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日本語ではメールや会社での挨拶でとてもよく使われる「お疲れ様」ですが、実は英語には全く同じ意味の表現はないのです。私も英語ネイティブの友人に挨拶やメールで「お疲れ様です」と言うと「なんで、別に疲れてないよ?」とよく不思議がられたことがありました。確かによく考えたら別れ際に「おつかれー」って声かける時も、別に疲れてなくても言ったりしますよね。これが単にお互いが頑張ったことをねぎらい合う、という意味で使われるのが英語ネイティブにとっては理解しにくい感覚のようです。
実はこれ、英語で1日のはじめに会った時に「How are you?」と声をかけるのととても似ています。英語ネイティブも別に相手の気分を本当に知りたいわけでも不機嫌なんだろうかと心配になっているわけでもなく、なんとなく挨拶として「調子どう?」というノリで声掛けします。なので相手も特に意識せず「Great」とか「Not doing well」とか気軽に返事をします。
なので、特に深い意味はなく、英語にはそもそも「お疲れ様です」をそのまま訳す必要はないのです。ですが、英語ネイティブが挨拶で「お疲れ様です」と近い意味で挨拶をすることはよくあります。どんな表現を使っているのでしょうか?
そもそも英語では
相手の苦労を労う=相手の成果や努力を褒める
という形で声をかけることが多いため、「大変なことをして疲れている」ということよりも「大変なことを頑張ってくれてありがとう!」という発想になるためです。日本人は褒めることが苦手だと言われていますが、挨拶でもその文化がとても反映されているように感じます。「やりましたね!」よりも「お疲れ様だったね!」と、成果よりも苦労にフォーカスするのは日本語ならではでしょう。
一方で英語では発想が全く逆になります。苦労よりも、相手が出した成果やした努力にフォーカスをあてて「Your work is pretty good!(君の仕事っぷりとても良いね!)」や「Thank you for your enthusiasm.(熱意に感謝するよ)」などと言います。これは英語と日本語の大きな文化的違いなので、どう訳せばいいかと悩むのではなくこういう言葉をかけるものなのだと知っておきましょう。
では実際にどんな言葉をかけたら良いか見ていきましょう。ちなみにGoogle翻訳で「お疲れ様」を調べたら”Cheers for good work!”と出てましたが、こんなことを言っているネイティブは少なくともここ10年で見たことがないので気をつけましょう(笑)
○○にはよく”cooperation(協力)”や”understandin(ご理解)”などが入ります。これは飛行機や電車のアナウンスの最後に”Thank you for your cooperation”とよく締めの言葉で使われています。日本語だと「お願い」に当てはまるのが英語だと「ご協力ありがとう」というお礼になっているのが面白いですね。
具体的に相手が出した成果を褒める時の表現です。特定のものでなく褒めたい時は”Excellent work!(良い仕事したね!)”や”It was great!(すごかったね!)”などと声掛けしてもOKです。
これが「お疲れ様です」に一番近い表現でしょう。意味としてはその前に”You must be tired.(きっと疲れてるでしょう)”という前提があった上で相手の成果をほめる時によく使います。ややカジュアルな表現なので目上の人に使う時は”Thank you for ○○”の方を使いましょう。
こちらは週終わり金曜などに仕事仲間へ労いの言葉で使うとより距離感が縮まるでしょう。金曜日でなければ”Have a good night.(おやすみ)”と声かけしても良いですね。