image:オダカマサキ【オドンガー大佐】(@odonger2)

般若といえば、女性の嫉妬と恨みを表現した怨霊の能面の一種。角や鋭い目などが特徴的ですよね。そんな般若ですが、Twitterにて、オダカマサキ【オドンガー大佐】(@odonger2)さんがご投稿した「般若」が話題を集めています。それはダンボールを捏ねて制作しているようですが、ダンボールでどのように制作されているとは皆目見当もつかない、圧巻の作品なのです。その般若の作品は、一目見たら、誰しも心奪われるほどの圧倒的な存在感を放っています。

ダンボールで制作された般若の作品がすごい!

「ダンボールを1枚目の様に切り出し、捏ねてベースを作り目、耳、歯、角等を接着すると般若になります」という一言と共に、般若の作品が掲載されたツイートを発見しました!まるで、木彫りしたかのような質感に感じられ、とてもダンボールとは信じ難い作品です。また、ダンボールを捏ねて成形されているようですが、一体どのように!?と、興味をかきたてられますよね。

ツイートのリプ欄には、平面のダンボールがどうやって、立体的な般若になるのか構造が分からない……といったあまりのすごさに驚かれる声が寄せられ、熱視線を集めています。

・元の紙からこうなるって、何が何だかよくわりません……すごい技術ですね!般若カッコいいです。

・……んん?!全然繋がりません。なんで?

・僕の頭の中では、左から右には決してならないのであった。

制作者さんインタビュー

image:オダカマサキ【オドンガー大佐】(@odonger2)

■プロフィールを教えてください

ーーダンボールアーティストのオダカマサキと申します。ダンボールをアルコールで湿らせて、綺麗な曲面やディティールを造形する「捏ねる」技法を得意とし、幻獣や身近な生き物をモチーフにダンボールの限界を超える造形を追究しています。

自身の造形作品制作・発表だけでなく、息子をきっかけに始めた工作の楽しさを、書籍やワークショップを通して子供達に伝える活動に注力しています。本業はサラリーマンです。

■段ボールアートを始められたきっかけは?

ーー7年前、家にダンボールが沢山有って、息子と工作をはじめたのがきっかけです。週末に色々作りながら、段々と作るモノが高度化しました。幼稚園のハロウィンイベントの前の夜に、「明日ドラゴンを被って行きたい!」と言われ、疲れていたので「パパごめんなさいしてもいいかな?」と息子に話すと、「パパはいつもやる前から諦めちゃ駄目だって言うのに、パパは諦めていいの?」と言われ、徹夜で仕上げて納品しました。折角作ったのでSNSにアップするようになり、企業様からのご依頼や作品展示のお誘いをいただき、今日に至ります。

■今まで何作品くらい制作されてきましたか?

ーー大きな作品は50点くらい、小さな作品は分かりません(笑 )

■般若の作品ですが、どのように作られているのでしょうか?

ーー作品を作るときは「Gフルート」という0.8ミリ厚の、薄いダンボールを使っています。中の並々が細かく入っているため、通販等で使う3ミリ厚のダンボールより、加工しやすく、解像度の高い造形が可能です。顔のベースはGフルートからハサミとカッターを使い、上下二枚のパーツを切り出し、アルコールで湿らせてから手で「捏ねて」造形していきます。

少ないパーツを捏ねて複雑な形状に変形させていくため、継ぎ目の少ない滑らかな形状を造形できます。捏ねる時は手とスパチュラ(粘土ベラ)、ピンセット等を使います。湿らせ捏ねた後、乾かすときに形状が固定されるため、専用の食器乾燥機に入れて乾かします。ベースの形状が出来たら、目、耳、歯、角も同様に捏ねて造形し、グルーガンでしっかり接着をして完成です。 般若の造形に掛かるのは、試作を含めて10時間くらいかかりました。

image:オダカマサキ【オドンガー大佐】(@odonger2)

■段ボールアートの魅力とは?

ーーダンボールは世界中どこでも手に入る、加工のしやすい素材です。元々物流用の素材のため、軽くとても丈夫。元々家に有り、カッターやハサミで簡単に切れ、ボンド等での接着が容易なため、誰でもはじめやすいのが一番の魅力ですね。通販をすると材料が供給される、工作のプラットフォームと言っても過言ではありません。

また、そのまま使う、潰して使う、剥がして使うなど、1枚の紙から様々な厚みを使い分けられるのが、他の紙に対して最大の特長です。

■作品を作る際でこだわられているところは?

ーー僕の作品は少ないパーツで、滑らかな曲面を作るパーツの組合せを工夫して、着色せず影で彩るこの2点にこだわっているので、そこを見て欲しいです。

■ご投稿に対していいねやリツイートされるなど、反響がありますがどのような心境ですか?

ーー見てくださった方が「面白そうだな!家にダンボール有るしやってみようかな!」と、ダンボール工作を初めていただけたら嬉しいですね。

image:オダカマサキ【オドンガー大佐】(@odonger2)

■今後の夢、制作してみたい作品などあれば教えてください

ーー工作が得意な子がヒーローになれる世界を作りたいと思い、ダンボールアートを知っていただくために、企業様のお仕事、メディア出演、個展やグループ展、ワークショップ、書籍の執筆等の活動をしています。

2020年に「オダカマサキ ダンボールアートワークス」という作品集とダンボールの加工の仕方、5作品の作り方を紹介した書籍を出版し、現在「オダカマサキ ダンボールアートワークス2」を執筆中です。 この本を携え、日本中、出来たら世界中の子供たちと一緒に工作を出来たら素敵だなと思っています。

世界中の子供たちとダンボール工作を通じて、心がひとつに繋がれたらと思うとワクワクします。秒刊SUNDAYも夢の実現を応援しています!今後もオダカさんの益々のご活躍から目が離せませんね。

般若といえば、般若心境はラスサビ3回を繰り返すだけで、読経完了するというライフハックも驚かされますよ。

取材協力:オダカマサキ【オドンガー大佐】(@odonger2)

情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 ダンボールを捏ねて制作した「般若作品」が超絶カッコいい!制作者に話を聞いた