医師として出発し、満鉄・南満州鉄道の初代総裁などを経て関東大震災後の東京の復興に多大な貢献をした政治家、後藤新平を顕彰する「後藤新平賞」に発展途上国における災害医療で活躍する救命救急医が選ばれ、授賞式が行われました。
 「(災害医療で貢献できる)国際人というのは、やはり何を飲んでも何を食べても下痢をしない、ただ一点だけ。他は何もいらない」(山本保博氏)

 受賞したのは、東京曳舟病院長で日本医科大学名誉教授の山本保博さん(75)です。40年以上にわたる、国際緊急救助活動や発展途上国での救急医療態勢確立への貢献などが評価されました。

 受賞記念講演の中で山本さんは、スマトラや、カメルーン、イランなどでの国際緊急救助活動を例に、国境や政治・宗教など5つの壁について語りました。中でも、カンボジア難民の支援活動が本邦での国際緊急救助活動のさきがけとなったことや、1984年のエチオピア大飢饉で見聞きしたことが、その後の国際医療貢献のあり方を考える、貴重な体験になったとしました。

 「近所の人がいっぱい来て、ワンワンみんな泣いておりました。なんで泣いているのと通訳に話を聞きますと、『おまえさんは、何で(大飢饉で100万人もの命が奪われるという)こんなに辛い世の中に生まれてきたのか』ということで、みなさん泣いておりました」(山本保博氏)

 山本さんは、5つの壁を乗り越えるためには自分の中にある「心の壁」を打ち破ることが必要だとしたうえで、私たちは今後、同じ地球に暮らす市民であるという認識で国際貢献に臨むべきだと強調しました。

 「(国際医療協力において)我々は『地球号』の一員として同じボートに乗っていて、同じ目線で物事を見なきゃいけないというのがあるのだろうという気がします」(山本保博氏)
(16日22:12)