ペットに果物を与えても大丈夫?

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友人や家族からたくさん果物をもらうことってありますよね。果物にはたくさんの栄養素が含まれていますし、おいしくいただいて健康増進にもつながります。

でも、せっかくもらった果物を自分の家族だけでは食べきることができない、または自分一人では食べきることができないといううれしい悩みもあるかもしれません。そんな時に愛するペットにもおすそ分けしているという方も多いのではないでしょうか?

ペットはペットフードだけではなく、果物も喜んで食べます。喜んでいるペットの姿を見るのは飼い主としてとてもうれしいことですよね。

でも、ちょっと心配を感じることもあります。「ペットに果物って与えていいんだろうか?」「ペットに与えてはいけない果物もあるのかな~?」といった心配です。

ペットが喜んで食べるからといって、すべての果物がペットの健康に良いかというとそうでもありません。与えてはいけない果物もあるからです。

今回は犬に「キウイ」を与えても大丈夫かという点についてご紹介していきます。

キウイを犬に与えてもOK

結論から先に言いましょう。犬にキウイを与えても特に問題はありません。場合によっては健康効果を期待できるとも言えます。

キウイは人間の間では健康を促進させる果物として注目されています。例えば生活習慣病を予防する果物として注目されています。そのほかにも、がん、脳卒中、動脈硬化といった病気の予防に効果があると言われています。

キウイにはたくさんの栄養素が含まれており、調理をする必要もないので簡単に栄養を摂取することができます。包丁で半分に切ってそのまま食べたり、ジューサーミキサーでジュースにして飲むという人も多いと思います。

そんなキウイですが、人間が摂取するほどの効果は期待できませんが、ある程度の効果は期待できます。

人間と犬では体内で栄養素を消化・吸収・生成する仕組みが違うので、キウイが持っている栄養素が犬にとって必要でない場合はあります。それでもいくつか健康効果を期待できるものはあります。

あとで詳しく説明しますが、キウイにはビタミンCが豊富に含まれていて、人間にとってビタミンCを摂取することは美容や健康に大切です。でも犬はビタミンCを体内で合成することができるので、食べ物からビタミンCを摂取する必要があまりありません。

それでも、キウイにはビタミンC以外にも様々な栄養素が含まれているのでキウイを与えるメリットもあります。では、キウイにどんな栄養素が含まれているのでしょうか?

キウイの栄養素

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キウイに含まれる栄養素には以下のようなものがあります。

ビタミンC

キウイに含まれている栄養素の一つは、なんといってもビタミンCです。ゼスプリのサンゴールドキウイの場合だと、キウイ1個になんとレモン8個分のビタミンCが含まれているようです。

人間の場合ならキウイを1個と食べるだけで一日分のビタミンCを摂取することができます。キウイ恐るべしですね。

よく「抗酸化作用」といった言葉を聞くと思いますが、キウイには体内に入った異物を解毒するなど免疫機能の向上が期待できます。疲労の回復にも役に立つと言われています。

しかし犬の場合はビタミンを体の中で生成することができるので、基本的に食物からビタミンCを摂取する必要がありません。

キウイがわたしたち人間にとって「美容と健康のための魔法の果物」であるといえるのはビタミンCが豊富に含まれているからです。キウイといえばビタミンCというくらい、キウイにはビタミンCが豊富に含まれています。しかし、犬にとってはそれほど重要ではないのです。

さきほども少し述べましたが、人間にとって非常に効果があるキウイですが、犬が摂取した場合にはそこそこのメリットしかない理由は「犬はビタミンCを自分で生成できる」からです。

ただ、犬の場合も自分でビタミンCを生成できるとしても、生成できる量には限りがありますから、摂取することでまったくメリットがないわけではありません。また犬はストレスを感じてる時はうまくビタミンCを生成できない場合もありますし、ビタミンCは体内に貯蔵しておくことができない栄養素です。ですからおやつとしてたまに犬にキウイを与えてビタミンCを補ってあげるのもいい方法かもしれませんね。

食物繊維

ビタミンCによるメリットが少なめということでさっそく意気をくじかれてしまいましたが、キウイにはビタミンC以外にもいろんな栄養素が含まれています。その一つが食物繊維です。

食物繊維には2種類あり、水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維とがあります。水溶性食物繊維は善玉細菌のエサになり腸内の菌を活性化させます。不水溶性食物繊維は便のカサを増す働きがあります。

キウイには水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維が豊富に含まれています。キウイの種類によってもことなりますが、ゼスプリのグリーンキウイにはバナナ3本分の食物繊維が含まれています。

キウイを摂取することで腸内環境を整える効果を期待できます。「腸内フローラ」という言葉がありますが、腸のなかには多種多様な菌がたくさん生息しています。余談ですが、フローラとは英語で「flora」つまり「お花畑」という意味があります。

その細菌のなかで良い働きをするのが「善玉菌」と呼ばれる細菌です。水溶性食物繊維を摂取することでこの善玉菌を活性化させ、腸内環境を整える助けになるのです。

犬にキウイをあげると便秘解消に効果があると言われています。腸内環境が悪化すると肥満の原因にもなるようなので、肥満気味の犬にも効果があるかもしれません。

ただ、摂取量には注意する必要があります。食べ過ぎるとお腹を壊したり、逆に消化不良になってしまう可能性もあるので、量に注意しながら与えましょう。

カリウム

キウイにはカリウムというミネラルが含まれています。カリウムには体内の余分な塩分を排出するのを助けるという効果があります。腎臓の働きを助ける栄養素の一つです。

人間の場合は高血圧の予防としてカリウムを摂取する方も多くいらっしゃると思います。犬の場合もカリウムを摂取することで腎臓の状態を健康に保つ助けになります。

カリウムは水に溶けやすい栄養素のため、生の野菜や果物から摂取するのが効果的な方法です。でも、野菜の場合だとたくさん野菜を食べなければなりません。

犬がたくさんの野菜を食べるのは大変かもしれませんね。その点キウイはカリウムが豊富に含まれていますし、犬も喜んで食べるのでおすすめです。

アクチニジン

キウイには消化酵素であるアクチニジンが含まれています。アクチニジンとはどのような働きをするのでしょうか?簡単にいうとたんぱく質を分解する酵素のことです。

胃腸の消化吸収効果を促進させる働きがあるので、肉、魚、大豆などのたんぱく質を摂取したときにアクチニジンを合わせて摂取すると、効果的に消化吸収することができます。

食べさせ方ですが、消化酵素アクチニジンは熱や胃酸に弱いという性質があります。なので、キウイを与えるときは生のまま、食後にあげると消化酵素の効果を期待することができます。

お腹が空いている時だと胃酸が強まっている場合が多いので、その状態でキウイをあげるとたんぱく質を分解する働きが弱まってしまいます。なので、食後もしくは食事と一緒にキウイを食べさせると消化吸収の面では効果を期待できます。

このアクチニジンという消化酵素ですが、キウイ特有のもののようです。アクチニジンという名前も、キウイフルーツの属名である「Actinidia」という単語からつけられた酵素の名前です。

このアクチニジンを摂取していれば、他の消化酵素に頼ることなくたんぱく質の消化が進むという実験結果も出ています。特に果肉が緑色のグリーンキウイにたくさんアクチニジンが含まれています。

加齢と共に消化吸収の面で問題を抱える犬も多いと思います。重い症状であればもちろん病院に行って検査をしてもらうことをおすすめしますが、「なんとなく消化が悪そうだな」といった軽い症状のときは、キウイをあげてみるといいかもしれません。

他の栄養素

キウイにはこれらの栄養素以外にも豊富な栄養素が含まれています。抗酸化作用のビタミンE、ポリフェノール、ルテインなどです。これらの栄養素は目の健康を維持するのに役立ちます。

また、疲労回復や貧血予防に役立つ有機酸があります。キウイの種には必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸が含まれています。オメガ3脂肪酸には炎症を抑えたり血液をサラサラにしたりする働きもあります。

近年キウイはスーパーフルーツとして注目されています。テレビやインターネットで人間が摂取すると大きな効果があると宣伝されているのを見たことがあるかもしれませんね。

犬の体内組成と人間の体内組成では違いがありますから、人間と全く同じような効果が期待できるというわけではありませんが、栄養補助食品としてのキウイには犬にとってもいろんなメリットが期待できます。

キウイを与えていれば健康を保つことができるというわけではありませんが、ちょっと元気がなくなっているわんちゃんに試しにキウイを与えてみるのもいいかもしれません。

キウイの別のメリット

余談ですが、人間の世界では少しずつ上下関係というものがあいまいになってきましたが、犬の世界では上下関係は不変のものです。犬の世界では上下関係が非常に重んじられています。

犬の世界ではリーダーを重んじる傾向があります。リーダー、つまり飼い主からおやつをもらうなら犬が主従関係をはっきり理解する助けになります。栄養の面だけではなく、飼い主との良いコミュニケーションにも役立つかもしれません。

情報提供元: mofmo
記事名:「 【獣医師監修】犬にキウイを食べさせても大丈夫?キウイに含まれる栄養素と与える時の注意点!【2022年版】