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このページでは、歌詞を使った単語や文法の説明に加え、歌詞ならではのオリジナルな表現もピックアップしていきます。もっとカラフルに、自分らしさを表現出来るような英語に出会えるかもしれません!
今春公開された米映画 “Fifty Shades of Grey”(邦タイトル:フィフティシェイズオブグレイ)のテーマソングです。イギリスの官能小説をもとに作られたこの作品は、その刺激的な内容で話題を呼びました。 “50もの影”を持つ人物とされる主人公の男性グレイに出会い、新たな快楽の世界に足を踏み入れることになったヒロインのアナ.まさに彼女の心情を歌ったこの曲にもたくさんの英語のエッセンスがあります。それでは歌詞を見ていきましょう!
You’re the light, you’re the night*1
You’re the color of my blood
You’re the cure, you’re the pain
You’re the only thing I wanna touch
Never knew that it could mean so much, so much
あなたは光であり 闇であり
私の血の色でもある
あなたは癒しであり 痛みであるけど
私が唯一触れたいのはあなただけなの
これほどかけがえのない存在になるなんて思わなかった
*1 “light”-“night”
-対義の関係にある言葉を並べてギャップのインパクトを出す
他には “cure”(癒し)-“pain”(痛み), “fade in”(はっきりする)-“fade out”(ぼんやりする)
-押韻で耳に心地良く、残りやすくする
他には”fear”-“care”
英単語を学ぶ際、意味や音が近いものをセットで見ると、定着効果が高まります。
You’re the fear, I don’t care
Cause I’ve never been so high*2
Follow me to the dark
Let me take you past our satellites
You can see the world you brought to life, to life
あなたは恐いけど 気にしない
こんなにハイになったことがないから
暗闇の中を付いてきて
あなたを宇宙の果てまで連れていくわ
そしたらあなたが悦びを与えた世界が見えるから
*2 “have(has) been” ―現在完了の「現在までの経験」を表す用法
歌詞では「これまでに」こんなハイな状態なったことがない、という意味になります。
「経験」を表す現在完了には”never”(今までに一度もない)の他に、”before”(以前に)、”ever”(今までに、かつて)、once, twice, many times (一回、二回、何回も、などの回数表現)、”often”、”sometimes”などの頻度を表す副詞を伴うことが多いです。
So love me like*3 you do, love me like you do
Love me like you do, love me like you do
Touch me like you do, touch me like you do
What are you waiting for?*4
だからあなたが好きなように愛して
好きなように愛してくれたらいいの
あなたが好きなように触れて
好きなように触れてくれたらいいの
一体何をためらっているの?
*3 前置詞 ”like”
代表的な使われ方は“like~”で「~のように」「~と同じように」。他にも「~しそうだ」という意味で、”It looks like rain.” (雨になりそうだ)とも使われます。
*4 修辞疑問文
相手の答えを期待しない疑問文や相手が答えようのないことをあえて尋ねる疑問文のことです。歌詞の”What are you waiting for?”は直訳すると「一体何を待っているの?」で、なかなか行動を起こさない相手に対しての苛立ちを疑問文でぶつけています。つまりは「早く!」という気持ちが含まれています。
修辞疑問文の他の例はWho knows ? = Nobody knows. 「誰がわかるだろうか」=「誰にもわからない」”What’s the point?”=”There is no point.” 「目的は何なのか」=「何の意味もない」”Does it really matter ?” = It doesn’t really matter. 「それは本当に大事なことかな」=「それはどうでもいいことだ」などがあります。会話でさらっと使えると、ネイティブに間違えられるかも?!
Fading in, fading out
On the edge of paradise
Every inch*4 of your skin is a holy grail I’ve got to find
Only you can set*5 my heart on fire, on fire
Yeah, I’ll let you set*5 the pace
Cause I’m not thinking straight
My head spinning around I can’t see clear no more
What are you waiting for?
近づいたり遠のいたり
楽園の瀬戸際で
あなたの肌の隅々まで 私は探し求めるの
私の心を燃え上がらせるのはあなただけなの
ペースは決めてくれていい
まともに考えられないから
頭がクラクラして、もうよく分からない
一体何をためらっているの?
*4 ”inch”-ヤード・ポンド法の長さの単位
アメリカ合衆国を中心に使われている単位。1 inch=2.54cm.
“Every inch of~”-慣用表現で、ことごとくの隙=隅から隅まで、という意味になります。
*5 応用の幅が広い動詞”set”
もともと「定まった位置・状態に置く」という意味を持ちます。
“Set my heart on fire”-心を燃え上がる状態にする、
“Set the pace”-ペースを設定する
(繰り返し・中略)
Love me like you do, love me like you do
Love me like you do, love me like you do
Touch me like you do, touch me like you do
What are you waiting for?
だからあなたが好きなように愛して
好きなように愛してくれたらいいの
あなたが好きなように触れて
好きなように触れてくれたらいいの
一体何をためらっているの?
今回の歌詞は比喩的な表現が多く、対するサビではストレートに表現されていて、そのギャップを楽しみつつ、アナの切実な気持ちが伝わるように訳してみました。ちなみにちょうど映画の公開中に、ある海外の取引先から受け取ったEメールの文章に、
“Thank you for correcting my mistakes regarding XXX. When I first found out about the same, I turned three shades of pink…”「XXX について私の誤りを訂正頂きありがとうございました。それに気付いた時、私は3段階のピンク色に染まり・・」
と書かれていました。おそらく映画のタイトルと顔を赤らめた=turn red の表現を文字って、恥ずかしかったということを伝えたかったのでしょう。まさに流行に乗った巧妙なライティングテクニックだと感心しました。歌詞の表現を参考に、自分の知っている単語を使ってオリジナルの表現を作ってみるのも楽しいかもしれません。