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それには猫の舌にある「味蕾(みらい)」という細胞が関係しているようです。味蕾によって味覚を感じることができますが、実は猫の味覚は人間ほど繊細ではありません。
人間の場合、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味を感じることができますよね。猫が感じることのできる味覚は、苦味、酸味、塩味だけだといわれています。味に関してはそれほど敏感ではないので、猫がグルメだというのはどうやら間違っているみたいですね。
さて味覚はそれほど繊細でないとはいえ、猫は熱いものに対しては敏感に反応するようです。また熱いものだけでなく極端に冷たいものも苦手にしているという意見もあります。
・鼻が関係している
猫が猫舌なのは鼻で熱を感じるからだという見方もあります。猫の鼻は非常に敏感で、嗅覚は人間の何十倍もあるといわれています。鼻でニオイを嗅いでからご飯を食べますが、その時に食べ物の温度も測っているようです。猫の鼻は0.5℃の温度差も判別できると言われているんですよ。
実際に味蕾が関係しているのか鼻が関係しているのかは定かではありません。もしかしたら両方とも関係しているのかもしれません。いずれにしても猫舌という言葉を使うのは猫の生態的にも間違いではないようです。
よく考えると、猫はもともと食べ物を加熱する習慣がありません。狩りをして獲物を常温で食べて生活してきたわけです。食べ物を加熱するのは人間だけが行うことです。ですから、猫からしたら熱々のご飯を食べること自体がもともとはあり得ない行為なのです。猫からしたら「人舌」な食べ物を出されたというところでしょうか。
熱いものが苦手なのは猫だけではありません。前述の通り犬も熱いものを苦手としています。実を言えば人間以外のいかなる動物も、人間が調理した熱々のご飯を出されたらビックリしてしまい、すぐには食べることができません。
猫舌なのは猫だけではないということですね。たまたま猫が人間の生活の中でより身近だったので熱いものが苦手な動物の代表となったようですが、実際には「動物舌」という表現の方が正しいのかもしれません。
ちなみに猫の中には猫舌ではない子もいるそうです。人間と生活することによって人間の習性に慣れてしまったようで、熱々のご飯をガツガツ食べるという犬や猫の情報も入ってきます。すべての犬猫が猫舌だというわけではないということになりますね。