大学受験やTOEICでも最重要と言える英語リーディングですが、ただやみくもに英文を読んでいてもつまらなくて、挫折する原因になりがち。今回は、どうリーディングをすれば本当に読むのが速くなるのか?について、SLA(第二言語習得)の観点から、説明します!これを実行すれば、脳科学的に誰でも効果があるはずです。大変なこともありますが、ぜひ実践してください!


英語の効果的なリーディング学習とは



さて、ここから具体的な勉強のポイントを解説していきます。どれもSLAの観点から効果的と言える勉強法を、スマホを使ってどう実践すれば良いかを解説しました。


リーディング上達のコツは”理解できるレベルの英文”を”大量に読むこと”


英文が早く読めるようになるために必要なのは多読?それとも英単語?世の中には色々な勉強法でやっている人がいるので、何から始めたら良いか分かりにくいですよね。ですが、細かなやり方に違いはあっても、SLA(第二言語習得)の観点から言えば、実は英文を早く読めるようになる、英語リーディングのスキルを上げる上で必要なことはたった3つだけです。



  1. 自分に合っているレベルの英文を読むこと

  2. その英文をたくさんの英文を読むこと(多読すること)

  3. (文章がどれも難しければ)英単語や英文法の基礎知識をつけること


当たり前じゃないか!というお叱りの声が聞こえてきそうですが、この3つを実践するのは実はかなりコツがいります。シンプルですが、それぞれに実はコツがあります。どう勉強するのが効果的なのか、見て行きましょう。


自分に合っているのは『7割は問題なく理解できる』英文のこと


英語の勉強をやろうと思い、いきなり英字新聞や海外ニュースを読んでみても、英文がちんぷんかんぷんで意味不明…こうなるともう見るのも嫌になってしまいます。


まず、リーディングする時はとにかく読めばいいというわけではなく、自分が内容を理解できるレベルのものを選ぶ必要があります。では、理解できるレベルの文章の基準は何か?


目安として、英文の意味が7割は分かるものが自分に合っていると言えます。逆に3割は分からなくてもOKなので、分からない英単語があったり理解できない英文が登場しても全体の意味が分かればOKです。日本語に完璧に訳せなくても、文章全体が何を言いたいのか主張や意味を理解できるものが自分のレベルに合った英文です。


もっと感覚的に言えば、英文を読んでいて「ふーん、なるほど」と思えるものが自分に合った英文で、「ん、何を言ってるんだ?」と思う英文はおそらく今の自分にはレベルが高い英文です。7割ってどれくらい?と分からないときは、読んでみた手応えで自分がどれくらい理解できているか、面白く読めているかで判断するのも良い方法です。自分に合っている英文であれば、よほど英文がつまらないものでなければ辛いな、退屈だなとは思わないものですから。


著者も、リーディングをしている時、TOEIC950点を取ってからですら、たまに意味がまったく分からない英文に出会うこともあります。内容が専門的すぎたり、内容がそもそも変だったり色々ですが、そういうものはスッパリ諦めて別の英文を探すようにしています。リーディングが得意でも不得意でも、7割理解できるものを選ぶ。これが大事ですからね。


スマホは英語の多読にとても向いている便利ツール


多読をする時には、自分が好きなテーマについての英文をたくさん読むことが最も効果が出やすくて、かつやっていて楽しい勉強法です。これを実践するためにも、スマホは最強の味方になってくれます。



  1. メリット1:インターネットから最新の情報をいつでも見ることができる

  2. 好きなテーマだけを選んでリーディングができる

  3. 片手があれば使えるので時間と場所を選ばない


こういったことができるのが、スマホで英語を勉強する最大のメリットです。いつも同じ文章を飽きるまで読み続けるのではなく、いつも最新の情報を知りながら英語の勉強ができます。おまけに辞書機能や学習ログなど、便利なサポート機能もあるので紙とペンより3倍は効率的な勉強ができるでしょう。


アプリでいえば、「Polyglots」をよく使っています。リーディングのペースを自分で設定できたり、読みながら辞書で英単語を調べられる機能もあるのでリーディングがはかどります。



ちょっと楽しみながらリーディングしたい時は、英語版マンガを読める「Comic Walker」などもよく愛用していますね。日本語で読んでいるマンガの英語版があるので、日本語と英語どちらでも読めばリーディングの良い勉強になりますし、英会話でも役立つでしょう。



海外ニュースでは「VOA Learning English」がおすすめ。登場する英語がネイティブ向けのものより簡単なバージョンになっていて、英語学習をする人にとって良い教材になってくれます。



著者自身、もう長い間スマホ以外で英語の勉強をしていません。どうしても紙の参考書を使う必要がある場合もありますが、全体の1割もありません。9割以上の勉強を外出先で、おまけに仕事をしながら続けられているのは、間違いなくスマホがあるからです。


【著者の勉強スタイル】



  • 毎朝の電車通勤に、立ちながらスマホ片手に英語ニュースを読む

  • 休憩中、ソーシャルゲームをやった後、次に遊べるまでの間に英語の勉強をする

  • カフェでコーヒー片手にスマホで興味のあるジャンルの最新情報を読む


多読と精読どっちが大事?たくさんの英文を読む時のポイント


英文を読んでいる時、あなたはななめ読みでも良いからサクサク読み進める人ですか?それとも1つ1つの文章をじっくり分析する人ですか?英語リーディングには、大きく2つの方法があります。



  • 多読:英文の量を多く読むことを重視する

  • 精読:1つの英文の構造を理解することを重視する


多読はそのままの意味で多くの英文をとにかく読むことです。そして精読は1つの英文を英単語の意味や英文法の構造などをじっくり考えて読むことです。リーディングのスキルを向上させるためには、多読と精読どちらかだけでも不十分で、セットで行うことでより効果的なリーディングの勉強になります。


リーディングは多読することで読むスピードがアップしていく


日本語に訳すクセが付いていると、ついつい英文の構造をじっくり分析する、意味を考えることに慣れている人が多いでしょう。


ですが多読をする上で大事なのは、分からない英単語が出てきても辞書を引いたり参考書を見たりせずそのまま読み進めることです。自分のできる限り早く全体を読み、文章の主意をつかむことが大切です。返り読みはどうしてもその文章が分からなければ全体の意味が分からない場合だけに留めましょう。


また、多読をする時には基本的に返り読みをするのはNGです。なぜなら、多読の目的は英語をたくさん読むことで英語を読むスピードを上げることなので、返り読みのようなゆっくりじっくり読む練習では読解力がいつまで経っても向上しないからです。


例えば、著者が多読をする時は、分からない部分があってもとにかくそのパラグラフを読み終えることを意識しています。そうすると、部分で分からないことがあっても、全体で見た時に「あ、たぶんこんな意味なんだろうな」と推測ができるからです。


こういう学習スタイルで勉強していると、どんどん読むスピードが速くなっていきますし、速く読んでいるのに関わらず文章の意味を理解することも、精読をしている時より精度が上がりました。今では簡単なニュース記事くらいであれば1分もかけずにサッと全体の意味をつかめるようになっています。


リーディングでは文法が分析できても速く読めなきゃ意味が無い


例えば、こんな英文があったとします。


There is a house which is painted in blue.


この文章の”which”は受験英語で言えば「主格の関係代名詞」というもので、直前にある”house”が物なのでwhichまたはthatを使って次の英文の主語になる…などという解説ができるわけですが、ぶっちゃけて言ってしまえばこんな受験英語知識がたくさんあっても英文を早く読むことにはあまり役に立ちません。


もちろん初めて関係代名詞を勉強する時は説明のために主格・目的格などと名前を付けると説明しやすく便利なのですが、TOEICやTOEFLで「このwhichは何格の関係代名詞か?」などと聞かれることはまずありませんし、主格だか目的格だか分かるよりも「ああ、青く塗られた家があるのね」と文章の意味が分かる方がよほど役に立ちます


こんな分析をするよりも、意味を1秒で理解できる方がTOEICでも高スコアを取りやすいのです。それに、多読をしっかりする方がより早く上達する実感も持てますし、何より勉強していて楽しいでしょう。TOEICやTOEFLなどでスコアが取れる学習スタイルを作っていく。これがリーディング学習の成功に最も大事なことです。


情報提供元: English Hacker
記事名:「 英語リーディングで読むスピードを2倍にするための勉強法