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皮肉にも友の眠る棺をエスコートする使命を担ったニックさん。
彼にとってこの日は人生で最悪の日となったのです。
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ニックさんの家系は代々兵卒であり、祖父は第二次大戦、父はベトナム戦争、そして姉は砂漠の嵐作戦を経験してきました。その流れから海兵隊に入隊したニックさんでしたが、その決断がのちの彼の人生に苦痛を与えることとなりました。やがて除隊し辛い離婚を経験したニックさんは退役軍人病院に向かいました。PTSDの認定を受け投薬や治療を受けるにはテストを受けることが必要で、その当時のPTSD認定スコアは85ポイント。しかしニックさんは78ポイントと認定が下りず、数年間治療が受けられなかったのです。
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PTSDと孤独に戦い続けていたニックさんでしたが、ある日無意識に恐ろしい行動に出てしまいます。彼は銃を片手に助けてくれなければ自殺すると発狂してしまったのです。しかし通報により駆け付けた退役軍人事務所の職員の説得により彼は命を救われました。そしてその職員からある朗報が告げられ、それが彼の人生を大きく左右することになったのです。
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それまでPTSDの治療はおろか、経済的な理由から介助犬サービスすら受けられないと思い込んでいたニックさんでしたが、職員から兵卒なら無償で介助犬サービスを受けられると聞きすぐに応募しました。そこで出会ったのがノースカロライナ州でPTSD患者のための介助犬プロジェクトを指導していたテリー・モリス教授でした(Vets to Vets United Inc.)。そして教授はニックさんにぴったりの犬ウィンストンを紹介してくれたのです。
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ウィンストンとの出会いによりニックさんの人生に大きな転機が訪れました。モリス教授の介助犬プロジェクトは通常とは違い、患者が犬と二人三脚で介助犬として育てて行くというもので、紹介される犬達は初めから訓練された犬ではないのです。しかし患者の多くは犬に対して責任感をそれぞれ持ち、一緒に成長して行くこのプロジェクトによって生きがいを感じ、笑顔を取り戻しているのです。そしてニックさんもそんな中の一人だったのです。ニックさんが不安やパニックを起こしそうな時はウィンストンが背中をトントンと押して心を静めてくれる。訓練を通して二人の絆はどんどん深まって行ったのです。
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お互いが無くてはならない存在となったニックさんとウィンストン。
ウィンストンと出会ったおかげで、無気力な暮らしを送っていたニックさんは弁護士を目指し大学を卒業するまでに変わりました。
PTSDとは人を無気力にしたり自暴自棄にさせたりと、とても厄介で危険を伴う心の病気です。
多くの患者さんが投薬だけでは十分では無いと答える中、犬の存在はなによりもよく効くお薬のようですね。
共に成長し、共に喜びを分かち合う。
そして殺処分寸前だった犬が介助犬プロジェクトに選ばれることも多いと言います。
人にも動物にも優しいこのプロジェクトの増々の発展を願いたいですね。
そしてニックさんとウィンストン、これからもずっと素晴らしいパートナーシップを続けてくださいね。
He keeps seeing things at night, but watch what his dog does for him