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国会議員に毎月100万円が支給される「文書通信交通滞在費」の見直しについて、与野党の意見がまとまらず、今国会での法改正は見送られる見通しだ。新人議員らの任期が始まる投開票日が10月31日(2021年)だったことから「1日の在職で100万円?」と、「無駄遣い」ぶりがクローズアップされた「文通費」の問題点を、12月7日の「モーニングショー」が伝えた。
吉村洋文・大阪府知事(日本維新の会)は6日、「国権の最高機関が税で支給される経費を、ここまで問題になっても、領収書を提出するのを拒否し続ける。そうなったら、お小遣いでしょ。税金に群がるシロアリだと思いますよ」。自民党の茂木敏充幹事長は先月16日、「国民から見て、おかしいなこれは、という形にならないような適切な対応を速やかにとりたい」とした。「日割り支給の導入」で与野党が一致、法改正の準備を進めていたが、今月4日なって、茂木幹事長は「公開の問題など様々ありますけれども、1日ではなかなか議論がまとまらない。臨時国会ではまとまらないと思う」。
「日割りとセットで領収書を添付」する改正案について、野党は前向きだが、与党が慎重で意見がまとまらず、今国会での改正は一転、先送りされる見通しとなった。吉村知事は、「経費であることは明らかなのに、領収書をつける法案を審理しないということになれば、本当におかしな国会だと思います。『札束のお小遣いを認めるかどうか』ですよ」。
「日割り支給」は与野党とも賛成だが、「使い道の公開・領収書の添付」については与党が慎重、「未使用分の返納」については、維新と国民民主党は賛成だが、「事務所を維持できなくなる」などとして自民党は慎重だ。自民党幹部は、法改正の見送りについて、「もめていた方がいいし、法改正や日割りもやらなくていい。文通費は自由に使えるお金だから減ると困る。触らないでそのままにしておくのが一番」。
日本大学の岩井奉信・名誉教授は、「来年の通常国会での改正となると、早くて3~4月ごろになる。この間にも毎月100万円ずつ支払われ、報告義務なく勝手に使ったり、ためこまれてしまうのは問題」。コメンテーターの玉川徹は、「問題の本質がわかってない。透明性が問題だ。透明でないと政治が信頼できないからだ」。
こうした問題を、私たち有権者は「選挙に向けての閻魔帳」として、きちんと記録しておきたい。「どうせ選挙までには忘れるだろう」とタカをくくられてここまできたが、とり急ぎ来年7月の参院選で、しっかり「お返し」をするために。
(栄)