縦×横×高さが32×32×16(cm)の少し古めかしい感じの箱を上から見てみました。蓋には「漆器七巧桌」と印刷された紙が貼られています。漆器ではあるらしいのですが、それ以外の意味は分かりません。ただ、中国製のものであるということだけはわかっています。一体、この箱の中には何が入っているのでしょうか。

箱の側面はこのようになっています。蓋が開かないようにするためのパーツは象牙のようにも見えますが定かではありません。持ち上げるには少しばかり力が必要です。軽くはありません。まず、蓋を開けてみましょう。


蓋を開けてみました。三角形の形をしたものが5個、正方形と平行四辺形の形をしたものが1個ずつ、合計7個の漆器?のようなものが詰められています。この形どこかで見たことがあるような気がしませんか?とりあえず、これら7個の漆器のようなものを取り出してみましょう。


7個を取り出してみました。高価なもののように見えます。箱の蓋に貼られていた文字のうちの5文字目は「たく」と読みます。この漢字はJIS第4水準の漢字であまり見かけない漢字ですが、「テーブル」や「机」という意味があるようです。しかし、この箱の大きさからするとテーブルとしては使えないような気がします。

「七巧」というのは、中国では「タングラム」を意味しているそうです。タングラムは中国で考え出され、後にヨーロッパへと伝えられました。今では、世界中でよく知られているパズルのひとつです。インターネットで「七巧」と検索すると、中国語のページが次々と現れます。

この箱よりもずっと小さくなりますが、多くの方はこちらの7つのパーツが入ったパズルは見たことがあるのではないでしょうか。旅館などにも置かれていることがあるようです。


旅館の部屋にこんなパズルが置かれているのを見たことはありませんか。箱の中には7個の木片が詰められています。箱は1辺がおよそ13cmの正方形です。これらを箱の中から出してみましょう。


このような7個の木片です。この7個の木片は、先ほどの大きな箱に入っていた7個のパーツと同じ形をしています。あの大きな箱に入っているパーツも、パズルとして楽しむのでしょうか。テーブルにするには小さめですが、テーブルの上に置いてパズルとして楽しむことはできそうです。

ところで、タングラムというのはどのようにして遊ぶのでしょうか。


上のようなシルエットを与えられたとき、7個のパーツを組み合わせてシルエットと同じ形を作るというのがタングラムの遊び方です。シルエットを見せられた瞬間には、簡単にできるように思うのですが、実際はそれほど簡単ではありません。あなたは、7個のパーツを使って、この形を作ることができますか。


-こんな風に7個のパーツを並べます


7個のパーツを上のように並べると、シルエットと同じ形を作ることができます。7個のパーツに裏表はないので、それぞれのパーツは裏返しにして使うことができます。


大きな箱に入っていた7個のパーツででも同じ形を作ることができました。でも、なにか変ですね。1個だけひっくり返っています。そうなんです。小さい方のパーツはひっくり返して使うことができるのですが、大きな箱に入っている方のパーツは、面になっているのは上側だけなので、ひっくり返して使うとこんな風になってしまいます。


左右をひっくり返すと、パーツをひっくり返さなくても白鳥を作ることができます。


-大きな箱の中身の正体は...。

タングラムとして遊ぶことができます。また、小物を置くテーブルとしても使うことができそうです。7個のパーツの組み合わせ方を変えることによって、色々なデザインのテーブルとしても楽しむことができそうです。

タングラムで、与えられたシルエットと同じ形を作るのは簡単ではありません。しかし、なぜか次々と挑戦したくなってしまいます。逆の思考回路になりますが、折り紙を5回折りたたんで切った時にどのような形が現れるか考える のも面白いのではないでしょうか。
情報提供元: 秒刊SUNDAY
記事名:「 かなりの貴重品か?箱の中に入っている品物の正体を調べてみた結果!