娘は前からスケボーがしてみたいと言っていたんだけど、「男の子の遊びだから」ってできなかったの。
「そうじゃないんだよ」って娘に伝えるのは時間がかかったわ。
公園に連れ出したはいいものの、いざ、タバコを吸って騒ぎながらスケボーする少年たちを見たら、娘は帰りたいって言いだした。
本当はね、私もその場を去りたかったのよ。母親が出ていってあなたたちに説教するのはイヤだったし。
それでも帰らなかったのは、もう1つ伝えたいことがあったから。
誰が相手でも怖がる必要はないし、スケートボード場を使う権利はみんなにあるってことを知ってほしかった。
「お兄ちゃんたちばっかりだよ」と不安げな娘に、「だから?ここはあの子たちのものじゃないでしょ」って言ったわ。
あなたたちがスケボーでばんばん跳ぶ脇を、娘は一人で降りて行った。
2回か3回スケボーに乗った時かしら、あなたが娘に声をかけるのを見たのは。
私は「娘が遊んでなにが悪いの!」って説教する準備はできていたのよ。
でも、聞こえてきたのは「足が違うよ、教えてあげようか」って声だった。
その後1時間くらい、娘に付き合ってくれたわよね。娘の手をつないでくれて、危ないから跳び台からは離れてって言っているのも聞こえた。
私たちの地域コミュニティにあなたみたいな人がいてくれて、本当に嬉しく思うわ。友だちがからかう中、娘に優しく接してくれて本当にありがとう。
帰る頃の娘は、やりたいことは何でもできるんだって自信とプライドで溢れていたわ。
あなたのおかげよ。