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24日(2021年11月)の「スッキリ」は、中国で相次ぐインフルエンサーや芸能人の摘発について伝えた。
冒頭紹介されたのは、人気インフルエンサーの朱宸慧さんと林珊珊さんのケース。それぞれ1000万人規模のフォロワーを持っているが、人気絶頂の中、脱税の疑いで摘発。その徴収額は2人合わせて16億円以上と発表されている。
中国ではこのような摘発が今後も続くと見られているが、その背景は?
1つは、ことし8月に習近平政権の新たな方針として掲げられた「共同富裕」がある。富裕層からの寄付などを通じ、所得の再分配を促そうというものだ。
中国の社会問題を現地で10年以上取材しているジャーナリストの宮崎紀秀さんは「国内で貧富の差が進んでしまって、見過ごせないような状況になってしまった。放置しておくと社会の安定を損ない、共産党統治の正当性を疑われるようなことになりかねない。国民の不満がそこまで高まらないうちに、高い報酬をもらっている芸能人や脱税をしていい思いをしている芸能人をやり玉にあげている」と解説する。
もう1つの背景は、習近平政権の「ネットの監視強化」だ。特にエンタメ業界を注視しているが、その発端の1つとなったのは、アイドルによる強姦事件だという。「今年の夏に、アイドルの強姦事件があった。ファンを多く持つ人たちの生活の乱れやお金の流れが問題になった」と宮崎さん。
中国当局は、「有害」だと判断したネットアイドルなどを締め出すブラックリストを作成すると発表。対象の1つに挙げたのは、当局が「ゆがんだ美意識」とする、女性のファッションを好む男性のネットアイドルなどだという。
司会の加藤浩次「中国政権にとって、国民の不満がいちばん怖いということですね。それで国民に対し、『共同富裕』という形をとっていることを見せなくてはいけないと...」
犬山紙子(エッセイスト)「脱税も、強姦も絶対ダメで、そこに対して厳しくするのはいい。でも、全く別の文脈で、『ゆがんだ美意識』と言って人の価値観にまでメスを入れるのは問題です」
(ピノコ)