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数日前、シンガーソングライター中村慎吾さんの投稿したツイートが非常に大きな注目を集めました。それは、ライブの依頼ではあるものの、メッセージ内容があまりに衝撃的なものだったため、大きな関心を集めたのです。このような形での拡散は本意ではなかったとのことですが、投稿者である中村慎吾さんからいろいろなお話を聞けたので、順を追って今回の話題について説明していきます。
話題になっているのはこちらのツイートです。
年に何度かこういうお誘いがくる。その度に僕が間違ってるのかな..とも思う。 pic.twitter.com/Jlo0ywqW5m
—中村慎吾@2020.11.21(土)T.O.P.S Bitts HALL (@n_shingo1106) October 13, 2020
投稿しているのはシンガーソングライターの中村慎吾さんです。ミュージシャンとしてだけではなくラジオパーソナリティーとしても活躍する中村さん。
内容はある仕事の依頼に関するDMであり、SNSを通じて仕事の依頼をされること自体は自然です。しかし、届いたDMの衝撃的な内容に大きな注目が集まることとなりました。
というのも、先方に報酬やイベント概要を確認している中村さんに対し、「無償でやってほしい」「イベントの概要?私のイベントです」「底辺界隈で頑張ってください」など、思わず読み間違いかと疑ってしまうほどの返信が続いているためです。
終始、中村さんは紳士的な対応を取っていますが、モラルに欠けたメッセージに対しネット上では中村さんの意に反し、大きな反響が寄せられることとなりました。
中村さんに本件の話を伺ったところ、「ここまで厳しいことを言われるケースは珍しい」としたうえで、”無償で・ボランティアと思って”という旨の提案をされることは年間に何度かあるそう。
また、業界ならではの難しさもあるようで、エンタメ業界でフリーで活動するミュージシャンの中には、”歌える場を与えてくれるだけでありがたい”と感じ、対価としての報酬を求める価値観がない人も珍しくはないそうで、その観点から見ればプロとしての対価を求める中村さんが非を見られるケースもあるとのことです。
また、中村さんのように事務所を通さず個人事業主として活動しているミュージシャンは、当然ながら報酬を含む交渉もすべて自身で行う必要があります。その中で先方に十分な理解を得られないことも少なくないそうです。
加えて、そうした中で中村さんは「自身の対応に不適切な部分があるのか、(先方と)そもそもの価値観に相違があるのか、悩んでしまいます」と述べられ、最後に「僕が間違っているのかな…と考えることも多々あります」とのことでした。
プロである以上、依頼に対し正当な報酬を求めることは当然と考えるのが一般的かと思われます。しかし、現に無償の依頼を受けるミュージシャンもいる以上、自身の考えが正しいものなのか、中村さんの悩みはDMのやり取りだけでは想像できないほどに深いものであるようです。
付け加えるのであれば、今回のDMの相手に関しては、音楽関係の共通の知人の可能性もあったため、周囲への影響を考えれば無下にするわけにもいかなかった、というツイートだけではわからない複雑な背景があったのですからなおさらでしょう。
また、これらは報酬を含めたすべての管理を自身で行わなければならない、個人事業主の悩みとも言えるかもしれません。
もちろん、中村さんの悩みが解決するというわけではないかもしれません。しかし、SNS上では「中村さんは間違っていません」など、ファンを中心に励ましの声が多く寄せられています。
外から失礼!
写真家の私も年に数回の割合で撮影や写真修正を『適当で良いからタダで』と依頼されて、断ると逆ギレされてます
この手の人には理解を求めても無駄なんですよね………—ヒロ大儀見 (@hiro_ogimi) October 13, 2020
この手のツイート(プロに無償で依頼するDM)をここ数日でいくつか見たんですが、流行ってるのかな?
—よりこ
がんばらない (@mintorazi) October 13, 2020
また、驚くことに寄せられているコメントの中には「類似のメールが来たことがある」という経験を持つ人も、多く見られるのです。今回の問題は、ミュージシャンに限らず、何かしらのプロ・専門家として働く多くの職業でぶつかる問題なのかもしれません。
今回の話題、中村さんのように同業者への影響やかかわりを考える人にとっては非常に難しい問題であり、一概に”こうするのが正しい”、と言える問題ではないのでしょう。
しかし、少なくともプロとして活動している以上、適正な報酬を求めるのはやはり正しいのではと考えてしまいます。また、仕事を受ける側、仕事を依頼する側、双方が双方に対して最低限の礼節を持って接するべきではないかとも思えてなりません。
少なくとも、中村さんのHPやSNS等を少し見ればライブやリリースされたCD等の情報を確認できます。事前情報がなかったとしてもプロのアーティストであることは容易に理解できるはずです。
また、このような形での拡散は本意ではなかったにもかかわらず、今回は快く詳しい背景まで教えていただけました。
また中村さんとしては、今回のことを通し、「改めてネットの良いところだけではなく、恐い部分を感じました」とのことで、意図しない形での投稿の拡がりに心配を抱いた点もあるようです。そのうえで、「励ましのメッセージをくれたファンや、現場での人とのかかわりをこれまで以上に大切にしたいという考えが強まりました」と前向きに話してくれました。
今回のことも含め、真剣に悩みを話してくれた中村慎吾さん。そんな同氏の今後より一層の活躍を期待したいと思います。
自営業の人で言えば持続化給付金の話題もいろいろな意味で注目されていますね。
大分県臼杵市出身シンガーソングライター
高校の文化祭でモテたい一心で始めたギター。大分駅前地下道で路上ライブを見て刺激を受け、ステージに立ちたくなるが、一人で活動をする勇気がなかった為、実弟に無理やりお年玉でギターを買わせ兄弟デュオ かぼす(Guitar/Vocal)として音楽活動開始。かぼすでの活動を経て、2012年よりソロ活動開始。誰にも似ていない特徴的な心に響かせる歌声と、 “魂で歌う”等身大の真っすぐな言葉で背中をそっと押す曲を歌う。現在までのALBUM、SINGLEは手売総売上8000枚突破。
2017年夏より活動拠点を東京から大分に移し、ライブハウスというフィールドだけに捉われず、音楽にあまり触れる機会の無い方々にも親しんでいただけるような活動の分野を拡げ、サポーターでもある大分トリニータの試合前イベントやOFFICIAL MAGAZINE「Winnning GOAL」コーナー担当、ラジオパーソナリティー担当、大分の文化やスポーツに「音楽」を通じて、地元大分の発展に貢献することを目標に掲げている。
中村慎吾-「心臓」
中村慎吾-「ラブソング」
source:中村慎吾 オフィシャルサイト