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「スッキリ」で森圭介アナが「新型コロナウイルス感染者について今、日本と世界では状況がかなり違っています」と言って紹介したのが、世界での新型コロナ感染状況。米国ではワクチン接種が伸び悩み感染が再拡大。ロシアでは死者が過去最多。ヨーロッパではドイツ、オランダ、オーストラリアで感染者が過去最多になった。韓国では11月(2021年)から各種規制が緩和されたが、感染者数や重症者数が過去最多になっているという。それなのに、日本では減少傾向が続いており、海外のメディアは「驚くべきサクセスストーリー」と日本の現状に驚いている。
それもそのはず、夜の人出も増えているにもかかわらず、きのう11月25日の東京の新規感染者数は27人。14日連続で30人を下回っている。
9月末に菅前総理が発表した緊急事態宣言の解除の際に西村経済再生担当大臣(当時)は「解除すれば様々な活動も活発になれば必ず感染者は増えるので段階的に様々な制限を緩和していく」と話していた。
10月29日には東京で11カ月ぶりに時短営業が解除になり、時間制限なしでの酒提供も行われていた。ハロウィーン時の渋谷はコロナ前に匹敵する人出だった。それでもいまだに感染者数は低い水準を守っているのだ。
米「ロサンゼルス・タイムズ」紙は「どのようにして日本は実現したのか?」とし、英「ガーディアン」紙も「どのようにして驚くべき新型コロナのサクセスストーリーを作り上げたのか」と報じていた。
WHO欧州地域事務局は、9月末に比べて死者数が2倍に増加しているとし、来年3月までに約70万人増加すると予測した。ワクチン接種率68%のドイツは感染が再拡大し、1日あたりの感染者数が5万人を超える状況。約64%のオーストリアは1日の感染者数が1万6000人を超え、11月22日からロックダウンが始まっている。また、米国は58%、ロシアは37%。約79%の韓国では最近、過去最多の新規感染者数を記録した。
ソウル支局長は「アストラゼネカのワクチンに要因があるのではという説も出始めている」と話す。韓国ではファイザー製のワクチンが約53%、アストラゼネカ製が約33%で、ブレイクスルー感染が増えている。
米国国立研究機関研究員の峰宗太郎医師は「アストラゼネカは発症予防効果が約70%程度で、ファイザー製と比べて効果が弱め」と指摘。韓国疾病管理庁によると、2回目接種後に抗体価を保てる期間はファイザーで5カ月、アストラゼネカは3カ月としている。
日本感染症学会指導医の水野泰孝医師は「適正に打たれているのかというのも要因」と指摘し、ワクチンの冷凍保存ができていたのかに疑義を呈した。
そんななか、日本が感染者数を抑え込めている理由について、水野医師は「ワクチンによる免疫ができている」、峰医師は「基本的な予防策とワクチンの組み合わせが重要。今後日本を見本にしていくことが多いと思う」と指摘した。
ファイザーとアストラゼネカのワクチンを比較すると、有効性ではファイザー94.6%に対し、アストアラゼネカは70.4%。抗体価については、ファイザーが5カ月で約半分になるのに対し、アストラゼネカは3カ月で半分以下。そのほか、免疫予防効果や入院予防効果でもファイザー製ワクチンのほうが有効性は高い。日本感染症学会専門医の佐藤昭裕医師は「アストラゼネカ製も悪いワクチンではないが、ファイザーやモデルナ製と比べると見劣りがする」とコメントした。
今後の見通しについて峰医師は「第5波を超えることはないのではいか」、水野医師も「第5波のような大きな波になる可能性は高くない」と予測。佐藤医師は「ワクチン接種率、短期間で一気に接種が進んだこと、また感染者が減っている中でも一気に行動緩和しなかったことがよかったと考えられる」と説明した。
政策アナリストの石川和男は「コロナが始まってから日本はずっと鎖国状態だった。今、国内で人流が増えてもいいと思うが、外国との行き来が増えることには懸念がある」と指摘。
実際、日本への入国制限は11月26日から緩和される。
佐藤医師も「そこは一番重要。今もアフリカ南部では新たな変異株が見つかっており、海外からのウイルス流入阻止は必要。どのように渡航者を扱うかが課題となる」と話した。
司会の加藤浩次は「そうだとしても国を閉じるわけにはいかない。入国検査をどうするかということ」とコメントした。
(バルバス)