日本語での句読点(、や。)の代わりに、英語ではコンマやピリオド(,や.)を使いますね。このコンマやピリオドですが、日本語の句読点とは使い方が異なっています。特に読点(、と,)については、英語の方が日本語よりも比較的厳密なルールに沿っていると言えます。中には、コンマの有無で文章の意味が全く異なってしまうということもあります。


実は、ネイティブスピーカーでも間違ったコンマの使い方をしてしまうこともあるそうです。この記事では、そのようなコンマを使用する際に、よく誤りやすい2つの場合をご紹介します。さらに、日本語話者にはあまり馴染みのない、コロン(:)やセミコロン(;)についても使用例をご紹介させていただきます。


ネイティブでも間違える句読点の使い方



コンマのよくある誤用例


コンマは、2つの文を繋げるとき、


If you eat rotten eggs, then you will have diarrhea.

古い卵を食べたら、下痢になりますよ。


のように使ったり、3つ以上のものを列挙するとき、


I had eggs, toast, and yogurt for breakfast.

朝ごはんに卵とトーストとヨーグルトを食べました。


の ように使うのはご存知かと思います。

以下では、このコンマの有る無しで文章の意味が大きく異なってしまうような、2つのパターンをご紹介します。


関係代名詞の前のコンマ


関係代名詞(What, who, where, …など)は、文の前方にある名詞に、後ろの句や文をつなぐために使われる語句です。この関係代名詞の前にコンマをつけるかどうかで文の意味が変わります。


以下の2つの文をご覧ください。


① Authors who write great books receive awards.

② Authors, who write great books, receive awards.


それぞれどのように訳されるかおわかりでしょうか?

実は、


① 素晴らしい本を書いた著者は表彰される。

② (すべての)著者は、素晴らしい本を書き、表彰される。


のようになります。


①の場合、”Authors who write great books”が一つのまとまりとみなされるので、「素晴らしい本を書く著者(だけ)が表彰される」という意味になります。


②の場合には、”Authors receive awards”がひとまとまりとみなされ、「(すべての)著者が表彰される」という意味になります。その上で、”who write great books“が「(すべての)著者」の補足説明としてみなされます。


文法の用語としては、①が制限用法で、②が非制限用法と呼ばれます。


オックスフォードコンマ(Oxford comma)


オックスフォードコンマは、シリアルコンマやハーバードコンマとも呼ばれます。

なぜオックスフォードコンマが重要かという説明をするためには、下の画像がとても有名です。



(http://languagelog.ldc.upenn.edu/nll/?p=3438 から引用)


オックスフォードコンマのある上の例では、


We invited the strippers, jfk, and stalin.

ストリッパーとジョンエフケネディ、スターリンを招待した。


という意味ですが、下の例では、


We invited the strippers, jfk and stalin.

ジョンエフケネディとスターリンというストリッパーを招待した。


という意味になっていまいます。少々お下品ですが、記憶に残る面白い例文だと思ってご紹介させていただきました(笑)


列挙するときに便利なコロン


コロン(:)は列挙したり、何かを定義したりする時に使います。科学論文を書く時にはとてもよく使うのですが、普段の会話ではあまり見かけないのではないでしょうか。


コロンを使う場合、前方と後方の文や句は、イコールで結ばれるものでなければなりません。

例えば,


I have three pets: a cat, a dog, and a rabbit.

3匹の動物を飼っています。猫と犬とうさぎです。


のように使います。この場合、”three pets”は”a cat, a dog, and a rabbit”と同じものを指していますよね。

ちなみに、よくある間違いとして、


☓ I have: a cat, a dog, and a rabbit.


のように、コロンの前後をイコールで結べないようにしてしまうというものがります。ご注意くださいませ。


文と文つなぐセミコロン


セミコロン(;)は強い関係を持っている独立した2つの文をつなぐ働きをします。

多くの場合、原因と結果の関係を表します。

例えば、


I had rotten eggs for breakfast;I had diarrhea.

朝食に古い卵を食べて、下痢になりました。


また、副詞を使って文をつなぐときにも、


I had rotten eggs for breakfast;then, I had diarrhea.

朝食に古い卵を食べて、その後下痢になりました。


のように使うことができます。


 


以上、いかがでしたか?句読点を使いこなして、読みやすいライティングを目指したいですね。この記事の内容が参考になれば幸いです。


 


情報提供元: English Hacker
記事名:「 オックスフォードコンマって?ネイティブでも間違える英語の句読点の使い方