ありがとう


※画像下に書き起こしもあります。小さくて文字が見れない方はそちらをご覧ください。



twitter.com@footy_ken




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わたしはサッカーをやっていて、少年団に入っている。


試合もよくあって、相手チームの応えんも聞こえる。


女の子なのにサッカーをしているからか、試合に出るたびに相手チームの人たちから、「女の子がいる。」という声が聞こえてくる。

はじめは「女の子だからなによ。」とか「うるさいな。」 と思ったけれど、最近はがまんしている。 そんな事で怒っていたら、せっかくの試合が台なしになってしまうからだ。


ハーフタイムにかんとくからよばれた。

びっくりしてかんとくの所へ行くと、交代の知らせだった。

すぐにジャージをぬいで、試合に出るじゅんびをした。


そして試合が始まると、やはり相手チームから「あの子女の子だ。」 という親の声がとびこんできた。

それだけではなかった。


相手チームのお母さんは、ふざけて 「体力あまってんのだれだー。」 とさけんだりして、わたしは気持ちが落ち込みそうになった。

でも、今回ばかりはがまんできない。

がんばっている人の足をひっぱるなんて、いかりがふつふつとわいてきてゆるせないと思った。


その時、ボールがコートの外へ出てしまった。


わたしが取りに行こうとしたら、相手チームのお母さんがボールを取ってくれた。わたしは怒りをこらえて、にっこりとして、 「ありがとうございます。」 と大きな声で言った。

その人もにっこりわらってくれた。

それからは、わたしにボールがわたっても、何も言われなくなった。

とてもうれしかった。


家に帰ってこの事を話すと、 「えらかったね。よくあんないやな事を言われていたのに『ありがとう』って言えたね。」 とほめられて、わたしはすごくうれしかった。


わたしは「ありがとう」は日本で一番美しい言葉だと思った。

「ありがとう」って言っただけで、相手の表じょうやこころが変わるような気がした。


わたしはこれからもサッカーを続けようと思っている。

また、女の子だからとバカにされたり、いやなことを言われたりするかもしれない。

けれど、今回の試合のことを思い出し、「ありがとう」の心をもって冷静に対応したいと思う。


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こちらはサッカーコンサルタントの幸野健一さんがTwitterへ投稿されたもので、知人の小学5年生の娘さんが書いた人権作文集の作文です。

幸野さんは「こんな気持ちになる環境を僕ら大人が本当に気を付けなくてはいけないです。」と語っています。


子どもたちが偏見などに邪魔されずやりたいことをやれて、「ありがとう」と誰かに言える環境を作りたいですね。


情報提供元: CuRAZY