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パンマニアが教える「こんなところに!?」なパン屋 神奈川3選+番外編




はじめに


観光地を巡る以外にも、身近なところでも旅気分は味わえます。たとえば「こんなところにお店が!?」という発見もひとつの旅です。今回は、そんなちょっとびっくりしてしまう場所にあるパン屋さんをパンマニアの片山智香子さんに伺いました。

Text&Photo:片山智香子(旅するパンマニア)
海絶景に出合えるパン屋さん「麦焼処 麦踏」(小田原)

海絶景に出合えるパン屋さん「麦焼処 麦踏」(小田原)


麦焼処 麦踏はハッキリいって不便な場所にある。運転できるのであれば車、あるいは近隣の駅からバスかタクシーを利用した方が行きやすいのではあるが、体力に自信があり、少し無理してでも絶景を見ながら行きたい! という方にはJR東海道線の根府川駅から徒歩で行くルートをおすすめしたい。山道なので基本上り坂、舗装はされているけれど人通りはほとんどなく汗だく必至ではあるが、山から眺める空と一体化した海を独り占めできるのは何物にも代え難い贅沢だ。
時間にして30分くらい歩くと大きな通りに面した麦踏が見えてくる。ここは豊臣秀吉が千利休に命じて設けた茶室「天正庵」の跡地を改装しており店構えもかなり特徴的なのだが、特筆したいのはそれだけではない。
この店のパンに使用する小麦粉は、南足柄の「きんたろう小麦」を自家栽培しているということ(収穫がない時期は秦野産「ゆめかおり」を使用)食べる前からパンの香りが全然違うのだ。その中でも片浦レモンのクリームチーズ(写真左下)は生地がそれほどハードでなく老若男女が食べやすいかたさ。レモンの香り、優しい酸味、それでいて生地から感じるほのかな甘みが最高に美味しい。暑い夏にぴったりで、是非とも縁側でやさしい風を感じながら食べて頂きたい一品。
◆麦焼処 麦踏
住所:神奈川県小田原市江の浦307
電話:0465-43-7922
営業時間:10:00~19:00(売り切れ次第閉店)
定休日:火曜日・不定休 昭和レトロな商店街に現れるお洒落なフルーツサンド店「フツウニフルウツ」(鎌倉)

昭和レトロな商店街に現れるお洒落なフルーツサンド店「フツウニフルウツ」(鎌倉)


鶴岡八幡宮などがある鎌倉駅東口を出たら右へ。道なりに歩いて行くと駅前とは思えない趣き、昭和レトロな「丸七商店街」に遭遇する。「いらっしゃいませ」と書かれた看板をくぐりぬけ、狭いコの字型の通路には精肉店、雑貨店、飲食店など18店舗が軒を連ねている。
その中にフルーツサンド専門店「フツウニフルウツ鎌倉駅前販売所」はある。こちらは表参道や湘南の人気パン店「パンとエスプレッソと」の姉妹店で、使用しているパンも同店のもの。
定番であり、店名にもなっているフツウニフルウツには、バナナ、キウイ、オレンジなどフルーツに、それらの酸味を邪魔しないくらいの甘さの生クリームがたっぷり、彩り豊かな断面がさらに食欲をそそる。こちらに合わせたいのが、同店オリジナルのコーヒー牛乳だ。コーヒーの苦味も残りつつ、まろやかな喉越しで牛乳特有の後味もなくさっぱり頂ける。鎌倉散歩の合間にぶらり立ち寄られてみてはいかがだろうか。 ◆フツウニフルウツ 鎌倉駅前販売所
住所:神奈川県鎌倉市小町1-3-4 丸七商店
電話:0465-81-5022
営業時間:10:00~18:00
定休日:不定休 急な坂を上った先にある薪窯パン屋さん「山の上ベーカリー」(横須賀)

急な坂を上った先にある薪窯パン屋さん「山の上ベーカリー」(横須賀)


赤い電車でお馴染み京浜急行の県立大学駅、改札を出てすぐに右折30秒くらい歩くと高架下から続く「どうみき坂」があるので、ひたすら道なりに。はじめは坂の勾配がキツイのだけれど少し行くと緩やかになるのでそのまま進む。6分ほど歩くと「左階段の上」と案内がでてくるので、言われた通りに上ると薪窯で全てのパンを焼く山の上ベーカリーはある。
向かって右のベーカリー棟に入ると、かなり存在感ある薪窯に思わず目が行く。店内にオーブンはなく全てのパン、焼き菓子はこちらで焼いているのだが、なんと、この薪窯自体お店の方たちが煉瓦を運び作ったというのだから驚く。
一番人気は「薪窯パン」。ホシノ天然酵母で低温長時間発酵した生地の優しい甘味と、クラスト(外側)の香ばしさのコントラストがじんわり身体にしみいる。隣のカフェ棟も山小屋のような雰囲気があり、ここが横須賀だということを忘れてしまう空間だ。
◆山の上ベーカリー
住所:神奈川県横須賀市田戸台60
mail:info@yamanoue-bakery.com
営業時間:11:00~17:00
定休日:火・水曜日 【番外編】山の中のパン屋が多い沖縄においても特に山奥!「八重岳ベーカリー」(沖縄)

【番外編】山の中のパン屋が多い沖縄においても特に山奥!「八重岳ベーカリー」(沖縄)


沖縄のパン屋は山の中にあるところが多い。その中でも特に山奥にあるのが八重岳ベーカリーだ。平地でも購入できるようにと取り扱い店舗は市内に何か所かあるのだが、「せっかく沖縄に来たのだから本店に行ってみたい!」と軽い気持ちで提案したら正直行くまでの道が大変だった。車と車がすれ違うのに運転が慣れている人でないと厳しい道幅、案内も少ないので旅行者には難易度が高い場所。ただ、それだけ人里離れているので、空気が美味しい。凛としたあの雰囲気を感じることが出来ただけでも行った甲斐がある。
平屋建ての店舗に入り陳列されているパンの奥に工房がある。こちらのパンは、ほとんどに全粒粉が入っていて、その中でもオススメはリンゴジャム。
力強さも感じる噛み応えある生地に自家製りんごジャムの優しい甘味が身体にしみいる。ちなみに全粒粉とはお米でいう玄米で、外皮(ふすま)と胚芽が含まれた全体食で、小麦粉だけのパンよりも栄養価が高いだけでなく奥深い味わいが特徴だ。
◆八重岳ベーカリー
住所:沖縄県国頭郡本部町字伊豆味1254
電話:0980-47-5642
営業時間:10:00~17:00
定休日:土曜日

まとめ


ガイドブック通りに行ってみるのもよいが、少し寄り道、遠回りをしながら歩いていると思わぬ絶景に出合えることがある。パンもしかり。散歩の途中に、何となく心惹かれたパン屋さんに入ってみたら、驚くほど自分好みの味だった! ということも。パン好きになったのは、フランスで現地のパンに感動したことがきっかけ。それ以来、私にとって旅とパンは切っても切り離せない関係だ。あの時の感動を味わいたくて、自分好みのパンに出合いたくて、今もパン屋さん巡りを続けている。一人一人好みの味は違う。是非、あなただけのお気に入りのパンを見つけて欲しい。
◆片山智香子(かたやま・ちかこ)
旅するパンマニア。10,000個以上のパンを食べ歩いた経験をもつ。全国のパン、パン屋さんを紹介する日本最大級のコミュニティ『パン屋さんめぐりの会』を主宰。著書に「愛しのパン」(洋泉社)、「ボウルで3分こねるだけ!ラク!早!カンタン!おうちパン」(学研)がある。近場から海外までパン屋めぐりをかねた旅行が大好き。羽田空港にも興味あり。

おわりに


いかがでしたか? パンマニアの片山さんならではの個性派パン屋。徐々に外にも出やすくなってきた今だからこそ、まずは近所のお散歩を楽しみながら、自分のとっておきのパン屋を探してみませんか?
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