いまやグローバルEC市場は、インフルエンサーをはじめとする個人の“感想”や”リアルレビュー”なしでは、ビジネスが成立しないといっても過言ではない時代。

そこでいま企業のマーケティング担当者が注目しているのが、グローバルに展開するインフルエンサーマーケティング。

2022年に日本に本格上陸した、iKala AIインフルエンサーデータプラットフォーム「KOL Radar」もそのひとつ。

いまなぜ、こうしたグローバルインフルエンサーマーケティングが求められているのか。

そのトレンドやポイントを iKala Japan 土屋隆司 カントリーマネージャーに聞いた。

AIを活用した、データから見るアフターコロナの観光マーケティング

「新型コロナウイルスの流行が収束し、人々は他国の入国規制情報や旅行体験の共有に大きな関心を寄せています。

iKalaが提供するAIインフルエンサーデータプラットフォーム「KOL Radar」のデータによれば、台湾政府が2022年末に出入国の規制を緩和して以来、台湾のインフルエンサーコミュニティでは「海外へ行く」というキーワードに関する投稿数がピークに達していることが明らかになりました。

さらに、2022年7月のSNS上での旅行関連投稿は、2021年の同時期と比較して124%に増加しています。これは、行動制限の緩和に伴い「旅行」の話題が再び人々の間で注目を浴びていることを示しています。

ニールセンの調査によれば、アジアでは80%の人がインフルエンサーのおすすめによって消費の決定が左右されると回答し、その影響力は驚くべきものです。

このため、ますます多くのブランドがインフルエンサーマーケティングを採用し、製品やブランドの魅力を消費者に伝える手段として活用しています。

しかし、インフルエンサーマーケティングの手法は市場ごとに異なります。さまざまな年齢層のユーザーに適切に訴求するためには、コンテンツ制作やコミュニティプラットフォームの選択が重要です。

ターゲットを絞ったコミュニケーションを行い、正確にフォロワーを選び出すことが鍵となります。つまり、適切なインフルエンサーマーケティング戦略を立てることが不可欠です。

特に観光業界では、インフルエンサーマーケティングの導入が大きな成果を生む可能性があります。適切なインフルエンサーを活用し、AIとデータを駆使して正確な戦略を構築すれば、多くの旅行者に魅力的なストーリーを届けることができます。

これにより、インフルエンサーと消費者のつながりは一層深まり、観光業界の成長にも貢献していくことでしょう」(iKala Japan 土屋隆司 カントリーマネージャー)

日台観光市場:国境を越えたクロスプラットフォームデータでビジネスチャンスを的確に捉える

台湾インフルエンサーによる、日本の人気スポット

「日台間の観光市場は、クロスプラットフォームのデータを活用することで的確なビジネスチャンスを見つけ出すことが可能です。

両国のユーザーはSNSのヘビーユーザーであり、We Are Social(THE CHANGING WORLD OF DIGITAL IN 2023)のデータによれば、日本では人口の75%が、台湾では約85%のユーザーがSNSを活用しています。

一方で、日本では主にTwitterが主流ですが、台湾ではFacebookがよく使われています。

このように、国ごとのSNS利用の習慣が異なるため、SNSプラットフォーム上でのブランド広告戦略も異なるものとなります。

そのため、クロスプラットフォームのインフルエンサー情報を収集し、分析することが重要です。

これにより、旅行業者や自治体は自身が求めるコミュニケーションチャネルやターゲット年齢層を明確に把握できます。

「台湾と日本の観光業界がビジネスチャンスを掴めるよう支援するため、KOL Radarは各SNS上で活躍する台湾から日本を旅行するインフルエンサーと、日本から台湾を旅行するインフルエンサーが最も興味を持っている観光地を細かく分析しました。

台湾のインフルエンサーがシェアするコンテンツの中で、Facebook上の旅行関連コンテンツは情報共有に力を入れています」(iKala Japan 土屋隆司 カントリーマネージャー)

最も興味を持っている観光地を細かく分析

日本インフルエンサーによる、台湾の人気スポット

「例えば、新宿は交通、宿泊、ショッピング施設が充実しており、他の景勝地に比べて旅行情報がやや複雑です。

そのため、関連コンテンツが数多く掲載されています。Facebookは注目を集めやすく、日本旅行の際の貴重な情報源となっています。

一方、Instagramでは、投稿の視覚的な魅力を重視する傾向があります。人気のある撮影ロケーションには、自然の風景だけでなく、コロナ以降に新たに登場した写真スポット(例えば、渋谷のSHIBUYA SKYなど)も多く含まれています。

また、YouTubeでは、難波、新宿、渋谷などの繁華街が人気スポットとして取り上げられています。

クリエイターたちは視聴者を引きつけるため、コロナ前後の比較やこれらの場所でのショッピング攻略法などで、積極的な情報発信を行っています。

KOL Radarは、日本のインフルエンサーが日常生活をシェアするSNSとして最も頻繁に利用しているInstagramを分析し、台湾旅行における彼らの好みや人気スポットを抽出しました。

この調査の結果、台湾のローカル文化が日本人観光客に非常に人気があることが明らかになりました。

古い街並み、寺院、伝統的な市場、夜市などが、台湾の魅力的要素としてリストに挙げられており、日本人が伝統的な建築名所を訪れることを好む傾向を反映しています。

日本の旅行好きなインフルエンサーたちが、台湾のローカル文化に触れることを楽しみにしていることが伝わってきます。

訪日需要を求める日本の観光業者業界は、ソーシャルプラットフォームの特性に応じて異なる戦略を採用することに加えて、以下の点も考慮する必要があります」(iKala Japan 土屋隆司 カントリーマネージャー)

信頼できる現地パートナーとの連携、ユーザー習慣を熟知する

台湾や日本で越境プロモーションを展開する企業やブランドには、信頼できる現地パートナーが不可欠です。

インフルエンサーマーケティングでは、現地の市場を理解し、適切なコンテンツとクロスプラットフォームのインフルエンサーを活用する戦略の立案と、データを効果的に活用したユーザーの消習慣に深く通じるアプローチが必要です。

AI技術によるクロスプラットフォームのインフルエンサー情報の統合

「KOL Radar」では、AI技術とビッグデータソリューションを活用することで、多国籍かつクロスプラットフォームのインフルエンサー情報を迅速に整理、分析することができます。

ブランドや地域の魅力発信ニーズに合致し、最も効果的な人選を行うことが必要です。

データとテクノロジーで多様な市場参入時の障壁を解決

「KOL Radar」 では、システム化とデータ化を通じて、プロジェクトごとの成果を積み重ね、ブランド独自のデータベースを構築することが可能です。

これらのデータを活用して、インフルエンサーマーケティングの戦略を改善し続けることで、より良い成果を重ねていくことが必要です。

―――インフルエンサーたちが文化の違いを共有し、観光に関する情報を提供することで、観光業界は大いに恩恵を受けています。

異なる視点からの情報や体験は、観光客にとって非常に価値のあるものとなり、魅力的な旅行の選択肢を提供しています。

国境を越えたインフルエンサーマーケティングの発展により、観光ビジネスは新たな段階に入っています。

国境を超える影響力を最大限に引き出すことで、越境観光事業のチャンスを掴んでいます。

これにより、マーケティングと広報活動がより効果的に展開され、観光業界全体の成長が促進されるでしょう。

iKalaのAIを活用したインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「KOL Radar」は、日本市場に新たなテクノロジーを提供し、科学的に展開するインフルエンサーマーケティングのコンセプトを創り上げます」(iKala Japan 土屋隆司 カントリーマネージャー)

情報提供元: GZNews
記事名:「 iKala 土屋隆司 カントリーマネージャーが描く「AIを活用した、データから見るアフターコロナの観光マーケティング」とは