4月1日より「働き方改革」の一環として、労働基準法39条の改正が実施される。この改正に、中小企業が「戦々恐々」だ。これが、実際に実施されると、会社が潰れてしまうという声が上がっている。一方で、これさえ守れない企業は、潰れてしまえ!という意見も出ており、ブラック企業対勤労者の構図も浮かび上がって来た。


今回は、勤労者の悲鳴にスポットを当てる。


思わぬ発言の波紋




中小企業「有給を付与したら潰れる」


それもう会社の体を成してないから潰れた方が世のためなのでは…


有給が義務化されると、「潰れちゃいます」と言われるという、ある社労士さんの発言が波紋を呼んでいる。この改正に関して、神奈川労働局を取材した。


神奈川労働局への取材


まず今回の法改正で、有給が取得出来る勤労者に対しては、最低5日以上、使用者が必ず与えなければならない。以前は、勤労者が請求すれば、使用者は与えなければならなかった。今回の改正で、勤労者からの請求が無くても、使用者は有給を与えなければならなくなった。


今の有給休暇のシステムは、正社員であれば半年勤務し、全労働日の8割以上勤務すれば、年間10日間の有給休暇の権利が与えられる。そして勤続6年半且つ全労働日の8割以上勤務で、有給休暇のMaxの20日が与えられる仕組みになっている。


その権利を持った従業員に対して、使用者は、請求が無くとも、自主的に最低5日以上の有給休暇を与えなければならないという形に、今回の法改正で変わる。


罰則規定も


この法律の実施から、1年以内に使用者は、従業員に有給休暇の予定を組んで、確実に取得させる必要がある。労働基準監督署がこれを監視し、守られなければ、その使用者に対して指導を行う。悪質なケースや指導を守らない場合は、罰金30万円の罰則が適用される。


ネットの反応








ブラック企業天国ニッポン



某大手保険会社の新人研修の実態を取材したことがある。挨拶、暗唱、限りなきロープレ、深夜までの居残り、怒鳴られる。それは、軍隊そのもので、洗脳の様相。そして、某大手進学塾の新人研修は、新人を泣くまで追い込み、それが深夜まで続いていた。こんなことが、未だに、大手企業で行われている。過労死があちこちの企業で起きているにも関わらずだ。


そして、日本のブラック企業の根本意識に「使い捨て感覚」が蔓延っている。使えない社員は、辞めさせてしまえ!といったような。この時代、そんな企業は、もう社会から淘汰されるべきだ。何者にも代えがたい、ひとの命を大切にしない企業が、社会的使命などを語る資格は無い。


掲載画像 いらすとや

情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 悲報!「有給義務化」で中小企業のとんでもない事実が発覚と話題に。労働局に聞いてみた。