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もちろん過度に叱るのは避けるべきですが、脳の構造上そうしないとしつけが成り立たないのです。一貫してしてはいけないことは「してはいけない」と叱ることによって、飼い主と犬との信頼関係はきちんと築かれます。
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犬は動物の中でも特に賢いというイメージを持つ人は少なくないでしょう。
では実際のところ、ほかの動物と比べてどの程度賢いのでしょうか?エクセター大学とカンタベリー・クライスト・チャーチ大学の研究者の調査によると、犬の知能は他の動物と比べて特に高いわけではないようです。
研究の結果、猫の脳と比べると明らかに神経の密度が高いのは事実とはいえ、これが知能の高さと関係があるわけではないようです。研究では様々な動物に関して調査が行われましたが、最終的に分かったのは、猫やチンパンジー、ハイエナ、イルカ、馬、オオカミなどと比べて、これまで犬は知能が過大評価されていたようです。
研究では犬が所属する「肉食動物」「人間に飼育されている動物」「社会的狩りを行う動物」という3つのカテゴリーの中で、「知覚認知」「身体的認知」「空間認知」「社会認知」「自己認知」という5つの分野における犬の「優秀さ」を調査しましたが、結果的には犬の知能が突出しているわけではないようです。
カンタベリー・クライスト・チャーチ大学の心理学者ブリッタ・オストハウス氏は、「犬はあくまでも犬としての能力しか持っておらず、『他のどの動物よりも優秀である』といった過大評価をしてはいけません。
犬と触れ合う時には、本来犬が持つ能力についての正しい認識を持つ必要があります」と話しています。とはいえ犬が人間にとって賢いと思える動きをすることは事実です。他の動物でもそれは行える可能性があるものの、やはり身近な分犬の動きにはより注目がいくのでしょう。
ちなみにアメリカの心理学者ハリー・ジェイソン氏による脳化指数(体重に対する脳比率)は以下の通りです。
これは知能の高さを示したものではありませんが、知能レベルとある程度かかわりがあることを示しているようです。これを見るとやはり人間は突出しているのが分かります。また賢いとされるチンパンジーも高いです。カラスが犬より高いというのも興味深い点です。また理性をつかさどる前頭前脳皮質の割合は以下の通りです。
やはり人間とチンパンジーが上位にきます。犬が猫よりも高いのは、集団生活を送る犬のほうがコミュニケーション能力がはぐくまれる事が理由のようです。
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犬には嗅覚を中心とした能力の高さがありますが、知能レベルに関しても高い能力を示すことがあります。
時には猿よりも賢いといえる行動をすることもあります。例えば「指さし実験」と呼ばれる、物の下におやつが入っていることなどを理解させる実験がありますが、この実験においては猿よりも犬のほうが賢い動きをするようです。猿はしっかり教えないとクリアできませんが、犬はあまり教えなくても課題をクリアできるようです。この結果がイコール「犬は猿より上」となるわけではありません。とはいえ犬の得意分野が存在するということの証明にはなります。
また人間の動きを観察したり把握する能力においても犬は優れているといわれています。
これはやはり長い歴史の間人間と一緒に生活してきた犬の得意分野といえるでしょう。