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番号は教えてあげない



「なあ、番号教えてよ」


「あなた、彼女いるんでしょ」


「マナミか?

別れたよ、綺麗さっぱり。


俺もあいつも番号を変えたから、

連絡すら取れないよ。

だから合コン来てるんだって」


「ふうん。

じゃあ…はい、これ」


「お、やった!

今度すぐ連絡するから!」


嬉しそうに自分の席に戻る彼。

入れ違いに友人が隣に来た。


「いいの?

あの人、他の子にも声かけてたよ」


「いいの、

渡したの私の番号じゃないし」


「えっ?

なにそれ、ひっどい!

なんでそんなことするの?」


「それが、彼のためだから」


「はあ?」


……


「ちょっと、あの二人、

ヨリを戻したって!」


「みたいね」


「え、知ってたの?」


「ううん。

でもこうなることはわかってたよ」



 


この人、痴漢です!




あーもう、ほんとムカツク!


親ってなんであんなにムカツクの…


こういうときはアレで

ストレス発散しないとね!


……


「この人、痴漢です!」


「いたっ、いたた…っ」


「さっきからこの手がずっと、

わたしのお尻を触ってたんです!」


ふふ、気持ちい。

みんなが注目してる。


この可愛い女子高生のわたしと、

冴えないおじさん。


どう見たって、わたしが被害者よ!


「私は何もしていない!」


「でも、実際にこの手が!」


「痛い、やめてくれ!」


「おい、離してやれよ!

怪我してるじゃないか!」


「えっ?」


「はあ、もう…

なんなんだよ、

ギプスした手をつかむなんて…」


「え?え?」


「おい、あんな手でどうやって

痴漢するっていうんだ?」


「冤罪じゃないの?」


「あ、あの子、

前も痴漢捕まえてるの見たぞ」



 


チョコレートの材料




「バレンタインにミサキちゃんから

手作りチョコもらったって?

やったじゃん!」


「ああ…」


「なんだよ、暗い顔して。

ミサキちゃん好きだったんだろ。

もう食べたか?」


「チョコなんて食べないよ、

気持ち悪い。


一応、『美味しかった』

って伝えたけど」


「なんでそんな嘘ついたんだよ。

お前、甘いもの苦手だっけ?」


「好きだけど、チョコは別だ。


だってあれ、

牛の血を固めて作ってあるんだぞ」


「は!?」


「小さい頃、

じいちゃんから聞いたんだ」


「まさか、信じてるのか。


それ、明治時代に

流行ったデマだぞ…」


「え…?」


……


「そうだったのか…。

チョコレートの語源、起源、原材料、

そんなもの考えたことがなかった…


これがチョコレートの真実…」


「じいちゃんを恨むなよ?

当時の人は信じてたらしいから」


「ああ…


…じゃあ俺、

ミサキちゃんのチョコを

食べてもいいんだよな!」


「ああ、よかったな!」


……


「ミサキちゃん。

チョコ、本当に美味しかったよ!

また作って欲しいな」


「ありがとう!

実はね、隠し味があるの。


あなたと付き合えたのも、

それのおかげかな♪」


「隠し味?」



 


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情報提供元: CuRAZY