60歳のロバート。彼は慢性腎臓病を患っており、週に3日は透析治療のため通院していた。
慢性腎臓病は決して珍しい病気ではない。日本にはすでに1,300万人以上の患者がいるといわれており、新たな国民病とも言われている。
彼は5人の子供を持つシングルファーザー。自分の子供達のためにも、長生きがしたい。彼は3年もの間腎臓の提供者を待っていた。
ある夏休みのこと、子供たちとディズニーランドに行った彼は、「腎臓が必要です。血液型は0プラス」というメッセージと電話番号が書かれた手製のTシャツを着ていた。
「1人、たった1人でもこのメッセージに反応してくれる人がいて、その人が私と同じ血液型だったら。そう思ったらこのTシャツを35ドル(約3,800円)で作る価値はあると思ったんです」
ディズニーランドでこのTシャツを着たロバートに偶然会った心優しき夫婦、ロシオとフォアンはすぐに彼の写真を撮って、この写真をFacebookに投稿してよいか聞いてきた。もちろんロバートは快諾。
すると1週間でなんと9万ものシェアとなり、ロバートがディズニーランドにいた3日間、電話が鳴りやむことがなかった。
そして見つかった腎臓の提供者は、2人の子供の父親で39歳、このFacebookのシェアを見た1人だった。
「腎臓は2つあるからね、ただ、2つもいらなかっただけだよ」
リッチーはそう言った。
ニューヨーク、マンハッタンの病院で行われた腎臓移植。ロバートもリッチーも術後の経過は順調とのこと。
「どんな言葉でも、この感謝の言葉は言い表せません」とロバート。
ロバートは自分の言葉をSNSで広めてくれたロシアとフォアン、そして命の恩人であるリッチーをディズニーランドに招いてお祝いをしようと計画している。
父親の執念とディズニーのマジック、そしてSNSの偉大な力が起こした奇跡と呼べるだろう。
・ すごくいい話だけど、移植を待っている人のためのシステムがもっと良くなるべきだと思う。
・ オランダでは腎臓移植をかけて争うテレビ番組があるよ。
・ 40,000ドルだったら、腎臓売ってもいい。
・ 確かに2つもいらないかもしれないけれど、知り合いに腎臓くれっていうのはかなり勇気いるよ。
・ 僕は23歳で慢性腎臓病だよ。このアイディアもらいたい!彼のように提供者が現れてくれればうれしい。
・ 自分が生きるために腎臓が確かにほしいけれど、ドナーが亡くなったりしないか怖くて決断できない。
・ 良かったね!私の父もはやく提供者が見つかってほしい。もっとたくさんの人が助け合う世の中になってほしい。
・ マッチする人を探すのもかなり大変らしい。
・ 私の弟はずっと私に腎臓提供してほしいとは言わなかった。とても頼めなかったと言っていたけど、私はその話を聞いて1秒で提供しようと決めたよ。