアン・テリアも関節系の疾患や問題を抱えやすい犬種です。日ごろから定期的な診察を受けさせることや、十分に発育する前は激しい運動を控えるなど、身体的欠点に配慮しなければならないのはジャイアント・シュナウザーと同じです。

支配心が強く、正しいトレーニングが与えられないと独立的になることもありますが、トレーニング次第で非常に賢く従順になります。時には人間の子どもを守る行動に出るなど、信頼できる忠実なパートナーになってくれるでしょう。

運動量は比較的少なくても満足できる方ですが、それは「大型犬にしては」です。十分に運動させてあげられる飼育環境を整えましょう。

スタンダード・プードル

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あのトイ・プードルの祖先となった、大きく背の高いスタンダードプードルです。体高60センチ、座ると80センチを超えることもあるプードルは、体格のわりに、体重が少ないのも特徴です。

日本では体重が15~19キロ程度で、むしろ中型犬に分類される程度でしかありません。しかし、体躯の大きさと、世界では30キロを超える個体も珍しくないなど、身体的特徴に幅があるためか、基本的には大型犬に分類されているようです。

その身軽な体を活かして、古くからカモの回収犬として使役されてきました。水鳥であるカモを猟師が撃ち落とし、それをプードルが加えて持って帰ってきます。そのため泳ぎが非常に得意で、細い体は水の抵抗を受けにくくなっています。体重は軽いのに体力があるのも特徴的で、使役犬として非常にタフな一面も持っています。

その活動内容を支えるのが、あの特徴的な被毛です。全身が丸くカールした被毛に覆われているプードルは、実はシングルコートです。寒さには前述の2匹ほどの適性はありませんが、まとまりのある被毛は激しい運動中でも邪魔になることはありません。

そのようにまとまっている分、全身で被毛が絡まりやすい性質を持っているため、手入れが大変になりがちです。毎日手入れしなければ、毛玉があちこちに出来てすぐにブラシが通らなくなります。

こうなると、ドッグサロンやペットショップでトリミングしてもらわなければなりませんが、トリミング代は大型犬の中でも高額の部類に入ります。最安でも15,000円程度、2万円を超えることも珍しくありません。

毛玉が出来なくてもトリミングには行かなければならないため、トリミングの手間や費用はスタンダード・プードルを飼う上で無視できません。

家で洗うにしても、シングルコートでありながら絡まった毛質のため、洗うにもすすぐにも、あるいは乾かすにも手間のかかる被毛です。スタンダード・プードルを自宅のシャワーで洗ってやる際は、下手なエクササイズよりもいい運動になるでしょう。

被毛の手間に反して、プードルの性格そのものは非常に朗らかです。明るく人懐っこいため、世界中で愛されています。トイ・プードルも活発で明るい犬種ですが、スタンダード・プードルはあの賑やかなトイ・プードルと何ら変わらない気質を示します。

おやつや飼い主の帰宅で喜ぶ姿は、あのトイ・プードルをそのまま大きくしたかのようです。体重が比較的軽いためコントロールするのにそれほど苦労はありませんが、飼育にはそれなりに体力を要する犬種です。

狩猟犬の名残で豊富な体力やタフな身体能力を有しているため、日ごろから十分に運動させてやることが必須です。稀に水を嫌う個体もいるとはいえ、泳ぎが非常に得意であるため、川などに連れて行って泳がせてやるのも良いでしょう。

掛け合わせで品種改良された犬に比べると、昔から変わらず身体的特徴をそのまま残しているスタンダード・プードルは、疾患に強く丈夫な犬種です。十分にトレーニングを施せば、立派な見た目にふさわしい知性と体力を発揮する、素晴らしいペットになります。

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情報提供元: mofmo
記事名:「 【2022年版】大型犬で毛の抜けない犬種は?オススメの犬種をご紹介します!