注射の失敗を無くす静脈透過型医療機器『VeinViewer』誕生


きっと好きな人はいないであろう「注射」。

血管が薄い人などは、もしかすると注射に失敗されてしまうこともあったかもしれません。


そんな注射の中でも、難易度の高いと言われる「静脈穿刺(じょうみゃくせんし)」さえも失敗率0%にする機器が誕生しました。

それが近赤外線で静脈をリアルタイムで透過する機器『VeinViewer』です。



facebook.com/VeinViewer


患者の方の苦痛を和らげたい。静脈穿刺を


医師や看護師が行う処置の中で、静脈穿刺はもっとも痛みを伴うものの中の1つであると言われています。

その原因は「静脈がうまく見つからないことが多い」という現状にありました。



しかし、その一方で静脈穿刺は年間10億回も行われており、なんとか患者の方の苦痛を和らげられないかと、様々な医療機器開発チームがその手段を模索していました。

その中で開発されたのが、この『VeinViewer』だったのです。



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近赤外線を用いて深さ10mmまで透過する革命的な医療用機器


この『VeinViewer』の元となる技術は、テネシー大学健康科学センターの研究チームによって開発されました。

当初研究チームは、黄斑変性症(加齢による黄斑に障害が起こり、見たいものが見えなくなる症状)の研究を行っていましたが、その技術が静脈の可視性を向上させることを発見し、そちらの研究にシフト、開発に乗り出したのだそうです。



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この技術は、人体に無害な「近赤外線」を用いて、「深さ10mm以内の範囲にある静脈」を皮膚表面に映し出すことができます。

血液は光を吸収するため、静脈以外の周囲の組織がLEDプロジェクターによってグリーンに反射されて、血管の位置が視覚的に分かるという仕組みとなっています。



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そして、この技術が完成した後、医療機器メーカーのChristie Medical Holdings Incが臨床医向けに製品化するに至りました。


静脈穿刺の失敗をゼロにする4つの機能


この『VeinViewer』は、静脈穿刺の失敗をゼロにするために4つの機能が搭載されています。


機能1.ユニバーサルモード(基本モード)

基本のモードであり、このグリーンの背景に暗色で血管が表示されるようになっています。



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機能2.詳細モード

微細な構造を強調して映しだします。基本モードより情報量が多いため、小児患者やクモの巣状静脈の治療に適しています。



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機能3.サイズ変更モード

画像ウィンドウのサイズを3段階に調節できます。そのため、小児患者や乳幼児患者の細い手足を見るときに最適なモードです。



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機能4.反転モード

表示カラーが反転され、暗色の背景にグリーンの血管が表示されるようになるモードです。これにより、各患者に合わせた画像のカスタマイズができます。



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より正確な情報で、より適切な治療を


この製品が治験段階に入ってからの穿刺失敗率は0%患者満足度は「何度も注射をされなくて済む」などの理由から2倍以上にまで及んでいるそうです。

また、実はこの技術、静脈を可視化することで「一回で注射を終えられる」というメリットの他にも、「穿刺前・中・後」でそれぞれ利点があるのです。




「穿刺前」・・・静脈以外の情報(血管や静脈弁、分岐の位置)を見ることが出来るため、「どこに穿刺すればいいか」を的確に判断することが出来ます。

「穿刺中」・・・静脈の曲がり方やねじれ方といった追加情報をリアルタイムで視認することが出来ます。

「穿刺後」・・・静脈注射の開通性を実際に見て評価することができ、その後の薬剤投与を適切に行うことが出来ます。




また、静脈穿刺に伴う「静脈注射跡」で血液が漏れだす血腫を早期発見でき、浸潤などの合併症を未然に防ぐことも可能になるのです。


【使用映像】※出血する映像が含まれているため、血が苦手な方は閲覧に注意して下さい。





https://www.youtube.com/watch?v=gR1Zve3tRpw


VeinViewer IV Video - YouTube

現在は治験段階にあるこの製品ですが、今後は世界中に普及することを目指し、更にこの技術を他の治療にも応用するための研究開発も行っているそうです。

この製品の技術が、もっと広い分野で応用され、より多くの患者の方に適切な治療が出来るようになることを願ってやみません。


参照:christiemed.com/livescience.com


情報提供元: CuRAZY