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 フィリピンで開かれていたASEAN=東南アジア諸国連合の外相会議は8日閉幕しました。北朝鮮への対応に注目が集まるなか、領有権争いが続く南シナ海問題の議論は中国ペースで進みました。
 6日に開かれた中国とASEANの外相会議で、南シナ海問題の解決に向けたルール、「行動規範」の枠組み案が承認されました。武力行使を自制する、これまでのルールに実効性を持たせるものですが、ASEAN側が求めていた「法的拘束力」が明記されませんでした。中国の意向に沿った形です。

 「11か国が調印したものなら、皆が責任を取って守らないといけない」(中国 王毅 外相)

 議長国フィリピンの意向も反映されました。反中国の急先鋒でしたが、ドゥテルテ政権の誕生で中国寄りの方針に傾いています。

 「マニラ中心部です。街のいたるところで建設工事が行われていて、金づちで金属をたたきつける音が街中に響き渡っています」(記者)

 フィリピンで始まった経済政策「ドゥテルテノミクス」。交通渋滞を解消するための道路、地下鉄などのインフラ整備が柱で、中国から取り付けた2兆6000億円の経済支援が活用されます。マニラの街では中国製のバスが目立つようになりました。中国へのバナナ輸出も再開され、最大の輸出相手国となりました。

 また、去年11月には中国側の支援で1万人収容の薬物中毒患者の更生施設もできるなど、中国は経済力でASEAN諸国の取り込みを進めています。

 「(経済協力は)いいと思います。人々を助けます」(マニラ市民)
 「南シナ海は我々のものです。中国のものではなくフィリピンの領土です」(マニラ市民)

 南シナ海のルール、「行動規範」はこれから条文が作られますが、実効性がなければ中国の南シナ海進出に歯止めがかからなくなる恐れがあり、今後の議論に注目が集まります。(09日01:02)