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「あんなこといいな、できたらいいな」は日本人なら誰でも知っているであろう「ドラえもんのうた」の有名なワンフレーズです。ドラえもんのひみつ道具は、この世の中にはないけれどあったらすごいものばかりですよね。laniusさん(@lanius)が制作されたおもちゃ箱も、まさにドラえもんのひみつ道具のようなのです。脚の生えたおもちゃ箱が歩き、お子さんがおもちゃを片付けられている動画が多くの人を釘付けにしています。

話題のツイート

この動画のように歩き回るおもちゃ箱があったら、子供は喜んで片付けてくれそうです。

途中、おもちゃ箱が屈伸するような楽しい動きもあり、生きているペットのようです。一家に一台欲しい作品ですね。家中いつもキレイに片付いている状態になりそうです。

ツイートのリプ欄には「我が家にも欲しい。子供が片付け苦手だから」「かわいいペットみたいです」「子供と戯れるような動きをするのがいいですね」

「すごーい!感動しました。あかちゃんにひっぱられて「やめて~」って逃げてる感じがツボりました。」「バイキンマンの発明品っぽくてかっこいい。」などの声が続々と寄せられ、注目の高さが伺えます。

そこで投稿主であるlaniusさんにお話を伺いました。

制作秘話を聞いた

image:lanius(@lanius)

■IT企業でエンジニアとしてご勤務されているとお聞きしておりますが、作品を作られたきっかけを教えてください。

もともと「心がある」と感じられるような人工物を作りたいと思っていました。

 

最初は簡単なデジタル生物やペットロボットを作ったり遊んだりしていたのですが、毎回飽きて使わなくなってしまいました。

 

あるとき、これは人工物に愛着や「心がある」と感じないから使わなくなるのではなく、使わないから心を感じるようにならないのではないかと思うようになりました。

 

そこで、飽きに関係なく、日常で使い続けられるような、生活の役に立つ人工物を作ろうと思ったのがきっかけです。

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■どのように作られているのですか?また、制作時に難しかったところも教えてください。

動かしたい家具や家電に目星をつけて、そこに接続できるような脚を設計・開発しています。

 

本体との接続部品や脚の構造部分などオリジナルのパーツはコンピューターでデザインして3Dプリントし、市販のモーターと組み合わせて使っています。小型のコンピューターがすべての脚とつながっていて動きを指示するようになっています。

 

脚には大きな負荷がかかるので、途中で壊れてしまったり、思うように歩けなかったり、適した形になるまで試行錯誤しました。モーターの種類も含めて何度か大きく作り変えています。

 

こだわっている点としては、「動く家具・家電」として、もともと持っている形や機能を活かして、なるべく最小限の工夫で生活の役に立つシーンがイメージできるものを作ることです。

 

慣れない「ロボット」を新たに導入するのではなく、日常の中にすでにあるものが気を利かせてくれることで生活が豊かになるほうが、使い続けるハードルが低いのではないかと考えています。

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■アイデアはどういった場面でひらめくのでしょうか?

「生活の中で普段動かないものが動くことによって便利になるシーンはないだろうか」といつも考えています。

 

部屋の中や家具・家電屋さんにあるものは常にそういう視点で見るようにしています。

■お子様達は、この作品を喜んでいますか?また、お片付けするシーンは増えましたか?

喜んでいると思います。まだ開発中なので子ども部屋で常に稼働しているわけではないのですが、出してくると「(おもちゃ箱と)遊びたーい」と言って中におもちゃを入れたがります。

 

通常のおもちゃ箱を使って片付ける頻度は特に変わりません。

■ご投稿に対してとても反響が大きいですが、今はどんな心境ですか?

賛否含めていろいろな反応をいただけるのが楽しいです。

 

わたし自身が「こういうものが家にあったらいいのに」と考えて作ったものなので、「かわいい」「ほしい」などポジティブな感想に対しては「やっぱりそうだよね!」と嬉しく思います。

 

また「わたしだったら〇〇を動かしたい」といったアイデアをコメントいただけるのは非常に刺激的です。

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■今後作られたい作品や夢などがあれば教えてください。

身の回りにあって動いたら便利そうなものは、何でも動かしてみようと思っています。

 

動いて人の役に立つ家具・家電があふれる便利で楽しい家で暮らすのが夢です。

laniusさん、たくさんのお話ありがとうございました。

着目点や発想が見事ですね。日常生活の中で「動く家具・家電」のアイデアが湧き出て、それを造形されるのは高い技術と知識が必要でしょう。素晴らしいです。

laniusさんのTwitterには今回のおもちゃ箱の他、踏み台、スマホ充電器、ドライヤー、枕、ティッシュ箱などにも脚が生えた作品も登場し、laniusさんの日常生活を彩られています。ぜひ、素敵な作品の数々をTwitter(@lanius)でご覧くださいね。今後の作品も心待ちにしています。

laniusさんもアイデアが豊富ですが、まるで本物のマグロを捌いているかのような、イラストパンにも驚かされました。アイデアを形にするのはとても難しいと思いますが、多くの方の心もその作品に惹きつけられます。これからもあっと驚くような作品を目にするのが楽しみです。

Source:lanius(@lanius)

情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 脚の生えた「歩くおもちゃ箱」がまるでドラえもんのひみつ道具のよう!制作秘話を聞いた