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夫・稔(松村北斗)が戦地で死亡し、戦争未亡人となった安子(上白石萌音)。娘・るいを心の支えにしながら、稔を思い続ける。
一方、稔の母・美都里(YOU)は、息子を失った悲しみから、安子にきつく当たるようになる。そしてついに、安子を雉真家から追い出そうと画策する。
「るいを雉真家に残して、再婚したらどうじゃ」。稔の父・千吉(段田安則)にそうアドバイスされた安子は、戸惑う。るいを置いていくなんて、到底考えられないことだった。
そんなやり取りを目にした勇(村上虹郎)は、「お義姉さん、るいと一緒に岡山を出たほうがいい」と、手助けをする。
安子がるいと落ち着いたのは、かつて稔が住んでいた大阪の下宿「おぐら荘」。安子は手作りのお菓子を売り生計を立てることにする。
るいをおぶって芋飴を売る安子。ある日、ガラの悪い連中に絡まれ、逃げ込んだ住宅街で、「証城寺の狸囃子」の曲に乗った英語の歌を耳にする。
それは、ラジオ講座「英語会話」の第1回の放送だった。通称はカムカム英語だ。以来、カムカム英語は、安子の楽しみとなった。
1948(昭和23)年。終戦から3年の日々が過ぎ、るいは3歳に。安子は今ではおはぎや饅頭も売るようになり、母子で慎ましく暮らしている。
そんなある日、安子はある人物と出会う。