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京都の一乗寺にある「恵文社」という書店でこの本を見つけました。235×330(mm)というサイズは大きくて、多くの書籍の中で存在感がありました。子供用の絵本だろうと思いながら手に取り表紙を開いてみました。表紙の裏側についているポケットには赤いセロファンが貼られたルーペが入っていました。それぞれのページに文章はあまりなく、赤と薄い水色の線が描かれているだけでした。「デザインの本かな?」などと考えながら、ルーペを使って本をのぞいてみました。このルーペが曲者でした。
表紙の裏のポケットには、こんな風にルーペが入っていました。無くしてしまわないように、ひもまでついています。このルーペを使うと、今まで見えていなかったものがくっきりと浮かび上がってきました。
この本は、赤いくちばしをもったルージュベックという名前の鳥が、世界中を回って見てきたものを読者に見せてくれという設定になっています。このページでは、ルージュベックは男の人の帽子の上に止まっています。
写真を見るとわかるように、赤い線ははっきりと見えるのですが、赤い線の中に描かれている水色の線はうっすらとしか見えません。男の人が水を撒いているあたりを大きくしてみましょう。
男の人の周りに、水色で描かれた木のようなものが見えています。土の中にも水色の線がありますが、こちらは何の絵かはよくわかりません。さっそく、ルーペを使って絵を見てみましょう。
赤いルーペを使って絵を見ると、なんと水色の線で描かれているものがはっきりと浮かび上がってきました。心の中で、「えっ、なにこれ?」と思わず叫んでしまいました。木の下にはジャガイモのようなものがたくさんできています。そして、それをとっている人がいます。内緒でとっているように見えますが、本当のところはわかりません
土の中にはモグラがいたり、ほうきやじょうろが埋まっていたり、赤い線が目立っていた時には見えなかったものがたくさん見えてきます。とても楽しいです。
ページをめくるとこんな絵が描かれていました。これは見開き2ページ分の絵ではありません、一部分だけを撮影しました。このページも赤い線ははっきりと見えますが、水色の線ははっきりとしません。でも、ルーペを覗くと...。
ルーペの向こう側には、こんな絵が描かれていました。
別のページには文字がたくさん書かれています。しかし、文字は水色で書かれているので、ルーペを使わないとはっきりとした文字としては認識できません。文字は後回しにして、木の中に描かれているものを見てみましょう。木の中ですから、何となく想像できてしまいますけれどもね。
木の中にはたくさんの鳥たちがいました。この鳥たちもルージュベックと同じように、色々な場所を見てきたのでしょうね。ルーペで覗くことができる範囲は狭いので、一度に全部の鳥を見ることはできませんが、ルーペを動かしながら見ると次々と別の鳥たちを見ることができます。
書店でこの本を見つけた時には「子供用の絵本」と思いましたが、大人でも楽しむことができる絵本でした。ちょっと疲れてしまったときに開いてみるとホッとできるかもしれません。
書籍名:「ルージュベックのだいぼうけん」 235×330(mm)
著 者:アガット・デモワ ヴァンサン・ゴド- 訳:うちだ さやこ
定 価:1900円(税別)
出版元:アノニマ・スタジオ|中央出版株式会社
出版元URL:https://www.anonima-studio.com/books/picture_book/la-grande-traversee/
絵本は子供だけではなく、大人でも楽しむことができます。むしろ、大人になってからの方がより深く楽しむことができるかもしれません.。絵本ではありませんが、このパズル本に隠された衝撃的な事実が意外過ぎる! という本にも意外な仕掛けが隠されていていました。