中国で大歓迎を受けたアメリカのトランプ大統領が人権問題に沈黙する中、中国当局に拘束されている人権派弁護士の妻は外出すら阻まれていたことがわかりました。
 今月8日、中国を訪れていたトランプ大統領は習近平国家主席から“国賓以上”のもてなしを受け、満面の笑みを浮かべていました。その同じ日、北京市内では・・・

 「何やってるの?」(李文足さん)

 階段の踊り場を無言で占拠する数人の男女。実はすべて、私服の警察官です。

 「あなたたちは何の権利があって、私の自由を制限するの?」(李文足さん)

 声の主は李文足さん。夫の人権派弁護士・王全璋さんは、おととしの7月に突然、『国家政権転覆』の容疑で拘束されました。夫の解放を訴え続ける李さんには、常に警察の監視がついていますが、この日は家を出ることさえ阻まれました。

 「どいて!こんなにずうずうしい人見たことない」(李文足さん)
 「おまえこそ!」

 世界が注目するイベントの際、中国政府はよく人権活動家などを自宅軟禁状態にするか、地方に連れ出します。外国メディアなどと接触することを恐れての措置とみられます。

 「あなたに対する私の思いはとても温かい。相性は抜群だ」(アメリカ トランプ大統領)

 これまで、世界中の人権問題にモノを言う存在だったアメリカの大統領。しかし、今回のアジア歴訪中、トランプ大統領が人権問題を正面から批判したことは一度もありませんでした。過去に何度も拘束された人権派弁護士は、こう、失望を露わにしました。

 「トランプは利益だけを大事にする商人です。アメリカが彼を大統領として選んだことは、世界各国の人権問題に対して無責任なことです」(中国の人権派弁護士)

 “自由と民主主義の番人”として世界に目を光らせてきたアメリカの変化は、人権侵害に苦しむ多くの人々を孤立させています。(15日14:45)