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紺色の背景の中に白い円と赤い点が25個ずつ描かれています。白い円も赤い点も、何の規則性もなく適当に描かれているように見えます。確かに白い円の方は、何の規則もなくランダムに描かれています。しかし、赤い点の方はというと、ただ1個の点を除けば、残りのすべての点は縦向きか横向きの直線上に描かれています。あなたは、赤い点に定規などを当ててみることなく、直線上に描かれていない点を見つけることができるでしょうか。
下の図には赤い点が16個描かれています。そして、それらの点は縦向きの直線と横向きの直線の上にきれいに並んでします。最初にご覧になった図の中に描かれている25個の赤い点のうち、24個は下の図のように規則正しく並んでいます。しかし、1個の赤い点だけが縦向きの直線上にも横向きの直線上にもありません。
すべての点がランダムに描かれているかのように見えるのは、あなたの脳ミソが錯覚を起こしているからです。最初の図には直線が描かれているわけではありませんから、赤い点が直線上にあるかどうかを確かめることができません。
さらに、赤い点は白い円の中に描かれています。白い円の中心は直線上に並んではいません。このランダムに配置されている白い円を見てしまうことにより、まるで赤い点も色々な位置に配置されているかように見えているのです。
2本の黄色い直線をひきました。白い円が描かれている影響で、赤い点は、やはり上下左右にずれているように見えますが、9個の赤い点は確かに直線上にあります。
錯覚の原因となっている白い円を取り去ると、黄色い直線がなくても、9個の赤い点が直線上に並んでいることがはっきりとわかります。9個の白い円と直線を取り去ってみましょう。
いかがでしょうか。錯覚の原因となっていた白い円がなくなると、赤い点はまっすぐに並んでいることがわかります。白い円の影響の大きさがわかりますね。
白い円の中に描かれている点は、あと16個あります。この16個の点の中に、直線上にはない赤い点が1個だけあるのです。画面に定規などを当てたりしないで、その1個の点を言い当てることができるでしょうか。図をよく見て、これだという点を頭の中に入れて下さい。では、すべての白い円を取り去ってみましょう。
白い円をすべて取ってしまいました。赤い点はこんなにもきれいに並んでいたのです。でも、1個だけは列を乱しています。あなたが、「これだ!」と思った点と一致していましたか。
もう少しわかりやすくしてみましょう。
矢印の先にある赤い点が直線上に並んでいなかった点です。わかりやすくするために、縦向きと横向きに直線をひきました。
赤い点が白い円の中にあるだけで、私たちは赤い点の位置を正確にとらえることができなくなってしまいます。もしかすると、私たちが何気なく見ているものの中にも、錯覚と気づかずに真実だと思っているものがあるかもしれませんね。
私たちが目の前にあるものを見る時、それをどのように見るのかを判断するのは脳ミソです。錯覚を起こしてしまう絵や図は、脳ミソが錯覚を起こすように考えて作られています。時には錯覚を楽しんでみるのも良いかもしれません。描かれている直線の長さや円の大きさが違って見える という錯視図もありました。